女性の活躍

一人ひとりの「ありたい姿」の先にゴールが見える とらばーゆ「販売女子の未来を語る会」イベントレポート

イベントキャリア

2016年06月22日

リクルートグループが「子育てしながら働きやすい世の中を、共に創る。」の理念のもとに育児と仕事の両立を応援する、iction!(イクション)プロジェクトの一環として、2016年6月22日、リクルートジョブズの『とらばーゆ』主催で「販売女子の未来を語る会」を開催いたしました。

これは、販売職の女性のキャリア開発支援を目的としたワークショップです。販売職で働く女性は約263万人(*1)と、女性就業者の11%(*2)を占めている一方、勤務形態やロールモデルの少なさなどを背景に、 販売職女性の大学・大学院新卒者正社員の3年未満の離職率(*3)は平均より高い状況にあります。

このような現状に基づき、『とらばーゆ』は、初の取り組みとして本イベントを企画・開催しました。 販売業界の大手4社から、20〜40代の女性50名が一同に会しました。参加者のキャリアステージは、 店長職、複数店舗を管轄するブロック長、エリアマネジャーまで様々で、育児中の方もいらっしゃいました。

オープニングスピーチに登壇したのは、『とらばーゆ』の福中咲子編集長。 今回を含めた全3回のプログラムのゴールとして、「自分のありたい姿を描くこと」を設定した上で、 ワークとライフを含めた、5年先、10年先の生き方について話しました。

『とらばーゆ』の福中咲子編集長

    『とらばーゆ』の福中咲子編集長

様々なキャリアステージの女性50名が参加

     様々なキャリアステージの女性50名が参加

また、今回のプログラムを実施した背景として、販売職の女性を対象とした理由、加えて、 このプログラムでめざす「ありたい姿」について話しました。

「女性の場合、結婚・出産・育児などのライフの変化の影響を受けやすいことから、自身の将来の姿を描きにくいと感じている人も多い」と福中編集長。 「とにかく今年がんばろう、来年まではなんとか...」と、その場の環境に左右されやすく、 長期的なキャリアを描きづらい現状があると指摘しました。

また、『とらばーゆ』編集部が2016年6月に実施した、「販売職女性についての定量調査」の結果を共有しました。 販売職の女性は、「仕事の社会貢献性、会社の理念への共感」「一緒に働くスタッフ、社内の人間関係への満足度」の項目で 他業種を上回り、総じて今の仕事や人間関係に対する満足度が高いことがわかっています。

販売職女性についての定量調査

     社会貢献性、共感度、満足度は高い状態にあります

一方で、ライフステージの変化に伴い、「シフトの休みが調整できない」 「長時間の立ち仕事が体力的に辛い」といった声も聞かれます。 店舗で自分だけが社員であることが多い職場環境から、 周囲に相談することができないまま、将来のキャリアステップや 結婚生活や家事・育児との両立に悩み、他業種と比較して、 今の仕事を続けることへの不安の声が大きいのも、販売職の特徴です。

そうした、「販売の仕事だから仕方がない」「店舗(会社)の状況を考えると無理」と、諦めがちな壁を取り払い、 「ありたい姿」を描いて一人一人が実現していくためにも、このようなプログラムで、 同じ業界の女性同士が安心して本音で話せる場を設けることが大切であると福中編集長は強調しました。

続いて、「iction!(イクション)プロジェクト」の元事務局長で、 現在「グローバルにおける女性のリーダーシップ開発」に取り組む小安美和氏の司会進行で、2つのセッションを実施。

小安美和氏

      小安美和氏

1つ目のセッション「先輩社員に話を聞く」では、参加した4社で活躍する先輩社員が、 「入社当初どんなことをしたいと思っていたか」「仕事をする中で、一番うれしかったこと・苦しかったことはなにか」 「苦しかったことをどうやって乗り越えたか」「1〜2年後、5年後、10年後のありたい姿」をテーマに、自身の働き方を紹介しました。

学生時代のアルバイトをきっかけに、教員志望から一転、「JEANASIS」や「LOWRYS FARM」などの女性アパレルブランドを展開する、 株式会社ポイント(現株式会社アダストリア)への就職を決めた坪谷さん(営業統括職・32歳)は、 自身が憧れた「エリアマネジャー」のキャリアをつかむまでの道のりを紹介。 業績不振店を引き継いだときの苦労や上司から掛けられた言葉を糧に、好調店舗へと立て直した成功体験を語りました。

ブックオフコーポレーション株式会社でレディースのリユースアパレル販売専門店という新業態を担当する長谷川さん (PJリーダー職・43歳)は、店長として悪戦苦闘するなかで、仕事と家庭・育児とのバランスを失い、 自分を責め続けた辛い過去を振り返ります。そんな長谷川さんが壁を乗り越えられたきっかけには、 子どもから掛けられた、「お母さん、がんばってるね」のひと言があったそうです。

長谷川さんは「お母さん、がんばってるね」の一言に救われたそうです

     長谷川さんは「お母さん、がんばってるね」の一言に救われたそうです

販売職の女性として、同じ不安を抱える参加者たちの表情は真剣そのもの。先輩社員の話に耳を傾けながらメモを取り、 将来のロールモデルを描こうとする姿が見受けられました。

司会の小安氏は、「この先みなさんがより高いキャリアを志向されたり、結婚されたり子供を持つかはわからないが、色々な人生があるなかで、 自身のありたいライフとワークをどう両立していくかを参考にしていただきたい」とコメント。 「1〜2年後、5年後、10年後のありたい姿」を先輩社員・参加者とともに考えて、セッションを締めくくりました。

2つ目のセッション「学びの共有」では、「先輩の話からどんなことを感じたか」「どんなヒントを得られたか」 を各自が記入するセルフワークを実施。参加者それぞれが得た学びをグループディスカッションで共有する場を設けました。

今回実施した、第1回のプログラムの目的は、「ありたい姿」をイメージするきっかけをつかむこと。 一人ひとりの「ありたい姿」を描ききることを最終ゴールに、今後も第2回、第3回のプログラムを開催していきます。

 販売女子の「ありたい姿」を描ききるまでがゴールです

     販売女子の「ありたい姿」を描ききるまでがゴールです

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