多様な働き方

早稲田大学のケース - 無理なく働ける職場の作り方

企業事例

2016年11月28日

リクルートスタッフィングが早稲田大学で働く派遣スタッフ362名に実施したアンケートによると、約7割のスタッフが3年の派遣期間満了後も大学で働きたい、とする内容でした。(※2015年5月実施)また、同大学で勤務する派遣スタッフの約4割が子育て中の女性であり、リクルートスタッフィングの新規登録に占める子育て女性の比率と比べると高い割合となっています。子育て中の女性にとって働きやすく、働き続けたい職場とはどのように作られるのでしょうか。同大学で派遣スタッフとして働く照井さんと人事を担当する湯澤氏に話を聞きました。

子育てと仕事を両立するロールモデルの存在と残業が少ない職場

派遣期間満了後も大学で派遣として働きたい、という希望がスタッフ側にある場合、 リクルートスタッフィングでは同一法人の異なる部署や経験が活かせる他大学のお仕事を紹介し、 継続して大学で働けるようマッチングを行っています。先述の早稲田大学には、約500の派遣ポジションがあり、フルタイムやパートタイム(短時間・変則)など様々な勤務形態があります。同社では育休復帰、 子育て中などスタッフのライフステージに合わせた勤務形態とお仕事のマッチングを行っています。

現在、早稲田大学国際教養学部の学務係で働く照井さんも、同大学の留学センターで2年7ヶ月勤務し、 リクルートスタッフィングにて8ヶ月の産育休取得後、同大学に復職したスタッフです。 早稲田大学での働きやすさについて、子育てをしながら働いている方が多いため、仕事と子育ての両立に理解があり、 互いに配慮しあえる文化が根付いている事が挙げられると話します。

復職後の国際教養学部では、留学生のさまざまな相談や質問に対応することで、日本での生活・学びの場のサポートができることにやりがいを感じています」と話す照井さん

「留学や旅行代理店勤務の経験から海外に関わる仕事を続けたいと考えていた時に、早稲田大学の留学センターでのお仕事に出会いました。復職後の国際教養学部では、留学生のさまざまな相談や質問に対応することで、日本での生活・学びの場のサポートができることにやりがいを感じています」と話す照井さん

「最初に働いていた留学センターは当時40人ほどの職場だったのですが、女性の約3割が子育て中でした。 もともとは『子供ができたら家庭に入ろうかな』と思っていたのですが、子育てをしながら働かれている方が周囲にいることで、 自分でも続けられそうだなと感じ始めました。現在の職場でも働くママが多く、 子供の行事など子育て中に発生するさまざまなイベントについて共通の理解があるので、 互いにスケジュールを調整しながら協力し合っています。」(照井さん)

突発的な残業がほとんどないことに加え、残業が発生する時期をあらかじめわかっていることが家庭と仕事、 それぞれでやるべきことに見通しをつける上で重要なポイントだと話します。

「基本は定時で帰れるので日々のスケジュールは立てやすいです。現在の職場の学務係は、学生の質問に対応する業務が多いため、 繁忙期は新年度の4・5月です。この時期に残業が発生すると読めているため、 あらかじめ両親に子供のお迎えをお願いするなど両立のための工夫ができています。」(照井さん)

ポジションに応じた役割と業務を明確にする

早稲田大学では、派遣スタッフには原則残業をさせない、という方針が学内に周知されています。 また、「どのポジションにどんな仕事をしてもらうか」という役割と業務を明確に切り分けるようにしている、 と早稲田大学人事部人事課の湯澤氏は話します。

「専任職員(正社員)、嘱託職員(契約社員)、派遣スタッフ、それぞれに任せる業務の責任、範囲を明確にすることによって、 その範囲を大きく超えるような仕事の任せ方をしてしまうことはなくなります。派遣スタッフの方に、 定時で退社できる、仕事とプライベートを両立できる職場と評価される理由は、このようなこともベースにあるのではないでしょうか。 結果的に、子育てをしながら働く女性も多く、お互いに協力し合える風土が醸成されるのだと感じています。」(湯澤氏)

「産育休を取ることや時短の方の働き方に関する周囲の理解の有無は、当人たちにとっては私たちが思っているよりはるかに重要」、と話す湯澤氏

「産育休を取ることや時短の方の働き方に関する周囲の理解の有無は、当人たちにとっては私たちが思っているよりはるかに重要」、と話す湯澤氏

同大学で働く派遣スタッフは、大学内の3つの部署を経験しながら10年近く勤めるスタッフ、 子育てが一段落しパートタイムからフルタイムに勤務形態を切り替えたスタッフ、大学の仕事にもっと深く関わりたいと、 嘱託職員にチャレンジし活躍するスタッフなどさまざまです。いずれもライフステージの変化に合わせた働き方が早稲田大学の中にあり、 そのマッチングをリクルートスタッフィングが支援しています。

「育休復帰の職場が以前働いていた早稲田大学でなければ、気持ちのあり方は全然違ったと思います。休職期間のブランク、 子育てとの両立、新しい職場での人間関係などさまざまな不安が押し寄せますが、部署は違っても一度働いていた経験がある、 子育てと両立できている人を知っている、ということが復帰後の自分をイメージしやすく安心材料になりました。 現在も両立は大変ではあるのですが、学務係で同じ仕事をしている他3名も子育て中のため働きやすく、 ご縁があるなら今後も早稲田大学での仕事を継続していきたいと思っています。」(照井さん)


◆参考情報

早稲田大学での派遣のお仕事特集

早稲田大学ダイバーシティ推進室

 

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