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iction!×北九州市 連携協定で進む、前向きに仕事と子育てを両立する社会

2018.09.25

iction!×北九州市 連携協定で進む、前向きに仕事と子育てを両立する社会

北九州市 総務局 女性の輝く社会推進室 女性活躍推進課のみなさん。
写真左より、福山順子担当係長、和田将洋担当課長、江口陽菜主査。

2017年7月、リクルートは北九州市と、同市における女性の就業及び子育てとの両立支援を目的とした連携協定を締結いたしました。それから約1年。様々な取り組みを通して、北九州市における女性活躍推進は、どのように変化しているのでしょうか。北九州市 総務局 女性の輝く社会推進室 女性活躍推進課のみなさんに、リクルートのiction!との連携を含めた、同市の女性活躍推進の歩みを伺いました。

―女性の就業や子育てとの両立支援は日本全体の課題ですが、北九州市がこの取り組みを進めているのは、地域特有の背景もあるのですか。

福山さん

福山さん: 北九州市は、1901年の官営八幡製鐵所開業を機に発展した地域です。九州の自治体では初めて"100万人都市"になり、大きな賑わいを見せていたものの、産業構造の変化もあり、昭和54年をピークに全国よりも早く人口減少に直面。平成27年の国勢調査では、人口が前回調査(平成22年)と比べて15,000人減と全国トップの減少数でした。

若者の市外への流出が目立つ一方で高齢化も顕著。しかしこれは北九州市だけで起きている問題というよりも、これからの日本全体の課題である人口減少や少子高齢化を、他の地域よりも先んじて経験している状態と言えます。そこで、この社会課題への対応についてもトップランナーになるべく、 女性・若者定着の成功モデル都市を目指すことを市の戦略に掲げました。

―iction!との連携をはじめたのは、なぜなのでしょうか。

和田さん: 北九州市では、平成19年の現市長就任後、国から女性副市長を迎えたり、市役所内部の女性活躍推進のためのアクションプランを策定したりと、様々な取り組みを進めてきました。

平成28年には、国や福岡県と連携して、就職・キャリアアップ・創業・子育てとの両立など女性の「はたらく」をワンストップで支援する全国初の施設、「ウーマンワークカフェ北九州」を開設しました。
そうした中、就業支援について大きな課題となってきたのが、女性の就業率です。全国平均よりも数%低く、特に子育て世代の女性の就業率の低さが顕著でした。北九州市はものづくりのまちですから、市内の就業先はメーカーが多く、男性中心の風土が根強いのも要因のひとつ。父親が体を酷使して働くため、母親は家庭を守るという側面もあったようです。

江口さん: しかし、家庭と両立できる環境なら働きたいという人や、今は子育てに力を入れたいけれども将来は働きたいという人もいます。市が女性2万人を対象に実施したアンケートでは、未就業者の8割は働きたいと回答したものの、その多くが就業に際して家庭との両立に不安を抱えていることもわかりました。「夫と家事育児を分担するのは難しいと思う」というヒアリングでの回答の多さも象徴的でした。 こうした、市内に根強く残る女性が働くことへの負の価値観を払拭するには、もう一歩踏み込んだ取り組みが必要。そこで、行政の知恵だけではなく民間の専門家が持つノウハウも必要なのではないかという考えで、リクルートのiction!との連携が始まりました。

―これまで協働で行ってきた取り組みで、どんな効果が現れていますか。

江口さん: リクルートで若者向けに行ってきた就職支援プログラムを、女性向けにリニューアルした「WORKFIT for MOM」で、働くことを前向きに捉え直している女性が増えています。これまで就職支援といえば、「ビジネスマナー」や「面接対策」、「仕事のスキル」を提供することに重きを置いていましたが、そもそも就職活動にも一歩踏み出せずにいる女性が多いのですから、彼女たちの不安を解消することが先決。

和田さん

「WORKFIT for MOM」では同じ境遇のママ同士で共感しあったりお互いの強みを見つけ出したりすることで、ワークショップが終わるころにはみなさんの表情が明るくなっていくのを感じます。前向きに態度変容し、その後も就業意欲が継続している方が多いですね。

和田さん: 『カムバ!/カムバ!ボス版』を活用している企業も増えてきました。市役所でも、係長以上がマタニティマネジメントの参考にしています。市役所は、比較的女性が多いため、妊娠中・育児中の部下がいるという状況が起こりやすい職場。とはいえ若手の役職者は細かな知識がない場合も多いですから、メルマガ形式で気軽に学べる『カムバ!ボス版』が好評です。また、北九州市は民間団体による自治体イクボス充実度ランキングで1位になっており、市内の企業に向けてもイクボスを当たり前にしていこうと働きかけています。女性の雇用に力を入れる企業も増えてきていますが、中小企業には妊娠・出産から職場復帰をするまでの支援策が十分でないところも多いのが実情。そのため、中小企業ほど活用メリットがあり、妊娠を報告した女性に『カムバ!』を紹介することで、「あなたに戻ってきてほしい、働き続けてほしい」というメッセージにもなると考えています。

福山さん: iction!との協働セミナーでは、既存の業務を整理・分解して「時短JOB」を創出する方法や、時短JOBで人を採用する求人メッセージの秘訣などを紹介したのが、参加企業から好評でした。特に企業から参考になったと多くの声をいただいたのが、求人広告のノウハウ。北九州市でも人材難が深刻化していますから、「1日5時間でも、週3日でもいいから働いてほしい」と考えているところは多かったのですが、いざ募集をかけるときには、フルタイム前提の勤務条件で告知したうえで「勤務時間・日数応相談」としていたようです。企業としては歓迎の意思表示だったものの、これでは働くことに不安の多い女性たちは「フルタイムができない私はどうせ受からない」と思ってしまう。求人広告を通じて採用支援をしてきたリクルートならではのノウハウ提供は、採用活動のヒントになったようで、時短勤務者の採用に成功した企業や、業務分解の社内研修を実施した企業も出てきています。

―こうした取り組みを進めていくことで、みなさん自身は北九州市をどのような自治体にしていきたいですか?

江口さん

江口さん: 女性も男性もやりたいこと(仕事)を諦めずに済む地域にしていきたいですね。だからこそ私たちは、一人でも諦めてしまう人がいる限り、何が原因なのか市民のみなさんの声に耳を傾け、解消することにこれからも取り組んでいきたいです。

福山さん: 私も市民のみなさんが自分らしく働けることが目標です。iction!との連携で、民間の専門家のノウハウも取り入れることができ、市としてのサービスの幅も広がりました。これからも、協働のメリットを活かしながら、誰もが活躍できる社会にしていきたいです。「こうなろう」と行政が押し付けるのではなく、「自分らしく生きる、働く」ことをポジティブに選べる社会が理想の姿ですね。

和田さん: 究極の目標は、女性活躍のメッセージを発信する必要がない社会です。女性のためにとか男性なんだからとか、区別をして語る必要がなく、一人ひとりの個性や得意なことが尊重され、活かされることが、「女性活躍推進」の本質だと思っています。でも、今はまだ女性へのアプローチも必要ですし、それ以上に男性の意識改革が進んでいないことを、男性の立場でも感じますね。まだまだ目標までは道半ばだからこそ、これからも市役所の枠に捉われず、iction!など外部と協力しながらベストな取り組みを考え続けていきたいです。

iction!プロジェクトとは?

iction!は「はたらく育児」を応援するプロジェクトです。企業や自治体と一緒に「しごとも子育てもしやすい世界」をつくるお手伝いをしています。