社会的責任への取り組み

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資源の保全

製紙・印刷段階における環境負荷の低減(サプライヤーとの協働)

雑誌の主原材料である用紙の調達に際しては、サプライヤーの環境負荷削減に対する取り組みを理解した上で、リクルートが特に大切だと考えている以下の5つの観点を確認しています。サプライヤーと共に、よりいっそう環境への負荷を減らしていけるよう、今後も協力を続けていきたいと思っています。

・ 環境に配慮した原材料調達
・ CO2、廃棄物等の環境負荷物質の削減
・ 製造工程における省エネ、効率化
・ 主要原材料である森林資源の保護、育成
・ グリーン製品の利用

フリーペーパーの最適流通

フリーマガジンはラックに大量に置けば持ち帰られる部数が増えるというわけではありません。必要としている人に必要な情報を確実に届けなければなりません。いかに適正な部数を流通させるかは、リクルートの事業としての貢献度を高めるとともに、資源の保全策としても有用です。

リクルートではムダな配本を減らす配本効率アッププロジェクトにおいて研究を重ね、その精度を上げています。ラックに置かれた部数に対し、実際に持ち帰られた部数の率を「捌け率」と呼んでいます。捌け率アップのための基本は、全体でどれくらいの部数が持ち帰られるかを見極めて適正な印刷部数を計画することです。リクルートではさらに、全国にあるラックを1台ごとに持ち帰られる部数の可能性を分析し、ラックの種類やその階層ごとに搬入部数設計や配送方法を工夫し、対策を立てています。また、最近ではAIも活用し、その精度向上に取り組んでいます。

紙のリサイクル

リクルートでは、ラックに残ったフリーマガジン(残部)の回収管理も徹底して行っています。結果として残ってしまったマガジンは、担当ドライバーの方々から部数が報告された後、ほとんどが古紙会社へと回収され、製紙会社に納入されています。このようなリサイクルの工程を経て、ダンボールなどへと再生されています。

環境に配慮したインク等の使用

情報誌を印刷する際は、環境に配慮したインキ・印刷の使用を推進しています。リクルートでは定期発行紙媒体の100%で、環境に優しい「大豆インキ」を使用して印刷しています。(ただし年間誌、および表紙・はがき・別冊・付録等、グラビア印刷部分は除く)。大豆インキは大気汚染物質である揮発性有機化合物(VOC)の発生が通常のインキより少ないものです。また、定期発行している無線綴じの98.5%の紙媒体で、リサイクルに適した「難細裂化ホットメルト(接着剤の一種)」を利用して製本を行っています。

生物多様性の保全/植林事業

リクルートが行う生物多様性の保全のための活動の一つが植林事業です。リクルートでは2006年より、リクルートホールディングスと共同出資で植林事業を進めています。この活動は、当時フリーペーパーの発行が拡大し、紙資源の使用量が増える中で 「紙媒体を扱う会社として木を消費するだけでなく、自分たちでも育てて社会に貢献していこう」という、企業の社会的責任を考慮してスタートしたものです。

現地視察
現地視察
伐採の様子
伐採の様子

リクルートの植林地は西オーストラリアのパース北部に6か所、計420ヘクタールに及び、いずれも豪州の森林認証であるResponsible Wood認証(PEFC(注2)相互認証)を取得しています。植林地の樹木はユーカリで、1年で3m以上も成長し、約10年で収穫できるまでに育ちます。良好な土壌選択や的確な害虫駆除・除草対策など、運営パートナーであるWAPRES(西豪州最大の植林事業会社)の現地スタッフが各植林地を定期的に回り、メンテナンスを実施しています。

2016年より伐採を開始し、2033年までの伐採計画において、収穫が予想されるチップの量は194,495GT(グリーントン:⽔分を含んだチップの⽣重量、⾵乾重量の単位)です。伐採・収穫された樹木は、現地で紙の原料となるチップに加工され、製紙会社に納入されます。この一連の運営サイクルにおいては、FSC(注3)認証を取得しています。事業の一環として植林を行うことが社会的・将来的な価値の創出につながると考え、今後もこの活動を継続していく予定です。

(注1) 概算CO2吸収量:8,400〜14,700t-CO2/年 ※ユーカリの⼆酸化炭素吸収率を年間20〜35t-CO2/ha程度と想定しています。
(注2) PEFC: 正式名称「Programme for the Endorsement of Forest Certification」。国際的な非営利の非政府組織であり、各国の森林認証システムを管理するグローバル アライアンス。
(注3) FSC: 正式名称「森林管理協議会」

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