「リクルートで出会う機会で、あなたの可能性の種を、育み咲かせていってほしい」経営トップ×新卒採用部トップ対談

「価値の源泉は人」――リクルートの人材観の中核を成す概念である。メンバーには個人・チームとして進化し続けることを求め、会社は個人の能力がいかんなく発揮されるための機会・環境を提供する。このスパイラルから、変化し続けるリクルートという運動体が形成されるのだ。

代表取締役社長の北村吉弘と人材開発室新卒採用部部長の小栗拓の対話からも、「新しい価値の創造」を支え続ける組織で個人がのびのびと自律・自走できる環境がうかがえる。

経営トップ、新卒採用部トップが語る、今後の世の中の変化とリクルートが事業を通して目指す世界観・社会への貢献、社員の個の力を見出し伸ばす考え方、変化し続ける環境の醍醐味。そして、新たな仲間のジョインを待つ2人のメッセージとは。

PROFILE

北村 吉弘

#代表取締役社長
1997年入社。2009年より結婚領域カンパニーオフィサー、2010年より美容領域のカンパニーオフィサーを経て、日常消費領域のポンパレ事業推進室推進室長等を担当。2012年に株式会社リクルートライフスタイル執行役員、2013年より株式会社リクルートホールディングス執行役員、株式会社リクルートライフスタイル代表取締役社長に就任。2015年より株式会社リクルートホールディングス常務執行役員、2016年よりメディア&ソリューション事業担当、株式会社リクルートテクノロジーズ代表取締役社長を務め、2018年より株式会社リクルート代表取締役社長。

小栗 拓

#新卒採用部部長
2002年入社。2005年より人事、2008年よりHR領域の人事企画マネジャー、販促領域新企業の事業企画を経て、2010年よりグローバル推進室にて中国での結婚・飲食領域、海外事業統括等を務める。2012年より東南アジア・中国販促領域の事業開発を経験。2014年よりヘルスケア領域の事業企画にて新規サービスを企画、2018年より新卒採用部に移り、2019年から部長。

様々な機会との出会いで、
川下り型に描いてきたキャリア

小栗拓(人材開発室 新卒採用部部長)

まずはお二人のキャリアの変遷、そして現在のお仕事に関して教えてください。

小栗HR領域の営業からキャリアをスタートし、 HR事業部の人事へ。その後事業部に移って販促系新規事業、海外事業、ヘルスケア領域等、様々な領域・チームで経験を積み、そしてまた人事に戻ってきたという川下り型のキャリアですね。さまざまな機会を捉え、その中で変化も楽しみ、気づいていなかった自分を知る、そのプロセスの繰り返しで今の自分があると感じますね。

現在は、人材開発室にて新卒採用部部長を担当しています。素敵な未来の仲間を迎え入れられるように、経営や事業方針を元に戦略を描き、学生さんがキャリア選択や人生を考える上で、成長や気づきを得られる場を届けられるような企画を部のメンバーと日々共に考え、議論し形にしていく仕事をしています。

北村吉弘(代表取締役社長)

北村私は入社してから結婚・美容領域の事業部で経験を積みました。その後、飲食、旅行領域等も含めたライフスタイル領域のカンパニーでの執行役員、代表等を経て、2018年より株式会社リクルートの代表を務めています。

現在は、株式会社リクルートホールディングス、リクルート、それぞれの成長戦略を考え、実行する役割を担っています。

今までのリクルート、そして
今後事業を通して目指す世界観とは

リクルートが今後どのような世界を見据え、どんな戦略を元に事業を展開していくのか。まずは直球でお伺いしたいと思います。

北村まず「今までのリクルート」。リボンモデル型ビジネスを中心に、ユーザーであるカスタマーとクライアントに対して提供する価値を広げていきたいという大きな目標を掲げてきました。

人生において大きな意思決定をするライフイベント領域。日々の生活の中でより早くより幸せな選択に出会えるかが大事なライフスタイル領域。これらに対して広く軸足を持ち、双方のマッチング精度や効率を上げて、より選択の幅を広げる「新しい価値の創造」に、多様なステークホルダーと共に真正面から取り組んできました。

そして、「今のリクルート」としては、2021年4月に会社を統合。「領域ごとにカンパニーとして価値提供を追求、個別最適化していた直近10年の流れ」を変え、リクルートALLでより世の中に対してインパクトの大きい変革を生み出していこうという動きに舵取りをした転換期のフェーズだと言えますね。

ただ、統合したからといって今まで大事にしてきた「世界中があっと驚く未来の当たり前を創りたい」というスタンスは全く変えるつもりはないんです。むしろ加速していく、というニュアンスが近いかもしれない。

マッチングを増やすことで、その価値が高まれば高まるほど、クライアントの仕事がどんどん増えていくんですよね。その課題に対して、個別の会社ごとに解決していこうと思うと、時間もスピードも足りず、価値を広げられる範囲も狭まってしまう。そこで、今まで各領域で積み重ねてきたナレッジ、リソース、優秀な人材を結束させ、共通課題である「非コア業務を楽に早くできる世界を実現し、よりコア業務に集中できるベースづくり」を加速させていきたいという考えが、統合の背景なんです。

小栗よく学生さんからも統合の背景をご質問いただきますが、北村さんがおっしゃった「マッチングが加速すると、より良い意思決定に繋がる。しかし一方で、その分クライアントの仕事が増え、コア業務に集中できる時間が圧迫される。この課題を解消してあげたい」という考え方が大事だと思っていて。

たとえば美容室やサロンをイメージしてもらうと、美容師さんは、本来は「一人でも多くのカスタマーの髪を切り、幸せ・自信・リラックスを届けたい」という想いを持ってお仕事されています。それを実現するために、より多くのお客様と向き合う時間を持ちたい、より満足してもらうために技術に磨きをかけることに時間を使いたい、より「そのお店だからこそ」というコンテンツづくり、それを作っていくチームの雰囲気づくりに頭を使いたい。

そんな「本当にやりたいことに注力したい」という皆さんの想いをできる限り支援することがリクルートの使命だと感じていますね。

北村そうだね、自分たちがマッチングを第一線で作ってきた自負があるからこそ、その次の段階をいち早く考え、戦略を実行に移していくのも、自分たちしかいないと思っています。シンプルに「得意なことに時間を投入してほしい」という思考を軸に、ITの力も味方につけて、「業績を拡大しながら業務を簡単にしてくれるプロダクト・サービス」を展開し、その価値を深め、広げようとしているのが現在地点です。

「20〜30年後、世界はどうなるのか?」について、好きなこと・得意なことで食べていく世の中になっているのではないかと考えています。一定のロジックに基づく仕事は機械や仕組みによって自動化が進み、その状況下で「自分はどんな価値を生み出せるのか」を考える時代になる。

人が最も価値を生み出せるのは、好きなこと・得意なことに向き合っている時間だと思っていて。ただ現時点では、「やりたきことを仕事にするって一番理想的だけど、手段は、起業? ピンポイントの職種を探す? ……でも失敗したらどうしよう」とハードルの高さを感じ、一歩を踏み出せず安全な道を選択してしまうという声が多いと考えています。その課題感に対して、「ビジネスを始めやすくしたい」というビジョンがあります。

何を始めるにもイニシャルコストが高すぎる世の中で、いかに挑戦しやすい環境をつくりだすか。現在注力している『Air ビジネスツールズ』を例にとると、これはイニシャルコストを0にし、ランニングコストでビジネスにしています。「ビジネスを始めやすい。そして転換したい/変化させたいというタイミングで、次のチャレンジをしやすい。」という価値を提供しています。

唯一無二のバリューを発揮できる可能性があるのに、諦めてしまうのは本当にもったいないことだと思います。だからこそ、「人生投げ打って一世一代の勝負に出る」というプレッシャーではなく、「一旦やってみよう、だめだったらまた挑戦してみよう」というマインドに変えていく――そんな世界観をイメージし、「何かに挑戦したいという方の背中を押す」サービス・プロダクトを創っています。

今までのビジネスモデルを時代に合わせ、「勇気」を後押しするビジネスに変えていく転換期のまっただ中というのは面白いですね。小栗さんはいかがでしょうか?

小栗間違いなく、そんな時代が来る、というか、既になりつつある、と私も感じています。普段学生さんとお話しさせていただくと、皆さんが様々な経験を経て、素敵な夢や、興味関心を持っていて、非常に尊敬します。でも就活の中で、その想いや個性の延長線上ではなく、世の中一般的なものさしに則って選択をすることが多い状況がもどかしくて。「個人が自分でやりたいことを実現しながらも一定の収入を得て、幸せな人生を送っていく」というのが本来の理想であると考え、それを一番応援する立場でありたい、と日々感じていますね。

リクルートの強みは、「カスタマー・クライアントとのタッチポイントの圧倒的多さ」だと思っているんです。だからこそ、リクルートが未来のマーケットの変化や、理想形を描き、そこに対して推進していくことで、業界・社会を大きく変えることができると感じています。

北村さんの話にもありましたが、クライアントも今までは「大企業」中心だったのが、「中小企業」「個人事業主」と「個人」にシフトしてきていると感じますね。それが加速し、その方々のビジネスが上手くいくことによって、労働生産性が向上したり、経済が加速したり、よりカスタマーに幅広い選択肢を届けられたり……と良いサイクルが回っていくと思います。

……と話していくと、「壮大なビジョンを掲げて変化している」と感じるかもしれませんが、「これをやったら今よりちょっと良くなるはず、幸せな世の中に近づくはず」と信じ、行動を積み重ねて、そこに肩肘を張らずにピュアに向き合っているという姿勢はこれまでもこれからも変わりません。その姿勢が結集して、大きなイノベーションに繋がってきた。ロマンとそろばんの両方を大事にし、エネルギーが溢れる組織だからこそできる、事業・ビジネスを通した社会貢献を、新たな仲間を迎えながら追求していきたいですね。

まだ気づいていないWillとCanに出会って欲しい
変化・進化を糧に成長を

今後のリクルートのビジョンを伺っていく中で、それを担うのはやはり「人」だと感じたのですが、「個の尊重」を体現していく中でどのような考え方を持っているのでしょうか?

小栗まず、一言で言うと「人はみんな可能性の種を秘めていて、それを開花させたい」という考え方を大事にしています。今の学生さんは本当に幼い頃から学生生活まで色々な経験をされてきて、 現時点でもWill・Canが既に明確な人、または明確だと思っている人も多くいる。ただ、実は気づけていないWill・Canがまだまだ沢山あり、それをさまざまな機会を通して見つけてほしい、と強く思っています。

そして、「Done is better than perfect.」という言葉を自分自身も大事にしているのですが、Will・Canに気づくためにはまず「やってみる」ことが大事だと思っています。可能な限り多くの機会を活用し、都度自分を見つめ直して、軌道修正していく。そのプロセスで、まだ見ぬ自分の可能性に気づき、より幸せな人生を描いて行ってほしいと願っています。

もちろんキャリアの描き方は人それぞれなので、明確にやりたいことを頂上に掲げ、一直線に山登り型で進んでいくのも、漠然としたWillを持ちながら様々な経験をして自分の進む方向を決めていく川下り型で進んでいくのも、どちらも正解だと思っています。ただ、山登り型で進む際も、そのWillは何から生まれてきたものなのか?を意識し、「世の中的にやるべき」という外発的な動機ではなく、「心からやりたい、一度経験してみたからこそ取り組みたい」内発的動機、いわゆる「内なる炎」を持って、より良いキャリアや人生を描いていく大事だと思います。なので、今見えているゴールに固執するのではなく、どんどんアップデートしていくことが大事だと考えています。

北村小栗自身もキャリアの中で、Canに気づいて、Willをアップデートして、現在に至るもんね。

小栗まさにそうなんですよね。元々入社時に自分の原体験からやりたきWillがあったものの、現在のポジションに着くまでは、「まずはやってみる」を大事に、自分を規定せずに「こうしたい」「こうなりたい」と思い、挑戦し続けてきました。その中で見えてきた自分のCanが人事という仕事で最も伸ばせて、価値を発揮でき、やりがいを感じると気づいたんです。

実は、このCanに気づけてキャリアの方向性を決められたのも、北村さんにフィードバックいただいたことが自分にとっては大きくて。ある時ふと北村さんから「小栗の最大の強みが経験から見えてきたね。」と言われて(笑)、色々な経験をする中で見えてきたCanを最大限に生かそうと思った瞬間でした。

北村これまでたくさんの人のキャリアを見てきましたが、明らかな適性があるのに、本人が気づいていない……そんなケースがよくありました。ある程度の経験を積むのが前提ですが、自分の強みをしっかり捉え、市場価値を伸ばしていくためには、突き抜けるポイントを見つけたほうがいい。能力、価値が存分に発揮できるからです。

なるほど。Canというと、強み/課題の両方を意識することだと思っていましたが、「突き抜けるポイント」を重視するのは何故なのでしょうか?

北村個人的には、両者を意識することが大事ではありますが、課題は強みを阻害しない程度まで最低限克服しつつ、まずは自分の得意技をはっきりさせ、その強みを圧倒的に伸ばすことが最重要だと考えています。異質な個性が組み合わさったチームこそ大きな価値創出ができるため、強みのピースをはめ合うことが大事です。

「圧倒的な強みがなかなか見つからない……」というメンバーからの相談も多いですが、強みを1つだけ極めるということではなく、複数見つけられればいいと思っているんです。例えば、100人に1人のスキルを2つ持っていたら、100×100で1万人に1人という存在になる、という考え方ができますよね。

そのためにも小栗が言っていた通りで、自分のCanの可能性を現時点で狭めず、様々な職種・事業領域での経験、人・機会との出会いを通して、自分を見つめ直す機会を持ってほしいんですよね。

小栗本当にそうですね。理想論ではなく、本気で「個々人のWill・Canは可能性を秘めている」という考え方を信じているからこそ、その手助けをする機会に巡り会えるのがリクルートの組織・信念の強みだと思っていますし、ポテンシャルを開花できる環境を持っています。

先ほどの北村さんの言葉もそうですが、自分以上に自分を見てくれている上長からの期待や成長を鑑みての配置が秀逸で。特に組織長になってから感じるのは、「人材開発委員会」の意義の大きさです。これは、社員が半期ごとに実施する「Will-Can-Must面談」を元に行われます。直属の上長だけでなく、組織全体の上長たち複数人で集い、メンバーの半期の成果・成長・アップデートされたWill-Canを参考にしつつ、次任せたいミッションの難易度や性質、配置などを真剣に一人ひとり議論していくのです。

しかも「仕事だからメンバーを見ている」というよりは、お節介さ・熱意・愛を感じる上長たちが多いんです。前提として「人が人を見るということは絶対的な正解がない」という当たり前なようで忘れがちな観点を大切に、直属ではない上長の視点をもらいながら、組織全体で話し合うんです。

このような面談や制度を取り入れたという企業さんのお話を聞く事もありますが、かけている時間・思考工数は圧倒的に多いと自負していますね。

熱がこもっているからこそ、メンバーはその期待・フィードバックに納得でき、次の成長機会に自信と勇気と課題感を持って取り組める。そんな仕組みが回っているから、大企業ながらも「個の尊重」を体現できているのだと思いますね。

個々人の可能性を多面的に見て、個性を伸ばす仕組みが整っているのですね。北村さんのご意見はいかがでしょうか?

北村そうですね、人材開発委員会やキャリアウェブ制度など育成・配置にこだわり、制度をアップデートして機会を提供していますし、それと同時に会社全体の特徴は大きく2つあると感じますね。

まずは、「職種・領域・事業フェーズ・プロジェクトの幅広さとミッションの渡し方」です。それぞれの要素の選択の幅も広く、掛け合わせることで様々な経験ができる機会を用意しています。軸足の置き方・ピポットの仕方を模索しながら、社内で転職しているのではないか?と錯覚するほどですね。

その環境の中で、「自分ならではの強み」の認知をサポートしていきたい、ということを重視し、ミッションの渡し方も常に「つま先立ち」を理想としています。つまり、自分にできると考えている能力で、立てるか立てないかギリギリのポジションだけど、決して度を越した、無理なアサインではないこと。組織やチームで頑張るからこそ、個人が思い込んでいる限界を軽々と超えられるんです。僕としては、そんな驚きを組織の中で体感してほしいと思います。

次に、「変化への耐性が得られる環境であること」。リクルートが変化を続けてきたのは、否応なく変化する社会に向き合い、ビジネスを考えてきたからに他なりません。そして、当然その中で働く個人も変化していかなければと考えています。変化を止めたら「安定」に至ります。それは成熟をもたらすものですが、同時に衰退の始まりでもある――僕はそう考えています。

現在のコロナの状況を見ても、世の中は変化に対して恐れを持っていると感じることがあります。ただ今後は、どのような状況でも、その時々で必要なスキル・スタンスを学び続ける、その中で変化への耐性ができている、むしろ楽しみながら推進していける人が価値を生み出せると思います。普段から変化が激しく難易度が高い課題に立ち向かっている人は、より困難な状況に直面したときに、「自分にはちゃんと挑戦できる根幹がある」という自信に繋がっていると思うのです。

好奇心と仕事との繋がりを大事に
今後も模索し続けるWillとは

変化に事欠かない、そして変化の機会を創出しながら自分を伸ばしていく。そんなリクルートで働くメンバーの姿勢が伺えました。その組織づくりを担う立場のこだわり・信念をお聞かせください。

北村モットーとしては、「固定的なこだわりを持たず、仕事と好奇心を紐付けていく」ことですね。大学時代を振り返ってみると、もともと理工学部で学んでいたんですよ。当時、周囲を見ると就職も教授推薦がほとんどでしたから、リクルートとはあまり親和性がなさそう(笑)とよく言われていました。ただ、就活を機に「働く」について考えてみたんです。

単純計算してみると、1日を8時間働き、8時間遊び、8時間寝ると考えると、意識がある時間帯の半分は仕事の時間ということになります。そんな長い時間を「つまらない……」と思いながら過ごすのは、ちょっと違うんじゃないかな、と。楽しいと感じられる機会・人に出会い、生き生きと仕事をしていきたい。そう思考を重ねると「どんな状況でも好奇心を元に、どうしたらより早く、より質を高く、多くの人に価値を届けられるか」を考えるのが得意だという片鱗があり、フィットした先がリクルートでした。だからこそ、今でも初心を忘れず、どんな難題・初めてのミッションが来ても、自分で意味づけすることが習慣化していますね。

また、アウトプットのフィードバックとして、僕がメンバーに対して常に確認している点は「それをやる目的って何?」です。目的と手段を履き違えてしまっては、それは変化には直結しません。たとえば、僕は「DXという言葉をあまり使いたくない」とよく発言していますが、それは往々にして「デジタル・トランスフォーメーション」という手段が目的になってしまいがちだから。本質の課題を見極め、何に集中すべきなのか、whyとwhatを大事に、適切なhowを考えていきたいという思いがあります。

小栗あとは、僕から見ると、北村さんは、発信の大事さを社長としても大事にしているなと感じますね。

北村そう言ってもらえるのは嬉しいね。私は「歴代社長の中でも一番アウトプットが多い社長になろう」と考えていて、社内報でもメッセージし、メンバーからのアクセスも常に待っています。僕のドアはいつも開いているよという発信に対して、実際、2~3年目の若手社員からレスポンスをもらうことも。フラットに意見を交わせる関係性を意識しています。

では最後に、新卒採用トップ、そして経営のトップとして、今後のビジョンをお聞かせください。

小栗現在の新卒採用部部長としては、北村さんが言うように「未来を描いていくこと」の大切さを感じています。キャリア選択や就職活動に対して、様々な課題があると思っていて。その課題に対して、特に人材領域においてインパクトを与えられるリクルートの人事だからこそ、ファーストキャリアとして弊社を見ている学生さんに対してだけでなく、より多くの学生さんにとって、新たな選択肢を提供できるような機会を創っていけるのではないかと考えています。

それを実現した後に何をやるかはまだまだ模索中で、自分が解決したい課題・領域はたくさんあるので、世の中やステークホルダーにインパクトがある場所を見つけたら、そこで想いを形にしていくんだと思います。

北村僕も中長期的には小栗と同じくですね。普段から色々な刺激、マーケット、情報に触れる中で、これに取り組みたいというテーマはどんどん変化しているので、この先もずっと好奇心を大事にしながら模索していき、形にしていくんだと思います。二人とも目の前の仕事に向き合いながら、引き続きWillとCanをアップデートしていきそうだね(笑)。

今考えているのは、会社の構造をオールフラットにしていきたい、というビジョン。社長はただの「係の肩書き」だと思っていて、個々が得意技を発揮するためにマネジメントとして全力で支え、環境を作っていくという「役割」と捉えています。強固なチームワークを持った、プロフェッショナルな集団、フラットに課題に向き合い、解決していく、そんな組織づくりに取り組み始めています。もちろんリクルート内だけではなく、社会の色々なステークホルダーが集う世界観を少しずつ実現してきているので、その動きを更に加速させていきたいですね。

そんな世界観に共感し世の中に貢献したいと思っている方、自分の強みを見つけ伸ばしていきたい方、自分らしく生きていきたいと願っている方がジョインしてくれたら、とても嬉しいです。皆さんと一緒に世の中の「新しい当たり前」をつくっていけることを楽しみにしています。

大事にしている言葉

ご機嫌に過ごすには捉え方を変えるのが大事

人間の喜怒哀楽を伴う認知は「事実」と「感情」が掛け合わせ。事実は変えられませんが、その捉え方を変えるだけで感情はコントロールでき、結果としていつもご機嫌に過ごせるようになるんだと思います。(北村 吉弘)

100%を追求せずにとりあえずやってみる

何事も100%まで仕上げるのは時間がかかるもの。60〜70%くらいまではたぶん半分くらいの時間で仕上がるのでそこでとりあえずやってみてそこから学ぶ方が結果早く良い成果につながると思います。(小栗 拓)