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中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2019年10-12月期

2020年01月28日
株式会社リクルート
その他

 株式会社リクルートホールディングスのグループ会社であり、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF International Recruitment Holdings Limited(本社:香港、 CEO:中重宏基)は、このたび、2019年10‐12月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。

中国大陸

米中貿易摩擦・経済の停滞感を受けて、求人案件数は前年同期比で減少。一方ITの採用ニーズは引き続き高い。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
総経理 木村 秀之(きむら ひでゆき)
総経理
木村 秀之(きむら ひでゆき)
  • 当社で取り扱う日系企業を中心とした10-12月期の求人案件数は、前年同期比で減少。米中貿易摩擦の状況の複雑化や中国経済の停滞が顕在化し、企業の採用意欲が冷え込んだ。1年を通じて積極的な採用計画を立てることが難しく、ここ3年の間で最も企業の採用活動が低迷した1年だった。
  • 業界別にみると(下図)、IT/通信の好調は今期も維持された。日本のIT技術人材不足を反映した動きとなっており、日本で確保しきれないIT技術人材を海外で確保する動きが多くみられた。
  • 日系企業とは対照的に、2019年は非日系企業の案件が前年よりも増加し、10-12月期は前年同期比70%増となった。 貿易摩擦の影響で中国系企業の間に、米国に代わる海外市場を開拓しようという動きが生まれ、日本支社設立にあたって、日本で勤務する人材を採用したいという問い合わせが増加した。
求人案件数

【転職事例】プロジェクトマネージャー(現地人材)/日系・IT企業/30代前半/約20万中国人民元(年収)

香港

抗議運動によって求職者の採用活動および企業の採用計画に影響大。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
ゼネラル・マネージャー 細田 裕子(ほそだ ゆうこ)
ゼネラル・マネージャー
細田 裕子(ほそだ ゆうこ)
  • 香港の転職市場は、例年動きが落ち着く年末のシーズンであることに加え、昨年の3月から続く、逃亡犯罪人条例等改正案に対する抗議行動が長期化したことによって影響を受けた。採用計画の縮小だけでなく、11月には交通機関の混乱によって、求職者の動きは鈍くなり、多くの企業がオフィスクローズによる面接日程の後ろ倒しを余儀なくされた。結果、企業の採用計画も香港情勢の様子見が多くなったため当社10-12月の求人案件数は昨年同時期と比べ72%減少した。
  • 業界別にみると、日系企業はどの業界も同様に求人案件数は減少。また貿易商社の営業職など、中国本土への出張がある案件は若年層を中心に敬遠された。
  • 香港の状況を踏まえ、日本人求職者の多くは、香港在住か、ライフイベント(結婚など)で香港在住になるのが決まっている求職者であった。
  • 現地の求職者の動きとしては、12月のクリスマス休暇や1月のボーナス時期を待って動きは鈍化した。そのなかでも転職を希望する求職者は、スピーディな転職を希望し、決定後すぐに入社するパターンが多かった。

【転職事例】営業(現地人材)/日系・商社/40代前半/約35.1万香港ドル(年収)

インド

経済低迷を受け自動車関連業界が停滞。IT、小売、飲食、医療、建機、農業の分野では新規進出も。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
カントリー・マネージャー 森土 卓磨(もりど たくま)
カントリー・マネージャー
森土 卓磨(もりど たくま)
  • インド経済の不調によって、インド国内の金融サービスが低迷。利用が多い自動車関連業界に影響が波及し産業全体が停滞している状況は10-12月期も継続。それに伴い、自動車製造業を筆頭に日系企業のビジネス不振が続き、採用活動は例年より鈍化。また、日系企業が受注している高速鉄道プロジェクトも土地収用の遅れなどから計画通りに進んでおらず、採用の動きは活発化していない。企業によっては、新規採用を今年度(2020年3月まで)全面凍結する動きもみられた。
  • しかしながら、政府が昨年自動車購入のための金融緩和の特別措置をとりインド内の自動車関連業界が活性化する可能性があることなどを踏まえ、今後の求人募集の見通しについては、企業の採用意欲も復調する可能性があるとみている。
  • 業界別にみると、自動車製造業を中心とする日系企業のビジネス状況は鈍化しているが、インド国内の需要が高い医療、建機、農業の分野、また、日系企業の進出が盛んなIT、小売、飲食においては引き続き採用意欲が堅調に維持されている。新規進出の企業においては、日本・現地人材ともに、営業、総務、人事、通訳、品質管理、エンジニアなどさまざまな職種での募集がなされた。

【転職事例】総務マネージャー(日本人材)/日系・商社/30代後半/約400万円(年収)

インドネシア

転職決定数、求人案件数ともに前年同期比で大幅増加しており、転職市場が活発化。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
カントリー・マネージャー 梅原 達也(うめはら たつや)
カントリー・マネージャー
梅原 達也(うめはら たつや)
  • 当社で取り扱う日系企業を中心とした10-12月期の転職決定数は前年同月比で30%増加し、求人案件数は前年同期比で16%伸びるなど、業界問わず活発に動いていた状況。特に製造業と、回復基調で求人数が伸びてきた建設業関連からの求人案件が半分を占めた。
  • 採用活動が活発な製造業は営業、通訳(日本語)、経理などの職種が多く、建設、設備業においてはエンジニア(電気、機械)、施工管理などの職種の求人が多い。いずれの職種も日本語力の高いインドネシア人求職者の獲得競争が激しく、需要に対して不足している状態が続いている。
  • 新規進出や事業拡大に伴う人材紹介の問い合わせ増加が目立ったのはサービス業。賃金は年率8%以上の上昇を継続していて中間層の人口が安定的に増えていることから、その中間層をターゲットとしたレストランやアミューズメントといったサービス業の新規参入が増加している。傾向として、立ち上げ期の基盤作りを担える日本人、インドネシア人のマネージャーや立ち上げの駐在員をサポートする通訳、秘書の採用が多い。

【転職事例】倉庫管理(日本人材)/日系・物流会社/30代前半/約4億インドネシアルピア(年収)

シンガポール

コーポレート部門強化の動きを背景に関連職種の求人が増加。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
ジャパンデスクヘッド 野﨑 裕司(のざき ゆうじ)
ジャパンデスクヘッド
野﨑 裕司(のざき ゆうじ)
  • 2019年7-9期に引き続き、東南アジアでの人事、IT、コンプライアンス、内部統制、経理等のコーポレート部門の強化を図る日系企業の動きを受け、コーポレート部門での求人案件数 (日本人、現地人ともに) が増加傾向にある。特に、経営の中核をなす企業理念の浸透やタレントマネジメントの分野を中心として、人事関連の求人案件が増加している。
  • 日本人現地採用においては、日系・外資系の金融業界でのウェルスマネジメント及び法人向けの営業職での採用ニーズが高まっている。背景には、シンガポールを含む東南アジアの国に点在する日本人、及び、日本に拠点を置く方々向けの資産運用コンサルティング事業の強化を考えている企業が増加しているためと考えられる。
  • 現地企業も日本同様、シンガポールでもサービス業での人手不足が深刻化している。サービス業をはじめ人手不足が進んでいる業界では、給与や昇給率を高く設定したり、入社後の研修を強化することで従業員をつなぎとめようとする傾向がみられる。

【転職事例】経営企画マネージャー(現地人材)/日系・食品業界/30代後半/約1,200万円(年収)※日本語スピーカー

タイ

世界的な経済低迷やバーツ高を背景とした製造業の輸出縮小に伴い採用活動はやや消極的。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
カントリー・マネージャー 宮尾 真司(みやお しんじ)
カントリー・マネージャー
宮尾 真司(みやお しんじ)
  • タイの転職市場は、世界的な経済低迷やバーツ高を背景とした製造業の輸出縮小に伴い、全体として企業の採用は2019年7-9月期と比較し、消極的な傾向。しかしながら失業率1%前後と、企業の人手不足感は依然として強い。
  • 当社と取引のあるバンコクエリアの日系企業では、例年同様ボーナス支給前で退職者補充求人が減少したため、10-12月期における採用は消極的な企業が多かった。また製造業を中心に、輸出縮小が原因で売上予測が下方修正になり、採用計画を翌年へ見送る企業が散見された。全体として採用活動は鈍化傾向にあるなかではあったが、職種別では、製造の効率化を背景に、ITエンジニアや自動化エンジニアなどの高度人材の採用案件が多かった。
  • 自動車産業を中心に多数の工場が集まる東部エリアにおいても、10-12月総じて採用を控えている企業数が多かった。理由としては米中貿易摩擦、バーツ高による輸出減によって生産数が減り、売上が低下したことが挙げられる。ただ将来的な現地化推進のための管理職の人材育成、獲得を検討している企業は多かった。
  • 日本人求職者の動向としては、10月、11月は、ボーナス受給後の転職を想定した求職者の登録が増加傾向。そのため、まずは情報収集を行いながら慎重に転職活動を進める求職者が多く見受けられた。年末は例年通り求職者の動きが鈍化。20代~30代中盤までの法人営業経験者で一定レベル以上の英語力があれば転職機会は豊富。

【転職事例】営業(日本人材)/日系・小売/40代前半/約150万タイバーツ(年収)

ベトナム

日系企業の進出が活発。IT業界・不動産業・建設業の採用需要が高い。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
カントリー・マネージャー 横沢 朋(よこざわ とも)
カントリー・マネージャー
横沢 朋(よこざわ とも)
  • 2020年春節を控え、年末に向け転職マーケットはやや落ち着いたものの、引き続き企業からの採用需要も高く、またよりよい転職先を探す求職者の活動も活発。日系中小企業の事業展開国としてベトナムの人気は高く、今後の採用活動需要も高い状況がしばらく続いていくと思われる。
  • また、日本だけでなく韓国からの企業進出および海外投資が勢いを増している。高度な技術、技能を持った人材を高収入で採用している背景もあり、人材の獲得競争が続いている。
  • 業界別にみると、採用需要の高さが顕著だったのは、ベトナムでのITオフショア開発企業の進出が拡大しているIT業界(前年同期比+70%)。不動産(前年同期比+46%)も国を挙げて不動産投資・不動産開発が積極的に行われており、地下鉄や高速道路等の公共機関、大型ショッピングモール、マンションアパート等建設が進んでおり需要が高かった。また建築・消費者向けサービス(前年同期比+110%)も大手ブランドの出店が続き採用需要が高い。
  • 日本人求職者の動向としては、建設業界からの高い採用需要を受けて、若手の営業経験者から建設業界での経験が長い中高年層まで幅広い層での転職活動がみられた。

【転職事例】コンサルタントアシスタント(現地人材)/日系・コンサルティング/20代前半/約12,350 USD(年収)

リクルートグループのアジアにおける人材紹介事業について

  • リクルートグループは、中国・東南アジア・インドにおいて、RGF Executive Search、 RGF Professional Recruitment、RGF HR Agentの3つのブランドで人材紹介事業を行っています。
  • 2006年の中国進出以来、進出地域の拡大や、CDS(日本)、Bó Lè Associates(中国)、 BRecruit(中国)、NuGrid Consulting India(インド)の買収を通じ、アジアの11の国と地域、26都市、45拠点で事業を展開しています。
  • 日系企業のみならず多国籍企業や現地企業への人材紹介事業を通じて、企業の正社員採用・求職者の転職を支援しています。

日系人材紹介会社最大規模の拠点網 11の国と地域、26都市、45拠点

日本、中国大陸、香港、台湾、シンガポール、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ

日系企業のみならず多国籍企業・現地企業にもサービス提供

日系企業にとどまらず、多国籍企業や現地企業に対して、経営幹部の採用サポート、若手~中堅のミドルマネジメントの転職支援など、幅広い層の採用を支援するサービスを提供しています。