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中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2020年7-9月期

2020年10月27日
株式会社リクルート
その他

 株式会社リクルートホールディングスのグループ会社であり、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF International Recruitment Holdings Limited(本社:香港、 CEO:中重宏基)は、このたび、2020年7-9月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。

中国大陸

前期に引き続き採用市場は徐々に回復傾向。コンサルティング業界の人材需要が高まる。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
木村 秀之(きむら ひでゆき)
総経理
木村 秀之(きむら ひでゆき)
  • 当社で取り扱う日系企業の7-9月期の求人案件数は、前年同期比で減少。しかしながら1-3月期、4-6月期と比べると減少幅はさらに縮小した。中国経済の順調な回復に伴って企業の採用意欲も上向いてきている。
  • 業界別には、取り扱い求人数が多い商社、流通・小売、製造が徐々に回復し始めている。また景気動向の影響を受けにくい製薬・医療機器業界も人材需要は安定しており、引き続き求人数も堅調に推移。新しい傾向として、コンサルティング業界の人材需要が高まっている。サプライチェーンの分断リスク低減を目的に、中国撤退・現地法人の清算を検討する日系企業が増加しており、コンサルティング会社への依頼が増加しているのが一つの要因とみられる。
  • 新型コロナウイルスの影響で就労ビザ取得の難易度が高まっており、中国以外の地域に住んでいる日本人求職者は転職活動を進めにくい状況が続く。
  • また中国人求職者動向については、今年中国の大学・大学院を卒業した新卒人材が最も新型コロナウイルスの影響を受けている。過去最高の847万人という卒業生数だったことに加え、企業の採用枠が縮小しているため、就職に苦戦する人材が多い。日本語ができる人材についても、今年は就職先がなかなか見つからないというケースが例年より多い。

【転職事例】経営コンサルタント(現地人材)/日系・コンサルティング/20代後半/約12万中国人民元(年収)

香港

7月末からの感染再拡大を受けて、企業の採用意欲は引き続き低迷。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
ゼネラル・マネージャー 細田 裕子(ほそだ ゆうこ)
ゼネラル・マネージャー
細田 裕子(ほそだ ゆうこ)
  • 香港政府は、従業員給与の50%(上限9000香港ドル/月)を助成する雇用支援スキーム(ESS)を初夏より導入し、8月には第2回の申請が開始されるなど、既存社員の雇用維持施策に力を入れている。しかしながら新型コロナウイルスの終息が見えないなか、企業の採用意欲は低いままの状態が続く。
  • 当社で取り扱う日系企業の求人をみても、多くの日系企業で積極的な採用は控える状況が続いており、採用枠の約7割が欠員補充のための採用となっている。残り3割については、現在の組織の生産性を高めるための再編成に伴う採用。厳しい経済環境を踏まえ、事業を拡大するための採用はほぼ行われていない状況が続く。
  • 国をまたぐ移動が制限されるなか、新規のビザ獲得も取得しづらい状況が続いており、すでに香港内で働いている人材、あるいは香港勤務に有効だとされるビザ(Dependant・Permanent)の保有者にターゲットを絞って採用活動を行う企業が多い。

【転職事例】ITコンサルタント/日系・金融/40代/約40万香港ドル(年収)

インド

7月のロックダウン解除に伴い徐々に採用活動が再開。現場・ミドル層の人材需要が高い。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
カントリー・マネージャー 坂本 智一(さかもと ともかず)
カントリー・マネージャー
坂本 智一(さかもと ともかず)
  • 7月以降はロックダウンの解除に伴い、 3月末以降のロックダウン期間中にはペンディング日系企業の採用活動も徐々に再開。新型コロナウイルスによる業績低下に伴い、駐在員コスト削減のために新規で日本人現地採用を検討する企業が増加。また8月より日本・インド間のチャーター便が運行を開始し、日本人のインドへの渡航も可能になったことで日本人を対象とした求人も徐々に増加している。
  • 今後の経済活動の回復具合が見えづらい状況のためか、各社ミドル層以下の人材需要が高く、マネジメント層の採用については今後の経済活動の回復状況を見て判断する企業が多い。
  • 採用活動では、多くの企業でウェブ面接が積極的に活用されるようになり、選考の調整がより容易となるのに加え、企業側も多くの候補者と面接が可能になるというプラスの側面が見られた。
  • 業界別にみると、自動車の販売台数が回復したことで製造業からの求人数が増加した。また前期に引き続きIT業界からの求人数も堅調に推移している。
  • 日本人求職者の動きとしては、日本からインドへの転職希望者は減少傾向。8月からチャーター便が運行され渡航ができる環境にはなっているものの、インドでの感染が収束傾向に向かうまでは日本人求職者数の回復は難しい状況が続くと予想。

【転職事例】経理(日本人材)/日系・自動車/40代前半/約500万円(年収)

インドネシア

4-6月と比較すると採用意欲の回復が見られるが、9月より都市部における行動制限が強化され先行きは不透明。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
藤井 義晃(ふじい よしあき)
カントリー・マネージャー
藤井 義晃(ふじい よしあき)
  • 新型コロナウイルスの影響が長引くなか、首都ジャカルタにおいては新規感染者数が再び増加。この状況をうけて、9月中旬から大規模社会制限が再度強化され、一部の業種を除き民間企業に対し在宅勤務を要請。やむを得ず出社する場合も、全体で出社率25%にとどめる在宅勤務が義務付けられた。
  • 当社で取り扱う日系企業の求人をみると、前年同期比では求人数は減少しているものの、4-6月期と比較すると求人数は徐々に回復。
  • 業界別にみると、 IT業界の人材需要が今期も引き続き高いのに加え、新型コロナウイルス前に決定したプロジェクトが再開し始めた建設業界の採用意欲が戻り始めた。またしばらく求人数が減少していた自動車関連業界の求人数も工場再開に伴い増加した。
  • 日系企業の採用ニーズとしては、コスト削減の観点から、現地採用を進めている企業が多い。また新しい働き方の変化に対応していくため、 IT人材を採用し、自社のIT機能を強化する動きや、ローカライゼーションを進めることを目的に現地マネジメント人材の採用意欲が高まった。
  • 求職者の動きは日本にいる人材、インドネシアにいる人材ともに活発化。オンラインで転職活動を行いやすくなった背景から、登録者が増加している。

【転職事例】営業(日本人材)/日系・商社/20代後半/約380万円(年収)

シンガポール

引き続き企業の採用意欲は低いなか、シンガポール政府による国内人材の雇用施策が打たれている。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
シニア・ディレクター 野﨑 裕司(のざき ゆうじ)
シニア・ディレクター
野﨑 裕司(のざき ゆうじ)
  • シンガポール人材開発省(MOM)は7月の失業者は4.1%、8月は4.5%と発表し、全体として引き続き採用意欲の低迷が続く。
  • このような状況に対し、シンガポール政府はホワイトカラーや専門技術職向けの外国人就労ビザ「エンプロイメント・パス(EP)」 の交付に必要な最低給与額を引き上げることで、外国人の雇用を抑制し、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた地元人材の雇用 を強化するなど対策を打っている。この影響を受け、企業は現在雇用されている外国人従業員のパフォーマンスと月収のバランスを再考する必要があり、 例年以上に人事・組織戦略の見直しを考えている企業が増加。
  • 当社で取り扱う企業の求人は、前年同期比で減少。しかしながら新規で赴任予定であった日本人社員の入国が許可され、それに伴い企業の採用の動きが徐々に活発化し、IT、金融、保険といった業界での求人が増えている。
  • 日本人求職者の登録は大幅増加。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って大きな打撃を受けている旅行、宿泊などのサービス・観光業界、主要航空会社、イベント、飲食業界が人員削減を実施しており、これらの企業から転職希望者が大幅増。しかしながら現在採用意欲が回復し、求人が増加している業界の人材需要条件との不一致も多く、雇用のミスマッチが生じている。

【転職事例】秘書(日本人材)/日系・化学業界/30代前半/約500万円(年収)

タイ

企業の採用意欲は徐々に回復。生産が落ち着いているなか人材育成に力を入れる企業も。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
木村 秀之(きむら ひでゆき)
カントリー・マネージャー
木村 秀之(きむら ひでゆき)
  • タイ国内の転職市場は、新型コロナウイルスの影響を最も受けた4月と比較して、回復傾向にあり、企業の採用意欲は戻り始めている。タイ政府は雇用施策として25歳以下で一定の条件に該当するタイ国籍の人材を雇用する事業者に対して補助金を出す施策を打ち出しており、制度を活用するために新卒採用の検討を行う企業も増えている。一方で、渡航制限に加え、ビザを取得していない外国人の出国期限が設定されるなど、外国人がタイ国内で転職活動を行うハードルが高まっている。
  • 弊社で取り扱う求人において、7-9月期の求人数は、前年同期の水準には戻っていないものの、4-6月期と比較すると大幅に改善した。しかし日本人材の採用意欲・採用決定数は減少した。背景としては、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて日本に帰国する日本人が増加したことや、日本から新たにタイへ転職を希望する求職者が減ったこと、またタイへの転職を希望しても、新型コロナウイルスが終息してからの渡航を余儀なくされるケースなどが挙げられる。
  • タイ人を中心とした現地採用においては、経済の先行きが不透明なことからバンコク近郊の企業では、採用活動の全面停止または退職者補充の場合のみ採用を実施する企業が多数。一方で製造業を中心に、生産が落ち着いている現在のタイミングを利用し優秀な人材確保に力を入れ、将来の幹部候補となるような人材育成を図る企業も見られる。

【転職事例】総務(日本人材)/日系・商社/30代/約110万タイバーツ(年収)

ベトナム

GDP成長率はプラスだが、経済への打撃は大きく企業の採用活動は縮小。

当社で取り扱う日系企業求人数トレンド(前年同期比)
カントリー・マネージャー 横沢 朋(よこざわ とも)
カントリー・マネージャー
横沢 朋(よこざわ とも)
  • ベトナム統計総局(GSO)の発表によると、2020年第3四半期(7~9月)のGDP成長率は、前年同期比で2.62%。第3四半期としては2011年以降で最低の伸び率となったものの、前期の0.39%に続いてプラス成長を維持した。ほとんどの企業が通常業務運営に戻りつつあるものの、新型コロナウイルスの影響による企業の業績不振、国境再開正常化延期によるビジネス停滞・先行き不透明感により、企業の採用意欲は引き続き低い状況が続いている。
  • 当社で取り扱う日系企業を中心とした求人数は前年同期比で減少となった。背景としては、新型コロナウイルスによる業績不振で、増員を検討しない企業が増加したことや、先行き不透明から退職率が例年比で低く、欠員採用案件が低下していること、採用コストを抑えようとする動きがあることが挙げられる。求人数の減少が多かったのは、観光業などの関連サービスや物流、運輸など。渡航制限による影響を強く受ける業界の採用意欲低下が目立った。
  • 日本人求職者の登録数は新型コロナウイルスの影響を受けておらず、大きな変化は見られない。日本在住で転職活動を行う求職者は入国制限の背景から転職先が絞られてしまっているが、隔離費用などの入国に伴うコストがかからず、スピーディーに採用したい企業にとってベトナム在住の日本人求職者の需要は高い。
  • ベトナムの現地求職者は、観光業に従事していた人材を中心に登録が増加。

【転職事例】営業アシスタント(現地人材)/日系・電気電子業界/20代半ば/約8,400 USD(年収)

リクルートグループのアジアにおける人材紹介事業について

  • リクルートグループは、中国・東南アジア・インドにおいて、RGF Executive Search、 RGF Professional Recruitment、RGF HR Agentの3つのブランドで人材紹介事業を行っています。
  • 2006年の中国進出以来、進出地域の拡大や、買収を通じ、アジアの11の国と地域、26都市で事業を展開しています。
  • 日系企業のみならず多国籍企業や現地企業への人材紹介事業を通じて、主要な業界・職種を網羅し、経営幹部からスタッフレベルまでの企業の正社員採用・求職者の転職を支援しています。

日系人材紹介会社最大規模の拠点網 11の国と地域、26都市

日本、中国大陸、香港、台湾、シンガポール、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ

日系企業のみならず多国籍企業・現地企業にもサービス提供

日系企業にとどまらず、多国籍企業や現地企業に対して、経営幹部の採用サポート、若手~中堅のミドルマネジメントの転職支援など、幅広い層の採用を支援するサービスを提供しています。