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調査レポート「シニア雇用への新型コロナウイルスの影響<個人編・企業編>」 コロナ影響でシニアの約2割は「就業意欲が弱まった」 企業のシニア採用意欲に大きな変化なし

株式会社リクルート

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株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)の調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』が、調査レポート「シニア雇用への新型コロナウイルスの影響<個人編・企業編>」をまとめましたので、ご報告いたします。

主な調査結果

個人編
  • コロナ影響により、就業意欲が弱まったシニアは約2割。特に非就業者では3割超となっている。その理由については「感染予防のため」が66.3%、「外に出るのがおっくう」が36.6%などとなった。
  • 生活の中で変化したことは、「健康に気をつかうようになった」83.1%、「パソコンやスマートフォンを使い始めた、使う時間を増やした」54.2%など。
企業編
  • 働き方の変化として、「オンライン会議」、「非常時のテレワーク」が進んだとの回答が4割超となった。また、採用活動に当たっても「オンライン面接を導入・拡大した」が18.2%など、オンライン化が広がった。
  • パート・アルバイトの採用では、約2割の企業が「採用予定を減らした」と回答した。シニア採用については、積極的になったとの回答と、積極的でなくなったとの回答がそれぞれ約1割だった。

中長期的ニーズを見据え、コロナ影響をシニア雇用促進の契機に

今回の調査結果からは、コロナ影響により就業意欲が弱まったシニアが少なくないことが分かりました。このような影響は他の年代でもあると推測されますが、採用活動の際は各年代に合わせた対応も必要です。シニアほど「定期的に洗浄・消毒などを実施している」、「対面での面接を空調に配慮した場所で実施している」ことが応募・就業意欲につながったという調査結果(p.3参照)もあります。
企業編の結果を見ると、コロナ前後でシニア採用への積極性に大きな変化はありませんでした。シニアに限らず採用予定を減らしたとの回答は少なくないものの、中長期的に見ると、少子高齢化や人材不足の状況は続くと考えられます。コロナ影響をむしろチャンスと捉え、どの年代の人も働きやすい職場を作る契機にしたいものです。
usagawakunikoジョブズリサーチセンター長
宇佐川 邦子

レポートはこちら

※「入職者調査 2020年年間―新型コロナウイルス感染症の仕事・生活への影響に関するアンケート結果―」(p.3掲載)https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20210525_1741.html

個人編 就業意欲への影響

「強まった」または「やや強まった」との回答が計9.5%、「弱まった」「やや弱まった」との回答が計21.0%となった。特に非就業者では就業者に比べて就業意欲が弱まったとの回答が多く、いずれは働こうと思っていたがコロナ影響でためらうようになった人が少ないと考えられる。(※調査対象者には働くつもりがない人が含まれていない点に注意が必要。)
20210525_hr_01Q.新型コロナウイルスの影響で、働きたい/働き続けたいという気持ちに変化はありましたか。(単一回答)【対象者:全員】

個人編 就業意欲が弱まった理由

「感染予防のために外に出ることを減らそうと思った」が66.3%で最も割合が高い。次いで、「外に出るのがおっくうになった」「仕事が見つからないだろうと思った」が3割以上となっている。
20210525_hr_02Q.新型コロナウイルスの影響で、働きたい/働き続けたいという気持ちが弱まったのはなぜですか。(複数回答)【対象者:「弱まった」または「やや弱まった」人】

個人編 生活の変化

「健康に気をつかうようになった」が「あてはまる」または「ややあてはまる」との回答が8割超。「パソコンやスマートフォンを使い始めた、使う時間を増やした」は5割超、「家族や友人とビデオ通話などオンラインでのコミュニケーションを増やした」は約3割だった。WEBアンケートという条件はあるものの、日常生活でもオンライン化が進んできていると考えられる。
20210525_hr_03Q.過去1年ほどで、あなたの生活の中で変化したこととして、あてはまるものをお答えください。(単一回答)【対象者:全員】

「入職者調査 2020年年間―新型コロナウイルス感染症の仕事・生活への影響に関するアンケート結果―」より
仕事探しにおける新型コロナウイルス感染症対策への関心

2020年に入職を経験した方向けの調査では、企業の新型コロナウイルス感染症対策のうち応募・就業意欲につながった情報として、シニアほど「定期的に洗浄・消毒などを実施している」「対面での面接を空調に配慮した場所で実施している」ことが応募・就業意欲につながったと回答しています。
20210525_hr_04Q.企業のコロナウイルス感染症対策のうち、応募・就業意欲につながった情報(複数回答)【入職者調査 2020年年間 対象者:2020年1-12月に入職を経験した方】

企業編 働き方の変化

「オンライン会議」「非常時のテレワーク」については「とても進んだ」または「進んだ」との回答が4割超となるなど、オンラインでの働き方が急速に進んだことが分かる。一方で、「後退した」または「とても後退した」との回答が「シニアの採用・活躍支援」では8.2%、「長時間労働の是正」では7.2%となっている。
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※「長時間労働の是正」から下の項目は、「この働き方はしていない」選択不可

Q.過去1年ほどで、働き方に変化がありましたか。(単一回答)【対象者:全員】

企業編 採用活動の変化

「オンライン面接を導入・拡大した」との回答が18.2%となるなど、オンラインによる採用活動が広がったことが分かる。その他、「感染対策について記載するようになった」「即戦力をより重視するようになった」「求人情報サイトをより活用するようになった」との回答もそれぞれ1割を超えた。(※回答者には、募集・採用を行わなかった企業も含まれている。)
20210525_hr_06Q.過去1年ほどで、採用活動に変化がありましたか。(複数回答)【対象者:全員】

企業編 採用予定への影響(パート・アルバイト)

パート・アルバイトについては、採用予定を減らしたとの回答が全体の18.3%で、正社員についてとほぼ同じ割合となった。業種別に見ると、「フード、販売、サービス」で22.3%と最も割合が高くなっている。
20210525_hr_07Q.以下の雇用形態について、新型コロナウイルスが採用予定に影響を与えましたか。/パート・アルバイト(単一回答)【対象者:パート・アルバイトの採用予定が「わからない/決まっていない」人を除く】

企業編 シニア層採用意欲への影響(パート・アルバイト)

パート・アルバイトでのシニア層の採用については、「以前より積極的になった」「以前よりやや積極的になった」の合計と、「以前より積極的でなくなった」「以前よりやや積極的でなくなった」の合計が、いずれも11.8%だった。「各種製造」では、積極的でなくなったとの回答が他の業種よりも多くなっている。最も多かったのは「どちらともいえない」で約8割だった。
20210525_hr_08Q.新型コロナウイルスの影響で、それ以前と比較すると、シニア層の採用に対する積極性に変化はありましたか。/パート・アルバイト(単一回答)【対象者:全員】

調査概要

「シニア層の就業実態・意識調査2021」
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「入職者調査 2020年年間」(p.3)
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