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いざという時に、居住者同士で助けあえるか?~マンション管理とコミュニティについての調査2022(首都圏)~

株式会社リクルート

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株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)の住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターは、人々の自分らしい人生を応援するために「住まいの価値」を提言・実証する研究を進めております。昨今多発する自然災害における防災・減災の観点から、隣近所同士で助けあう“共助”の意識を高めることが大切と考え、2004~2020年の間に首都圏の新築分譲マンションに入居した購入者を対象に、“分譲マンションの共助力”に関する調査・分析を実施しましたのでご報告いたします。

“共助力”の高い分譲マンションは、理事会と管理会社が、居住者の交流を積極的に支援

調査トピックス

  1. 分譲マンションの“共助力”は低下傾向
    ▶「マンションの居住者とは、いざという時に助けあえる」と思う人は、2022年全体で32.3% 、初回の2016年調査の40.1%から7.8ポイント減少
  2. コロナ禍を経て、分譲マンション内のイベントが減少
    ▶「居住者向けのイベントに積極的に参加している」と思う人は2022年全体で27.0%、前回の20年調査(20年2~3月実施)から7.0ポイント減少
  3. 居住者間で「頼みごとができる人」は、“共助力”が高い
    ▶ 頼みごとができる人が、「マンションの居住者とは、いざという時に助けあえる」と思う割合は67.6%と高く、頼みごとができない人の22.0%とは45ポイント以上の差
  4. 理事会が居住者同士の交流を積極的につくっているマンションは、“共助力”が高い
    ▶ 理事会が「居住者同士の交流を積極的につくっている」と思う人のうち、「マンションの居住者とは、いざという時に助けあえる」と回答した人の割合は56.0%
  5. 管理会社が居住者の交流を積極的に支援しているマンションは、“共助力”が高い
    ▶ 管理会社が「居住者の交流を積極的に支援している」と思う人のうち、「マンションの居住者とは、いざという時に助けあえる」と回答した人の割合は49.5%

解説

コロナ禍に直面したこの2年半、恒例のイベントを中止し、共用施設の利用をたびたび停止にする分譲マンションが多くありました。管理組合理事の任期が2年だとすると、居住者間交流のノウハウ継承がストップしたことになります。災害時など“いざという時の共助力”への影響は、これからさらに大きくなる可能性があるでしょう。理事会や管理会社の努力だけに頼ることなく、居住者各々が自助・共助を意識し、「頼みごとができる」関係性を築いていく必要性を感じます。また、居住者同士が普段から交流できなくとも、いざという時に何をするべきかわかる状態をつくっておく“共助の仕組み化”も重要だと考えます。
20220901_housing_01SUUMO副編集長
SUUMOリサーチセンター
研究員
江原 亜弥美

調査概要

  • 調査対象
    「首都圏新築マンション契約者動向調査」「マンション購入後の満足度及びブランドに関する調査」(ともに弊社実施)の協力者のうち、2000年以降に首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県)の新築マンションを契約し、2004~2020年の間に入居、現在も同じマンションに住んでいる人。
  • 調査方法
    WEB調査(メールアドレス判明者):協力依頼メールに「契約者動向調査」回答時の購入マンション名を表示し、現在も同じマンションに住んでいる方のみ、WEB画面から回答をいただいた。
    郵送調査(メールアドレス不明者):「契約者動向調査」回答時の購入マンションの住所に調査票を郵送。宛名ラベルに購入マンション名を表示し、現在も同じマンションに住んでいる方のみ、回答済みの調査票を返送いただいた。
  • 調査期間
    WEB調査:2022年2月3日(木)~2月28日(月)
    郵送調査 :2022年2月3日(木)~3月7日(月)
  • 発送数と回収数
    WEB調査:発送21,890 回収4,512(回収率20.6%)
    郵送調査:発送2,617 回収1,076(回収率41.1%)
    合計:発送24,507 回収5,588(回収率22.8%)
  • 調査機関
    株式会社リクルート
  • 「分譲マンションの共助力」指標
    「あなたは、今のマンションの居住者についてどのように思いますか。」という設問のうち、 「今のマンションの居住者とは、いざという時に助けあえる」という内容に対して5段階評価(とてもそう思う・ややそう思う・あまりそう思わない・全くそう思わない・わからない)で回答を聴取。「とてもそう思う・ややそう思う」と回答した割合の合計を「分譲マンションの共助力」指標として分析した。

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