(c) Recruit Co., Ltd.

留学生1,000人アルバイト実態調査2023

株式会社リクルート

logo_JBRC

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)の調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』は、「留学生1,000人のアルバイト実態調査2023」を2023年1月に実施、その結果の一部をご報告致します。

まもなく4月、新年度で多くの会社、店舗等で新しい人材を迎える時期です。2023年は日本に学びに来る外国人留学生数(以下、留学生)も回復する見込みでこれから新たにアルバイトをしたいという留学生も増えるかもしれません。コロナ禍を経て留学生はどのような意識で日本でのアルバイトを捉えているのか、調査レポートの一部をご紹介します。

調査結果①「アルバイトしたいと思わない」は2.1%。約9割がアルバイトを希望

2023年1月、留学生1,000人に今後のアルバイト希望を聞くと、89.5%が何らかのアルバイトを希望し、「アルバイトしたいとは思わない」はわずか2.1%でした。同設問を2019年に聞いたときは、19.4%だったため、留学生のアルバイトへの関心・興味の高まりがうかがえます。また、アルバイト状況をみると「1つしている」、「2つ以上している」あわせて69.9%なので、アルバイト希望89.5%との差分をみると現在アルバイトをしていない留学生も今後アルバイトを希望していることがわかります。

20230320_h001

調査結果②希望する仕事は「宿泊施設のスタッフ」「ホールスタッフ(飲食店)」等が上位

希望する仕事内容を複数回答で聞くと、「宿泊施設のスタッフ」19.0%、「ホールスタッフ(飲食店)」17.9%等が上位にあがりました。上位5つをみると、「通訳、翻訳」以外は2019年よりも上位にあがっています。接客サービスを伴う仕事が希望されているようです。

20230320_h002

調査結果③現在のアルバイトのきっかけは「生活費」に次いで「日本で働くことへの興味」が多い。アルバイトを通して日本社会を知る、日本人と一緒に働く経験で将来の参考に

アルバイトをしている留学生699人にはじめた理由を複数回答で聞くと、「生活費」51.6%がもっとも多く、次いで「日本で働くことに興味があるから」45.6%、「日本語を勉強できる機会が欲しいから」39.8%と続きました。参考で2019年と比較すると、「日本で働くことへの興味」が10pt近く増えています。2020年以降、コロナ禍の影響で予定通り来日できない等困難な状況を経験した留学生もいるでしょう。そのような中でも来日した留学生は「日本で働くこと」への興味や関心が強いのかもしれません。
実際に日本でのアルバイト経験を踏まえて、日本の職場の実態やどのような点を大事にしたいか、どのような職場なら働けそうか等、今後のキャリアの参考にしている様子がうかがえます。

20230320_h003

【アルバイト経験で感じている意見】
( )内は在籍過程、出身地域、現在のアルバイト職種(小分類)
・欧米と比べてマナーが多くて、自分らしさがあまり重視されてないように感じます。今後は多様性が問われる社会になると思うので社員の個性を尊重して、外国人の考え方も受け入れてくれたら嬉しいです。(その他/東アジア/ホールスタッフ(飲食店))
・日本の職場の整理整頓はすごいです。(大学学部/東南アジア/コンビニエンス店員)
・今の職場で日本人同僚の中には、外国人に対してとても優しく、話すスピードを遅くしたり、より簡単な日本語の表現を使ったりする人がいます。しかし、中には、日本語がわからないと笑顔で嫌味を言う同僚もいます。(日本語学校/東アジア/調理人、コック)
・日本人は外国人とコミュニケーションをとるのが恥ずかしく、自信がないようです。もっとより良いコミュニケーションが必要です。(日本語学校/欧米/塾講師、家庭教師、語学教師)
・先輩たちは優しく教えてくれます。例えば先輩は自分の時間を使い、私が作成した日本語資料を添削してくれました。(大学院/東アジア/専門職系の事務・スタッフ職)
・日本企業で働く人に共通して期待されることがいくつかあると思います。まず、チームワークや協調性が重視されることが多く、自分の利益よりも会社の利益を優先させることが求められることが多いようです。また、労働時間は残業が多くなることもあり、時間外労働が多い場合もあります。(大学学部/南アジア/TA、RA)
・バイト先の日本人同僚はみんな優しく接してくれたりしています。それが一番重要だと思います。そして、しっかりした研修も重要です。(大学院/東アジア/イベントスタッフ)

日本人と一緒に働き、日本社会のマナーや組織風土に触れ、共感できるところとそうではないところに気づくことはアルバイトだからこそ得られる貴重な経験です。日本語母語話者ではない留学生を職場に迎えることは育成方法や研修の準備、勇気や覚悟も必要かもしれませんが、スタッフも会社・店舗も一緒に成長できるチャンスです。ぜひ調査レポートもご参照ください。
※出身地域
 東アジア…中国、韓国、台湾、モンゴル
 東南アジア…ベトナム、マレーシア、インドネシア、タイ、ミャンマー
 南アジア…ネパール、バングラディッシュ、スリランカ、インド
 欧米…アメリカ、フランス、ドイツ
 その他は上記以外。
※職種のTAはTeaching assistant、RAはResearch  assistant
※グラフと数表は、集計結果の小数点以下第2位を四捨五入して表示している。

【レポート】
Vol.1 希望するアルバイト 本日リリース(調査結果①、②掲載)
Vol.2アルバイトの実態 4月上旬予定
Vol.3日本で働くことの意識 5月上旬予定(調査結果③掲載)

ジョブズリサーチセンター WEBサイト https://jbrc.recruit.co.jp/

20230320_h004

調査概要

調査方法:インターネット調査(クロス・マーケティング社モニター利用
調査対象:日本国内の教育機関へ通う、外国人留学生
     ※日本の大学(大学院を含む)、短期大学、専修学校(専門課程)、準備教育課程及び日本語教育機関に在籍する外国人留学生
有効回答数:1000人
調査実施期間:2023年1月10日(火)~1月30日(月)
調査機関:JBRC(ジョブズリサーチセンター)

関連するプレスリリース