2024.10.10しごと
就職プロセス調査(2025年卒)「2024年10月1日時点 内定状況」
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しごと
株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、「半導体関連エンジニア」に関する求人と転職の動向についてまとめましたのでご報告いたします。
『リクルートエージェント』における2024年1-6月期の「半導体関連エンジニア」求人は、2013年同期の14.9倍と大幅に増加しています。2016年以降、各業界でのIoT化の進展により、求人の増加ペースが加速しました。2018年の米中貿易摩擦や2020年初頭の新型コロナウイルス感染症の流行で一時的に求人は停滞しましたが、2020年後半以降、在宅勤務の増加や地政学リスクへの関心の高まりとともに求人は再び大幅に増加しました。特に、PCやスマートフォン、サーバーなどの通信機器の需要増加や、半導体関連工場の国内回帰が大きな要因となっています。
2021年以降はEV化やカーボンニュートラル化への取り組みが本格化し、「半導体関連エンジニア」の需要が一層高まりました。さらに2023年以降、生成AI向けの半導体需要が急速に拡大しており、求人も増加しています。
昨今、半導体業界の中でも特に注目を集めているのが、半導体の組み立てや外部環境から半導体を保護するパッケージングを行う「後工程」領域です。
半導体の微細化技術が限界に達しつつある中、後工程が性能向上の重要なカギとして注目されており、3Dパッケージングやチップスタッキング技術に大きな関心が寄せられています。
生成AI、IoT、5G、自動運転など多様な市場への対応に向けても後工程でのカスタマイズや特殊なパッケージングの需要が高まっています。このため、後工程で使用される製造装置や材料の需要が急増し、関連領域の求人も増加しています。製造装置や材料を扱う企業では、未経験者の採用も増加しており、求職者にとって新たなキャリアの機会も広がっています。
・3Dパッケージング:複数のシリコンチップを立体的に配置するパッケージング手法
・チップスタッキング技術:複数のシリコンチップを垂直に積み重ねる技術
「半導体関連エンジニア」求人のうち「デバイス開発」「製造装置・部品開発」「材料開発」「品質管理・品質保証」の4つの領域を見ると、「デバイス開発」「品質管理・品質保証」「材料開発」が2017年度に比べ、いずれも3倍以上に増加しています。特に「デバイス開発」は2022年度から2023年度にかけて大きく増加しており、ニーズが高まっている様子がうかがえます。
「デバイス開発」に関する求人においては、「回路」「メモリー」「センサー」「パワー」といったキーワードが目立っています。これは、主にAI向けを想定したデータの高速処理および大容量化のニーズや、性能向上を目指した高度な回路設計のニーズを反映していると考えられます。
「製造装置・部品開発」「材料開発」に関する求人においては、未経験者の転職事例も増えています。
【未経験者の「半導体業界」への転職事例】
●自動車メーカーで生産技術職として部品の加工や搬送機の設計などを行っていた方
→転職後:半導体製造装置メーカーの開発エンジニア
●化学メーカーで材料開発を行っていた方
→転職後:半導体製造装置メーカーのプロセスエンジニア(化学系の工程担当)
●総合電機メーカーで機械設計を行っていた方
→転職後:半導体製造装置メーカーの開発エンジニア
●鉄道会社で運転士として働いていた方
→転職後:半導体製造装置メーカーのサービスエンジニア
「半導体業界」でのエンジニア経験がなくとも、理系のバックグラウンドを持ち、何かしらのエンジニア経験がある方を中心に、積極的に未経験の方を採用対象とする半導体企業が増えています。
このように「半導体業界」では、経験者に限らず、多様なバックグラウンドを持つ求職者にとっても、新たなキャリアの機会が広がっています。
「半導体関連エンジニア」求人のうち「半導体業界」と、半導体業界を除く「電気・電子・機械・化学・自動車業界」の二つの領域を見ると、「半導体業界」は2013年度と比較して10.7倍、「電気・電子・機械・化学・自動車業界」は16.0倍となっており、特に「電気・電子・機械・化学・自動車業界」における求人の伸びが著しいことが分かります。
例えば「自動車業界」では、あらゆる部品の製造に不可欠な半導体について、外部調達から内製化に移行する動きが進んでいます。また、半導体材料を提案・供給する「化学業界」では、顧客である半導体企業の多様なニーズに対応するため、「半導体関連エンジニア」を採用して知見を取り入れる動きなどが広がっています。
こうした背景から、「半導体業界」以外でも「半導体関連エンジニア」求人は増加しており、「半導体業界」で経験を積んだ「半導体関連エンジニア」が「自動車業界」や「化学業界」などの異なる業界に転職して活躍の場を広げるケースも増えています。
【「半導体業界」から異業界への転職事例】
●半導体メーカーでエンジニアとして回路設計などを行っていた方
→転職後:自動車部品メーカーの開発エンジニア
●半導体メーカーでエンジニアとして開発などを行っていた方
→転職後:化学メーカーでの新規事業開発担当
●半導体製造装置メーカーでプロセスエンジニアとして設計などを行っていた方
→転職後:化学メーカーのアプリケーションエンジニア
『リクルートエージェント』における「半導体関連エンジニア」求人への転職時に提示された年収について、2018年度と2023年度を比較したところ、600万円以上の割合が13.1%から19.5%に増加していました。
一方で、400万円未満の割合は42.7%から30.3%に減少しています。「半導体関連エンジニア」求人への転職時には、提示される年収が高くなってきていると言えます。
半導体需要の増加を受け、ニーズが高まっているデータセンター領域の求人動向についてご紹介します。
各業界がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で、大量のデータ処理能力を持つデータセンターの需要が増加しています。
以下のグラフは、データセンターに関連する求人を抽出したもので、2013年度を1として、2023年度には3.77倍に増加しています。AI技術の発展、クラウドサービスの普及、ビッグデータの活用、5G技術の展開などが求人増加の背景として考えられます。
業界別では、新たなデータセンターの建設を担う「建設業界」や、データセンター内のシステムの構築・設計・運用を担う「IT通信業界」などの求人の伸びが目立っています。
調査方法:『リクルートエージェント』求人データの分析
調査対象:『リクルートエージェント』求人データ
有効回答数:非公開
調査実施期間:2024年7月~2024年8月
調査機関:リクルート
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