2021年01月29日株式会社リクルートその他 株式会社リクルートホールディングスのグループ会社であり、アジアを中心に人材紹介事業を展開するRGF International Recruitment Holdings Limited(本社:香港、 CEO:中重宏基)は、このたび、2020年10-12月期の中国・東南アジア・インドにおける日系企業を中心とした求人・求職者の動向をまとめました。 中国大陸 7-9月期に引き続き採用市場は回復傾向。自動車関連企業および電機・電子部品関連企業の採用意欲が高い。 総経理森 大尚(もり ひろたか) 当社で取り扱う日系企業の10-12月期の求人案件数は、前年同期比で減少。しかしながら2020年1月以降、四半期ごとの減少幅は縮小し続けており、中国大陸における日系企業の採用意欲が回復しているといえる。特に12月単月では、求人案件数は前年同月比で増加しており、2020年唯一前年同月比で増加に転じた月となった。 業界別には、取り扱い求人案件数が多い商社、製造業界の回復が目立った。特に自動車・自動車部品関連企業、また電機・電子部品関連企業の求人需要回復。背景としては、日系自動車メーカーの新車販売が総じて好調に推移していることもあり、車載電機や車載電子部品業界の採用意欲の高まりに寄与した。加えて、電機・電子部品関連企業においては、産業機械の需要が高まっており、半導体関連の需要拡大も採用意欲の高まりの一因と考えられる。 新型コロナウイルスの影響で就労ビザ取得の難易度の高い状況が継続しており、中国大陸在住の日本人求職者に採用ニーズが集中。これまで駐在員派遣が中心だった管理職層も、日本からの往来にまだ制約が残るため、現地での採用募集が増加している。 【転職事例】総経理(日本人材)/日系・産業機械/50代後半/約40-50万中国人民元(年収) 香港 新型コロナウイルスの度重なる感染拡大を受けて、企業の採用意欲は引き続き低迷。 ゼネラル・マネージャー細田 裕子(ほそだ ゆうこ) 11月末香港政府は、新型コロナウイルスの度重なる感染拡大を受けて、社会活動の制限を強化。一部の業種を除き民間企業に対して在宅勤務を要請した。 当社で取り扱う日系企業の求人案件数は、前年同期比で減少。2020年は四半期ごとの回復もあまり見られず、採用市場は引き続き冷え込んでいる。 日本への帰国者が多く発生しているため、欠員補充のための採用が全体の約7~8割となっている。欠員補充は採用期限があるため、コロナ禍にあっても一時停止する企業は少なく、在宅勤務の影響で普及したオンライン面接が主流化した。 また7-9月期に引き続き、新型コロナウイルスの影響による経営不振や業績悪化の影響から、組織の生産性を高めるために、組織再編を行う企業が多い。それに伴い人材の入れ替えを目的とした求人案件が前年同期比で増加。 日本人求職者の動向については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受けている航空業界など、香港在住サービス業経験者の転職希望者が増加。しかし英語力の評価は高いものの、求人が多い営業職といった職種とは職務経験の内容が合わず、転職活動が長期化する傾向がある。 【転職事例】シニアマネージャー/日系・商社/40代/約60万香港ドル(年収) インド 新型コロナウイルス感染状況の改善に伴い徐々に企業の採用意欲が回復。「ディワリ祭」をきっかけに一般消費が活性化。 カントリー・マネージャー坂本 智一(さかもと ともかず) インドでは例年10-12月が祭事期となり、特にディワリ祭前後に消費が最も活発化する。2020年も同時期に合わせて一般消費が伸びた関係で、11月までの乗用車の販売台数が4ケ月連続でプラス成長となり、製造業を中心に採用意欲が徐々に回復。また、コロナ禍でECを利用して買い物をする人が爆発的に増加した事もあり、小売業界ではEC関連の職種の採用ニーズが急増した。 当社で取り扱う日系企業の求人案件数は、前年同期比で減少。「ディワリ祭前後の好景気は年明けまで続かないのでは」と懐疑的な見方も多く、新規採用は控え、退職者の欠員を補充する求人案件が多かった。新規採用については、2021年1-3月頃までの景気状況を見た上で求人を出すか判断する慎重な姿勢を見せる企業が多い。 業界別には、引き続きIT業界の採用意欲が高く、インド人のITエンジニアに加えて、日本のクライアントとインド人エンジニアの橋渡し役となる日本人プロジェクトマネージャーの役割を担う求人案件も増加している。 日本人求職者数はコロナ禍の影響もあり減少傾向が続いている。しかしながらインドの新型コロナウイルスの感染状況は改善傾向にあり、また日本人向けの求人案件も増加傾向にあるため、2-3月頃を目処に日本人求職者数は回復傾向に転じると予想。 【転職事例】経理マネージャー/30代後半/自動車業界・製造業/約500万円(年収) インドネシア 10月より大規模社会制限が緩和、採用意欲も徐々に回復。 カントリー・マネージャー藤井 義晃(ふじい よしあき) 新型コロナウイルスの影響に伴う大規模社会制限(PSBB)は10月より緩和され、オフィス出社率制限も25%から50%となった。また取得が難しかった新規入国者に対するビザについても取得プロセスがスムーズになり、申請から10-30日営業日程度で取得できるため、採用活動を停止していた日本人の現地採用に関する求人案件が再開し、新規の日本人採用枠も増加した。しかし12月末以降、世界的な変異種コロナウイルス感染拡大の影響で、新規ビザ取得申請窓口は一時的に閉鎖しているため今後の状況は不透明。 当社で取り扱う日系企業の求人をみると、前年同期比では求人数は減少しているものの、4-6月・7-9月期と比較すると求人案件数は徐々に回復。 業界別にみると、自動車関連業界は他東南アジアの国と比較すると国内生産台数・国内販売台数ともに回復が遅い状況であるが、ともに7-9月期と比較すると回復傾向にあり、それに伴い増員をする企業も徐々に増えてきている。他業界では建設業界、IT業界の採用意欲が7-9月期に引き続き堅調。 日系企業の採用ニーズとしては、特に人事・総務や経理・財務、内部監査などのバックオフィス系の職種において、課長から部長クラスの採用が増加。2021年に向け優秀な人材を確保し、組織基盤の強化を進めている企業が多くみられた。 求職者の動きは日本にいる人材、インドネシアにいる人材ともに活発化。一方で、12月はボーナス時期のため新規の求職者登録は鈍化した。 【転職事例】財務経理(現地人材)/日系・製造/30代後半/約340万円(年収) シンガポール シンガポール政府による国内人材の雇用施策が打たれ、外国人労働者の雇用機会が減少。 シニア・ディレクター野﨑 裕司(のざき ゆうじ) シンガポール人材開発省(MOM)によると、9月の失業者は4.7%、10月は4.8%、11月は4.6%となり、全体として引き続き採用意欲の低迷が続く。 このような状況のなか、MOMは2010年よりシンガポール人の雇用保護のため、外国人労働者を全労働人口の3分の1へ抑える目標を掲げており、コロナ禍において更に企業の採用活動への調査が強化されている。その結果外国人の雇用機会および就労ビザ取得が大幅に減少。一方でシンガポール人の雇用を支援する施策は続々拡充されており、今後一層外国人労働者の雇用機会および就労ビザ取得は減少すると予測している。 当社で取り扱う企業の求人案件数は、前年同期比で減少。しかしながらフィンテック需要の高まりでここ数年求人案件が増えていたIT・金融企業の採用需要が戻り始めている。また、経済の不確実性が高まるなか生命保険業界が業績を伸ばしており、接客業経験者を中心に積極的な採用を開始している。 MOMの方針に伴い、日本人を含めた外国人求職者の転職活動は厳しい状況が続いている。就労ビザの期間満了後は、1ケ月しかシンガポールに滞在できないため、期間内に転職先が見つからないケースが増加している。加えて感染拡大防止施策としてシンガポール入国の際はホテルでの14日間の隔離が義務付けられており、滞在費やPCR検査代も自己負担になる場合もあるため、日本も含めた海外からの転職ハードルが非常に高くなっている。 【転職事例】秘書兼営業サポート(日本人材)/日系・サービス業界/30代前半/約400万円(年収) タイ 12月の感染再拡大の影響が懸念されるが、不動産・製造業界の求人が徐々に増加し採用意欲が徐々に回復。 カントリー・マネージャー澤野 恵直(さわの よしなお) タイの転職市場は、新型コロナウイルスの影響を最も受けた2020年4月と比較して回復傾向にあり、企業の採用意欲も徐々に回復。春先よりタイ政府は、外国人のタイ入国後の14日間の隔離や10万米ドル以上の医療保険加入の義務付けなど厳しい渡航制限を行っていたが、年末にかけて隔離ホテルや保険料の負担額を引き下げ。また2021年1月より日本・バンコク間のフライト数が増え、就労ビザ保有者以外の入国も認められたため、渡航に踏み切る日本人求職者が増加した。一方で12月中旬よりタイ国内での感染者数が急増しており、今後の転職マーケット状況は依然として不透明。 例年10-12月期はボーナス支給前で企業における退職者も少なく、欠員補充の求人が7-9月期と比較して減少するため、当社で取り扱う求人における10-12月期の全体の求人数は、前年同期比、7-9月期比ともに減少。しかしながら企業の採用意欲は徐々に回復してきている。 業界別にみると、日本からの渡航ハードルが下がったことによる渡航者(賃貸不動産の契約希望者)の増加に伴い、不動産業界での採用が再開され求人案件数が増加。また消費需要・輸出需要の減少が続いていた自動車製造業の求人案件数も11月ごろを境に回復し始めた。需要増加に伴う生産量増加に加え、現在注目を集めているEVの東南アジアのハブとして、多くの企業が投資計画を発表し、設備増強・人材の欠員補充や増員を予定したことが求人案件数の増加に影響した。 コロナ禍にあって日本人求職者の登録数自体は減少傾向にある。一時は回復しかけたように見えた感染状況も12月から再度悪化し始めており、海外への転職を考えていた求職者が転職時期を再考する傾向にある。 【転職事例】管理職(日本人材)/日系・製造業界/50代前半/約250万タイバーツ(年収) ベトナム 2020年は転職マーケットが縮小したものの、感染の抑え込みが成功し企業の採用意欲は徐々に回復。 カントリー・マネージャー横沢 朋(よこざわ とも) 積極的な海外直接投資により、企業の採用意欲が高まり、転職マーケットが活性化していた2019年から一転し、ベトナム計画投資省外国投資局(FIA)が発表した2020年の海外直接投資額は前年比25%減と縮小。それに伴い企業の採用意欲が減退し転職マーケットも縮小した。しかしながら、感染拡大が抑えられているため、10-12月期においては停滞していた不動産・建設・ゼネコン業界の求人案件が戻り始めた。 ベトナムは新型コロナウイルス感染の抑え込みに成功しているものの、東南アジア諸国に比べ厳しく外国人入国制限を行っており、外国人の転職マーケットは特に縮小。当社で取り扱う日系企業を中心とした求人案件数は前年同期比で減少となった。業界別にみると、新型コロナウイルスによる行動制限が大きく影響し、前年同期比で最も求人案件数の減少率が大きかったのは消費者向けサービス業。一方不動産・建設業、金融業からの求人は前年同期比プラスに転じており、採用意欲の回復がみられた。背景としては、ベトナムでの外国企業による投資が相次いでおり、賃貸オフィスや工場、ショッピングセンター、スーパーマーケットなどさまざまな業界での建設案件が予定されていることで、関連業務の求人案件が増えている。 2020年の日本人求職者の登録者数は外国人入国制限を受けて前年比で減少したものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受けても、依然としてベトナムで働きたいと希望する日本人は多く、10-12月期においては前年同期比でほぼ横ばいまで回復している。 【転職事例】営業ディレクター(現地人材)/日系・ITサービス業界/40代/約45,000 USD(年収) リクルートグループのアジアにおける人材紹介事業について リクルートグループは、中国・東南アジア・インドにおいて、RGF Executive Search、 RGF Professional Recruitment、RGF HR Agentの3つのブランドで人材紹介事業を行っています。 2006年の中国進出以来、進出地域の拡大や、買収を通じ、アジアの9の国と地域、19都市で事業を展開しています。 日系企業のみならず多国籍企業や現地企業への人材紹介事業を通じて、主要な業界・職種を網羅し、経営幹部からスタッフレベルまでの企業の正社員採用・求職者の転職を支援しています。 日系人材紹介会社最大規模の拠点網 9の国と地域、19都市 日本、中国大陸、香港、台湾、シンガポール、インド、ベトナム、インドネシア、タイ 日系企業のみならず多国籍企業・現地企業にもサービス提供 日系企業にとどまらず、多国籍企業や現地企業に対して、経営幹部の採用サポート、若手~中堅のミドルマネジメントの転職支援など、幅広い層の採用を支援するサービスを提供しています。 本件の詳細はこちらよりご覧ください 中国・東南アジア・インドの求人・求職者動向レポート 2020年10-12月期