クラウドエンジニア データ推進室 
データテクノロジーユニット
アジリティテクノロジー部
アジリティクラウドアーキグループ
小林 智則 Tomonori Kobayashi

多様なサービスを通してさまざまなクラウド技術に携わり、技術の最先端を追いかけ続ける。

どのような魅力と可能性を感じて、リクルートを選んだのでしょうか?

リクルートは私にとって3社目の企業です。1社目は日系大手電機メーカーでプログラマーとしてソフトウェアの開発をしつつ、自社のインフラ基盤を設計・開発する業務にも携わっていました。2社目は外資系情報サービス企業でサーバーエンジニアとして、データベースサーバーやWebサーバーなどの構築や保守運用を経験。2012年にリクルートメディアコミュニケーションズ(現リクルート)に入社しクラウドエンジニアになりました。

前職ではプライベートクラウドの構築や運用に携わり、先進的な取り組みにも積極的にチャレンジしましたし、周囲にはインフラやネットワークに詳しいエンジニアが多く成長意欲が掻き立てられる環境でした。そんななか、本社の経営統合に伴い開発統括部門が海外に移ることが決まり、新しい案件は全て企画から設計まで海外部署が担当することに。私たち国内のエンジニアは、降りてきた要件をそのまま実装することを求められることがほとんどとなり、以前のように自分で決めて実際に動かしていけない状況にもどかしさを感じるようになりました。
また、当時は一部の先進的な企業では新たにパブリッククラウドの活用が模索されはじめていた時期でもありましたし、そういったクラウド技術に携わることでインフラエンジニアとして、もう一回り成長したいと思い転職を決意しました。

転職活動をする中でリクルートに興味を持ったのは、面談の際に言われた言葉にとても共感できたためです。グループマネージャーを務めている方に「常に技術の最先端を追いかけていないと時代に取り残される。そのためには、向学心あふれるエンジニアが必要で、だからこそ、エンジニアは走り続けていなきゃ駄目なのだと思っています」と言われたことが、とても心に刺さりました。私も以前からエンジニアは常に学び続けなければならないし、成長に貪欲であるべきだと感じていたので、上司の言葉からリクルートのアグレッシブな企業文化を感じました。またそういった環境に身を置くことで自身の成長を加速させることができると思いました。

また、多様なサービスを通してさまざまなクラウド技術に携われることも大きな決め手となりました。
当時私にとってのリクルートは、紙の情報誌を発刊している会社であり営業が活躍しているイメージも強く、インフラエンジニアを必要とする理由が分かりませんでした。ですが面接の中で、数年後の未来を見据えリクルートが手がけるさまざまなサービスが、プライベートクラウドを中心にパブリッククラウドも活用しながら展開し始めているという話を聞きました。その話から、将来性が見込まれるクラウド技術を積極的に取り入れようとしていることが伝わってきて、これこそまさに自分がやりたかった仕事だとワクワクしましたね。

各事業部が推進するビジネスを背後から支え、
クラウド活用の適正化に取り組む。

仕事内容とミッションについて教えてください。

最初の配属先では新規Webサービスを作る取り組みにおいて、クラウドエンジニアとしてその新規開発を支えることが役割でした。最先端のクラウド環境に触れながら、秒間何万ものクエリをさばくベテランのインフラエンジニアと席を並べ、クラウド活用の最適解を追求できたことは入社早々の私にとってとてもいい経験でした。その後、事業部と一緒にいくつかのサービスの立ち上げを経験し、現在は3つの組織を率いています。

一つ目はCCoE(Cloud Center of Excellence)の立ち位置で、サービス基盤の立ち上げに対しアジリティ高く技術支援をする組織で、二つ目は社内のクラウド活用の適正化やガバナンスの強化に取り組む組織。そして三つ目は、各事業部が運営するクラウドサービスで活用されるデータを管理・処理等する組織です。

特にいま注力しているのは、二つ目の組織での取り組みです。2021年のリクルートの組織統合を機に、かつてグループ各社が独自に進めていたクラウド活用をセキュリティやコスト、業務効率、ライフサイクル管理の観点でチェックし、一定のガバナンスを効かせ社内全体での適正化を図ろうとしています。
統合前のグループ各社が構築したクラウドネイティブなインフラは、マネージドサービスの拡充とともに、オンプレミス時代とは比べものにならないほど複雑化しており、構築に携わった人しか分からない部分も多く未知のリスクをはらむ可能性があります。致命的な脆弱性や運用上のリスクを最小限に抑えるためには、属人化を排し誰でも安全でかつ適切に運用できるインフラが必要で、こうした課題解決のためのシステム構築に取り組んでいます。
サービスの安定稼働はもちろん、クラウド戦略はビジネス戦略と表裏一体であり、ビジネスの機動力を高め成長を促しコスト削減にも直結する重要なポジションを下支えしています。そういったビジネスの変動に対応できる柔軟なシステム構築・運用をしていくことも大事な役割です。

クラウドネイティブな技術環境の中、
本質的な課題を突き詰めインフラの品質向上を目指す。

これまでの経験の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

当時、エンジニアにインフラ構築や監視設定に必要な管理者権限を与えても、インフラのセキュリティや信頼性が損なわれないようシステム設計をするといった仕事を任されていました。インフラの運用で何か問題が起これば解決し安定的稼働を実現はしましたが、上長から「対処療法が多く業者っぽいよな」と言われたことがありました。その設計は想定以上のトラフィックに耐えうるのか、過去の経験値のみでストレージを決めてはいないか、そのシステムを導入することで、どう業務効率化に繋げていけるのかを追求しきれておらず、ただソリューションを提案する業者のようではないかと問われていたのだと思います。
目の前の課題解決だけでなく業務効率化のために、どのようにインフラの品質向上を目指していくべきかが大切なのだと思い、その言葉をきっかけに目の前の事象の本質的な部分に目を向けられるようになりました。
周囲には視座の高いエンジニアも多く、一緒に働く人たちもシステムをよりよくしたいと考え前向きにチャレンジしていく人が多いので、そういった仲間たちから学び刺激を受けながら、常に当事者意識を持って本気で取り組む姿勢も身に付いていったと感じています。

またCCoEで設計・構築・運用ができるからこそ、よりインフラの信頼性を高めていけますし、今後3年、5年先の事業戦略を見据えてクラウドをどう使うのが適切なのか、その構想を視野に入れつつ全社的に戦略的なクラウド化を推進していけるのも、リクルートのクラウドエンジニアの醍醐味です。

データ量の多さ、技術的環境を活かし、
インフラのさらなる価値を創出するクラウド組織をつくりたい。

リクルートで働く魅力と、今後の目標について教えてください。

上述の取り組みを通して私が魅力に感じているのは、一人ひとりの裁量が大きく、それを実現したいと思う熱意を後押ししてくれる企業文化です。一般的なシステム開発においては、降りてきた要件をそのままかたちにすることを求められることがほとんどですが、リクルートには何を実現したいかという「Will」を大事にするカルチャーがあり、システムの新規開発投資にも意欲的です。必要だと思ったことを自らが率先して取り組める環境がありますし、新たなデータ基盤やシステム基盤を構想し、設計・構築・運用・改善まで一気通貫で主体的に携われるのも、リクルートのクラウドエンジニアならでは。

またプロダクトへの投資予算の規模が大きいことはもちろん、その各種プロダクトを通して得られるデータの多様さは社会でも随一だと思っています。そういった大規模で多種多様なサービスが日々生み出す多量なデータや、そのデータを最適に使えるクラウドネイティブな環境があるからこそ、クラウドエンジニアとしてチャレンジングな取り組みにも果敢に挑むことができるのだと感じます。

いま私がチャレンジしているのは、AWSやGCPといったクラウドサービスに起こりうるシステム障害に影響されないような、可用性の高い運用自動化の仕組みを作ること。
また領域横断でさらにビジネスを活性化させるクラウド戦略を描き、それを実現できる人材を集め育てていきたい。具体的には、オンプレミス時代をよく知るベテランからクラウドネイティブなZ世代の若手まで幅広い環境に身を置くメンバーを集め、リクルートのインフラ構築を引っ張る組織を育てたいと思っています。
一頃に比べて近年はマネージドサービスの発達により、気軽にサービスを立ち上げられる時代になりました。そんな時代だからこそ、変動する社会を見据えインフラの最適解を導き出せるようなインフラのプロ、クラウドのプロの存在意義を見出すことが大切だと感じています。

記載内容は取材当時のものです。

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