人権デューデリジェンス
サプライチェーン全体で、人権リスクアセスメントを行っています。
人権デューデリジェンスの実施とプロセス
リクルートグループでは従来より、人権に配慮した事業運営を行ってきました。それに加え、近年、企業が取り組むべき人権の範囲が広がりつつあることを認識し、事業運営における人権尊重を推進する観点から、株式会社リクルートにおいても、人権デューデリジェンスを実施しています。経済活動によって引き起こされる人権への負の影響に対して誠意をもって対応し、「一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生」の実現を目指していきたいと考えています。
株式会社リクルートでは、リクルートグループの人権方針に基づき、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」にのっとって人権デューデリジェンスを実施することで、自社の事業活動による人権面での負の影響を特定、評価、防止、軽減し、またこれらについての説明責任を果たすとともに、事業において重要な人権問題に対して、取り組みを行うよう努めています。
人権デューデリジェンスの全体プロセス
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1
人権方針の策定
人権を尊重する企業の責任に関するコミットメントとして人権方針を公表
- 外部の専門的助言も踏まえ、取締役会で承認
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2
人権への影響評価
顕在的・潜在的な人権への影響状況を評価
- アンケートやヒアリングの実施、社内規定・通報状況などの書類レビューを通し、事業活動に関連する人権リスクを特定
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3
是正措置
人権への影響評価結果を基に、対応策を検討・実施
- 特に深刻な人権リスクなどを中心に、緩和・防止策を検討
- 適切な担当者・予算を割り当て
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4
モニタリング
是正措置の遂行状況と人権への影響の状況を追跡評価
- 社内外からのフィードバックを得つつ、取り組みの進捗状況を評価
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5
情報公開
人権への影響と取り組み状況を外部に公開
- 個人情報などに配慮しつつ、人権への影響の認識や対応状況をレポート・HPなどを通して公表
株式会社リクルートでは、外部機関とともに、 2018年に1回目の人権影響評価を実施しました。その結果を踏まえ、2021年4月に「リクルート行動規範」を策定し、委託先パートナーからの同意の取得を進めています。2021年には、2回目となる人権影響評価を実施し、その結果を受けて、自社だけでなく、企業クライアントや委託先パートナーを含むお取引先様も対象として、バリューチェーン全体における人権への負の影響に対処していくこととしています。
2024年度には、3回目となる人権への影響評価を実施しました。2024年度の影響評価では、自社内のアンケート・ヒアリングに加え、企業クライアントや委託先パートナーへのアンケートを通じて得た情報など、リクルートのバリューチェーン全体で発生し得る人権リスクの全体像を洗い出しました。その上で、深刻度(人権に与える被害の深刻さ)と発生可能性(人権リスクの顕在化のしやすさ)の評価軸で取り組むべき重要人権リスクを特定し、それらを防止・軽減するための対応方針を策定しました。
今後も定期的に人権への影響評価を実施していきます。
人権影響評価のプロセス
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1
業界分析および初期仮説の策定
- 業界的に顕在化しやすいバリューチェーン全体のリスク調査
- ヒアリング/アンケート調査票の作成
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2
情報の整理/バリューチェーン調査
- 社内アンケート・ヒアリングの実施・分析
- 企業クライアント、委託先パートナーに対するアンケートの実施・分析
- 社内規定類や通報情報などの分析
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3
リスクの評価
- 考慮すべき人権リスクの全体像把握
- 顕在リスク一覧の作成
- リスクマップの作成
- 重要リスクに対する制度を検証
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4
対応策/計画の策定
- 重要リスクへの対応策の検討・策定
- 経営層へのインプット
- 結果の情報開示
事業活動と関連する重要な人権リスクの全体像および取り組み
自社、企業クライアントや委託先パートナー、個人ユーザーを含むバリューチェーン全体で特定した重要リスクとその対応方針(防止・軽減措置)は以下のとおりです。
特に重要な人権リスク | 防止/軽減措置 | |
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権利主体ごとの分類 | 人権リスクの具体的内容 | |
自社従業員の人権 | ハラスメント(パワハラ・セクハラ) |
人権教育 従業員に対する人権教育を行うことで、社内の人権尊重意識の醸成を図っています。リクルート全体で行うコンプライアンス教育をベースに、商品・サービスに関連する人権配慮の研修などを実施しています。 カスタマーハラスメントへの対応 |
長時間労働 |
働きやすい労働環境の整備 大切にする価値観「個の尊重」の実現を目指し、フレックスタイム制やリモートワーク、週休約3日制など、パフォーマンスを最大化できる場所と時間を選ぶことができるような制度を整え、一人ひとりの従業員が情熱を持って業務に取り組める環境づくりに積極的に取り組んでいます。 |
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バリューチェーン上の従業員の人権 | お取引先様社内の労働問題 (ハラスメント、長時間労働等) |
リクルート行動規範の策定と委託先パートナーからの同意取得の推進 株式会社リクルートおよびその子会社では、調達ガイドラインとして「リクルート行動規範」を定めています。自社と共に、バリューチェーン上にいる私たちのお取引先様にも、「リクルート行動規範」に基づく積極的な取り組みを進めていただくことが大切だと考えています。そのため、「リクルート行動規範」に対する委託先パートナーからの同意取得に加えて、ビジネスと人権に関するお役立ち情報・資料の提供や、感想(ご意見・ご要望)の受け付けています。 |
バリューチェーン上の児童労働・強制労働等 | ||
お客様(個人ユーザー、企業クライアント)の人権 | サービス利用に関連した差別、ハラスメント、安全と知る権利の侵害等 | 企業クライアント向け人権セミナーを開催 サービス品質の保証 AIガバナンス |
ウェブアクセシビリティ | アクセシビリティ | |
プライバシーの侵害 | プライバシーの尊重に向けた取り組みの推進 | |
その他ステークホルダーの人権 | 広告等での差別的表現 |
プロダクト表示品質ガイドライン プロダクトや広告において情報発信する際の、表示に関する基礎知識、関連法規、そして差別や不快感を与える表現に関する考え方をまとめた全社共通の「プロダクト表示品質ガイドライン」を策定し、運用しています。 |
人権に関する相談窓口の設置
リクルートの全従業員・派遣社員、常駐する委託先パートナーに対し設けている相談窓口(企業倫理ヘルプライン)では、人権に関する通報や相談も受け付けています。相談の受付から、事実確認、問題解決、再発防止策の検討、事後状況の確認などを一貫して行います。通報相談者が特定される情報は、通報相談者の同意がない限り、社内外を問わず一切共有・公開しません。また、通報相談者は通報相談したことで不利益を受けることはありません。
また、企業クライアント、個人ユーザー、委託先パートナーなどの社外の皆様からも、下記問い合わせフォームより人権に関する通報・相談を受け付けております。