
用具やサポーターを駆使して行われるパラスポーツ「パラ陸上競技」
陸上競技には、走るだけではなく跳ぶ、投げるなど多岐にわたる種目があります。パラ陸上競技は一般の陸上競技とほぼルールは変わらないものの、障がいによってできないことをカバーしたり、ケガにより障がいを悪化させたりしないように、選手への影響をできるだけ小さくするため一部ルールを変更して行われています。
パラ陸上競技の種目は、大きく分けて「競争・跳躍種目」、「投てき種目」の2種類。障がいの程度や種類によるクラス分けは11~64の数字で細かく分けられており、競争・跳躍種目を意味する「T」または投てき種目の「F」に続いて示されます。例えば、「T14」は競争・跳躍種目の視覚障がいクラス、「F64」は投てき種目の下肢切断(義足装着)クラスを意味します。また、パラ陸上競技の独自種目として、握力が少なくやり投げが難しい選手のために考案された「こん棒投げ」という種目もあります。
さまざまな用具が用いられるのもパラ陸上競技の大きな特徴で、障がいによりできないことを可能にするため、選手は義手や義足、「レーサー」という競技用車いすなどを使いこなして競技を行います。
競技用車いす「レーサー」のスピード感をVR動画で体験してみよう
動画では、2020年東京マラソン2位、2020年ロンドンマラソン4位など国内外で輝かしい成績を収めている車いす陸上T54の渡辺 勝さんを紹介しています。もともと野球をしていた渡辺さん。障がいを抱えた後もスポーツをしたいと思っていたとき、たまたま車いす陸上の日本記録保持者である洞ノ上 浩太さんと出会ったのが、パラ陸上競技を知るきっかけとなったそうです。
健常者に負けず劣らずの迫力とスピード感が、この競技の一番の魅力と話す渡辺さん。VR動画で、通常の車いすとは異なるハイスピードな競技用車いす「レーサー」に乗った感覚をぜひ味わってみてください。
健常者を超える記録が生まれることも!パラ陸上競技の工夫や見どころ
パラ陸上競技で使用される用具は、競技によって異なります。例えば、競技用車いす「レーサー」は環境によっては時速50kmのスピードが出ることもあります。競技用義足もカーボンファイバー製で地面を蹴る際に強い反発力を得られるため、走り幅跳びでは健常者を超える記録をマークする選手が出ることも。
このような用具の進化に加えて、まるで体の一部のように用具を使いこなす選手の高い技術やパフォーマンスが、パラ陸上競技の最大の見どころです。
また、マラソンやトラック競技では、視覚障がいのある選手と併走してガイドする「ガイドランナー」や、投てき・踏み切りの位置や向きを声や音で知らせる「コーラー」などのサポーターの存在が必要不可欠。選手とサポーターが二人三脚で進めるパラ陸上競技では、サポーターとのコンビネーションも勝負を左右するポイントなので、ぜひ注目してみてください。
【出演アスリート情報】
渡辺 勝(SHO WATANABE)
・ 所属:凸版印刷株式会社
・ 競技クラス:車いす陸上 T54
・ 主な戦績:2019年シカゴマラソン5位、2019年第103回日本陸上競技選手権大会 男子車いす1500m優勝、2020年東京マラソン2位、2020年ロンドンマラソン4位
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パラリングとは?
「パラリング」とは「パラダイムシフト(考え方の変化)」と「リング(輪)」の造語で、障がい者理解を広めていくリクルートの活動です。リクルートは障がいの有無に関わらずそれぞれが活躍できる社会の実現を目指して活動をしています。