世界で月間1億5000万人が利用 脅威の求人検索サイトを運営する 「Indeed社」とは
テクノロジーとアイデアは誰のために? すべては求職者のために。
リクルートがグローバル展開を本格化させたのは、中国進出を試みた2004年。今からおよそ10年前のことだ。その後、アジア圏での人材紹介事業を進めながら、人材派遣事業の「The CSI Companies, Inc.」(2010)、「Staffmark Holdings, Inc.」と「Advantage Resourcing (AmericaとEuropeの2社)」(2011)を買収し欧米での展開を拡大してきた。現在はグローバル事業で全売上の23%を担っており、海外での事業展開の加速は、重要な戦略の一つと位置付けられている。
2012年には、世界最大級の求人検索サイトを運営するアメリカのIndeed(Indeed ,Inc)社を完全子会社化し、リクルートのグローバル展開における柱のひとつとなっている。
設立は、2004年。ポール・フォスターとロニー・カーンによって共同設立され、今では世界55カ国、28言語で展開する"世界で最も利用される求人サイト"に成長を遂げている。
「全ては求職者のために」"Jobseeker first"という概念
サービスを展開する国ごとに言語も文化も違えば、求人事情も違う。その中で、広くユーザから使われ、認められた要因は一体何か?
一点は、一人でも多くの人に長く使ってもらうため「Simple(簡素)」「Fast(素早い)」な UI / UX に拘っている所だろう。
"アグリゲート型検索モデル"という、WEB上の求人メディアや企業サイト内の求人情報を集め、提供しているindeed.comでは「探す、見つける、申し込む」という一連の申し込みフローを極力シンプル化しており、 各国のユーザー嗜好や文化の違いの影響を受けにくい。
またどんな環境からでも素早いレスポンスを心掛ける事で、ネットワーク環境、PC自体の環境など千差万別なユーザーに対して、同一レベルでサービスを提供する事に成功している。
もう一点はその高い技術力だ。 提供される情報自体が「Comprehensive(包括的な)」かつ「Relevant(関連ある)」である事を目指し、
例えば「東京 バー」と検索した場合に、
"社名に「バー」が入るだけ"
"ビル名に「東京」が入っているだけ"
のような、ストレスある検索結果を表示しないように注力している。
「Simple」「Fast」「Comprehensive」「Relevant」、この4つのプロダクトの特徴はいずれも"Jobseeker first"という同社のコンセプトから生み出された結果だ。
つまり「すべては求職者のために」というキーワードに帰結する。
求職者がより簡易に、素早く、そして求めている情報にたどり着く。Indeedにはその理念に共感した高い技術を有するエンジニアたちが集い、ディスカッションを重ね、そして同時に何十万通りものABテストが日々行われている。世界中に散らばる1億5000万のユーザーに向き合い、日々ABテストを繰り返す、その途方もないトライは、彼らの熱意、そして高い技術力が可能にしているのだ。
現在は、テキサスのオースティンやマウンテン・ビュー、ニューヨーク、イギリス・ロンドン、アイルランド・ダブリンなどとともに、日本にも拠点を構える。
日本の開発拠点では、中国、フランス、イスラエル、アイルランドにアメリカ、オランダなど、実に11の国籍の技術者たちが集い、Indeed籍、リクルート籍といった所属や国籍などの垣根を越えたエンジニアたちが活躍している。 今この時も、新しいアイデアや技術がIndeed社の日本から世界へ発信されている。