コーポレートエンジニア(ICTサービス企画) ICT統括室 ICTサービス企画部
サービス企画グループ
高野 晶子 Akiko Takano

働きやすさの追求も、仕事でチャレンジすることも、
どちらもあきらめたくない想いを胸にリクルートへ再入社。

どのような魅力と可能性を感じて、リクルートを選んだのでしょうか。

私がリクルートに入社したのは今回が2回目になります。1回目は複数の事業領域でサービス企画を経験していたものの、夫の海外転勤を機に家族との時間を優先して会社を離れる決断をしました。その後、日本に帰国して出産し育児中心の生活を送っていましたが、私は仕事でもう一度チャレンジがしたいと思っていました。そこで一度はデジタルマーケティングの会社に就職したものの、子育てを理由に仕事の関わり方において手加減されてしまう場面や、受託業務を担うという事業の性質上、契約内容に応じた限定的な関わりが多くなってしまうことに窮屈さを感じる瞬間がありました。もっと主体者として最初から最後まで責任を持ってやりきれる環境に飛び込みたい気持ちが募り、転職を考えるように。

転職活動を始めた際、そうした想いをキャリアコンサルタントにぶつけてみたところ、真っ先に薦められたのが古巣のリクルートでした。思い返してみると、私はリクルートで一緒に働いていた人たちが「世の中や業界をより良くしたい」という気概を持ち仕事に向き合う姿勢に刺激を受け、一人ひとりが主体的に仕事に取り組める環境に常にやりがいを感じていました。また、私が離れている間に、コロナ禍以前からリモートワークが推進され、子育てをしながら働く女性が増えていることも知りました。ここなら、働きやすさとチャレンジしやすさの両方が揃っている、そう感じてリクルートへ再入社する決心をしました。

2019年に入社した当時は、「リクルートID」のサイト設計・デザインを担当。その1年後に社内公募制度を利用して、社内のツール・システムを統括する現在のICT統括室へと異動しました。当初は、誰もが活躍できる社会を目指して制度を整備する仕事がしたいと思い、人事への異動を希望していました。しかし、社内公募の選考中に「働きやすさを高めるには制度をつくるだけでなく、システムやツールを整えて環境をつくることも大事。こちらの方があなたのサービス企画経験も活かせると思う」と今の組織を薦められ、ICT統括室に興味が湧いたのです。
個人が前向きにチャレンジしたい気持ちを尊重しながらも、より最適な選択肢を提示してくれたことで新たな道が拓けましたし、ICTに携わりながら人々の働きやすさを実現していく面白さを味わえそうだと感じました。

最新のテクノロジーを社内に導入し、
全ての人が今よりもっと活躍できる環境を。

仕事内容とミッションについて教えてください。

オンライン会議に必要なツールやプロジェクトマネジメントツールなど、リクルート全社で使用されるICTサービスについて、新規導入の企画・検討をするのが私の役割です。今すぐ必要なものはもちろん、今後必要になるであろうものまで潜在的なニーズを先回りして把握し進めていくことが重要です。社内の各部署から寄せられる要望や、世の中で需要が高まっているサービス・技術の情報などをキャッチアップし、リクルートの環境にはどのようなICTサービスがフィットするのか、最も投資対効果の高いものはどれかといった検討を進めていきます。

私が向き合っているユーザーであるリクルートの社員の中には、ICTツールに対する感度が非常に高い方がいます。自社でもさまざまなプロダクトを企画・開発しているので、世の中で日々生まれている新たなサービスや技術に常にアンテナを張っている人が多く、新サービスがリリースされると「あれを使ってみたい、導入して欲しい」という声がすぐに寄せられます。しかしながら、全社で正式に導入をするにはセキュリティ上のリスクに対応するなどの必要な手順を踏まねばならず、どんなに急いでも2~3ヶ月はかかってしまいます。だからこそ、感度の高いリクルート社員よりもさらに早くニーズをキャッチし、検討を進めていかなければなりません。大変な側面でもありますが、ICT環境を整備することは、リクルートで働く人たちが業務上の手間や不都合をできるだけ感じることなく、本来やりたい仕事に専念できることにもつながります。それを実現することが私のミッションであり、やりがいです。

リスクから“守る”ことだけじゃない。
ICTで事業を加速させる“攻め”の姿勢も大切。

仕事の面白みについて教えてください。

社内のICTを統括する役割は、一般的にガバナンスが最優先の“守り”を重視する印象が強いかもしれません。しかし、リクルートのICTサービス企画は、守りだけでなく従業員の業務遂行上の利便性を向上させ、事業を加速させるための“攻め”の姿勢が求められるのが特徴です。

例えば、上述の潜在ニーズを先回りして全社導入の検討を進めるのもそのひとつです。リクルートでは社内で外部のSaaSサービスなどを活用する場合、全社での導入だけでなく、各領域や組織の判断で独自のツールを導入することも可能。それによって小回りの利いた組織運営が可能になっている反面、一歩引いて全社視点で考えてみると、複数の部署で導入に手間をかけていたり、似たようなツールが乱立して連携が取りにくくなっていたりといった事態も招きかねません。
だからこそ、私たちが受け身の姿勢で顕在ニーズに応えるだけではなく、各部署の状況を俯瞰して捉え、利便性の向上を踏まえた最適な方法を積極的に提案していくことが大切なのです。具体的なツール名を指定して導入を要望された際には、「なぜそれを利用したいのか」「本当に困っている課題は何か」とニーズを深堀りしていき、他組織から集めた声との共通点も探りながら、「実はこっちのツールの方が良くありませんか」と提案するようにしています。また、必ずしも全社対応することをゴールに置かず、部署独自で導入してもらうという選択肢も含めて検討することも必要です。

こうした柔軟な発想で社内の環境を考えているのは、リクルートが昔からクライアントに対して大事にしてきた姿勢とも共通します。クライアントの要望にそのまま応えるだけでなく、その裏に潜む真のニーズを探り、本質的な解決を模索する。そうした価値観が、社内に浸透しているからこそだと思います。

コロナ禍のリモートワークで感じた、
ICTサービス企画に必要な視点。

これまでの経験の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

私がICTサービス企画に異動したのは、2020年の4月。新型コロナウィルスによる最初の緊急事態宣言が発令され、社会全体が一気にリモートワークに動いた時期でした。リクルートは、それ以前から誰もが働きやすい環境を目指してリモートワークを推進していたため、比較的スムーズに移行できた会社だと思います。しかし、ほぼ全ての従業員がオフィスに出社せずに在宅勤務となる状況はさすがに想定しておらず、そのための環境やルールづくりを急ピッチで進めていくことが異動直後の大きなテーマでした。例えば、オンライン会議システム。これまでの利用頻度であれば、組織や業務特性によって独自に使うツールを決めて良い面もあったのですが、全社レベルでリモートワークをするにあたっては、「どのシーンでどのツールを、どのように使うか」といった統一ルールを設けないと、大きな事故につながるリスクが高くなってしまいます。そこで、社内で導入されているツールを整理し、利用にあたってのルールブックとして「ICTガイドライン」をつくっていきました。

また、コロナ禍によってこれまでは想定していなかったシーンでのオンライン会議も発生。そのひとつが、「個人のカスタマーとのオンライン会議」です。リクルートには、『リクルートエージェント』や『スーモカウンター』『ゼクシィ相談カウンター』などの個人に直接提供している対人サービスが存在します。日常的にカスタマーインタビューを行っており、カスタマーとの接点なしには運営が成り立たないサービスで、対面での実施は控えざるを得ないものの、電話の音声のみではサービスレベルが低下しかねない状況がありました。社内では、今すぐ始めたいという声が多数上がっていたので、利便性とリスクのバランスを見てカスタマー向けに使うツールを選定し、全社統一ルールの策定に乗り出しました。実際にカスタマーに接する社員から意見を聞き、「オフィスの背景が映り込むと情報漏洩リスクがある」「録画・録音をする際は個人情報の観点でどこまで利用してよいものか」など各論の困りごとを収集し、利便性だけでなくセキュリティ観点・法的観点を踏まえて企画していきました。導入後は「カスタマーにも安心して利用を促してサービス対応できるようになった」といった声ももらえて嬉しかったです。ユーザーである社員の声を直接吸い上げることで、働く環境を、いかに最適にして日常業務をより良くしていけるかが大切で、この経験はICTサービス企画として私の原点となっています。

社内を便利にするだけではなく、
その先に広がる世の中に価値を還元したい。

リクルートで働く魅力と、今後の目標について教えてください。

私が一番感じるリクルートの魅力は、個人の意思を尊重して自由度高く挑戦させてくれるところです。今の部署への異動を考えているときも、以前の所属先の上長は「いなくなるのは痛手だけど、あなた自身や組織のためには必要なチャレンジだから、応援するよ」と言ってくれました。働く個人にとって、事業にとって、世の中にとってより良いことをしていくという思いを重視してくれる人が多い会社だからこそ、私は伸び伸びと挑戦することができています。また、そんな考え方だからこそ、リクルートではみなが立場を越えてフラットに議論をすることをいとわないのだと思います。「誰のどんな問題を解決したいのか」といったビジョンを持ち、その必要性を示していければ、「いいね、それやろうよ」とものごとが動いていきますし、それをきっかけに役割も広がっていく。社歴や役職に関係なく、自分がやりたいと思ったことに対して自ら手を挙げて挑戦しやすい環境がありますし、自分次第でチャンスを広げていける会社だと思います。

それは、ICTサービス企画の仕事を通して実感していることです。異動後の2年間は、リモートワークの環境整備の緊急度が高いあまり、スピードを優先して個別判断で走ってきた部分がありました。しかし、いつまでも個別対応ではリクルート全社としてのICTツールに対する思想や価値観が示せないのではないか、ICTサービス企画としても、もう一段進化した取り組みをしたいという想いもあって、2022年にチャレンジしたのが全社標準サービスを検討するためのスキームづくりです。これは、判断プロセスが明確でないことによってツールを適切なタイミングで全社導入できず、ニーズの高かった組織に余計な手間をかけさせてしまったという過去の失敗を踏まえて、かねてより挑戦したかったことでもありました。今では、サービス導入における基本となる判断ロジックを定義できたことで、全社提供の導入判断がスピーディに行え、全社視点において利便性高いICTサービスを提供できるようになりました。

こうしたICTサービスを通して、リクルートの社員の働き方が進化し、多様な人が活躍できる会社へと歩みを進めていることに、ICT統括室の一員としてとして大きなやりがいを感じています。ですが、私が目指しているのはリクルートの働き方だけが進化することではありません。私の仕事は社内の環境を考えることですが、働き方の進化は、社員を通じてカスタマーやクライアントや協業するパートナーにも伝播していきます。まだまだ世の中にはICTの導入が遅れて手間やリスクを抱えている業界・企業がたくさんあるからこそ、リクルートで私たちが挑戦した成果が、社会に還元されたら嬉しいです。

記載内容は取材当時のものです。

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