ファイナンスDX担当 次世代経営管理準備室
新経営統括室
ファイナンスグループ
笹木 亮子 Ryoko Sasaki

空港の現場から経理に転身。
経理におけるDXスキルを身につけるべくリクルートへ。

どのような魅力と可能性を感じて、リクルートを選んだのでしょうか。

私は新卒で航空会社に入社し、国際線旅客係員としてキャリアをスタートしました。当時のミッションは「お客様への接遇追求」で、日々やりがいを感じて業務に取り組んでいました。でも、いつしか「せっかく会社に所属しているのであれば、経営の近くで、数字で会社を見ることができるポジションに挑戦してみたい」と考えるようになり、経理の仕事に興味を持つように。会社にとってお金は絶対に必要な資源であり、そのお金を管理することで、会社全体の流れを把握できるのではないか、と思ったんです。その後、社内公募制度を活用して経理部に異動しました。

経理部では新サービスリリース時の経理オペレーション構築・調整、キャッシュフロー分析や経理関連のBPR業務など、幅広い仕事を任せてもらいました。経験を積んでいくなかで、経理領域には税理士や会計士といった専門家がいる一方、自分はどのような役割で価値を発揮していきたいのかを自問自答するように。
考えを巡らせた結果、経理の基礎スキルにプラスして、DXのスキルを身につけていきたいと思ったんです。当時、経理はデジタル化が遅れていると言われており、「紙・ハンコ・目視」が根強い分野でした。しかし、経理もこれから絶対にデータの利活用やデジタル化が進むはずだと確信していました。そしてそれに付随して、経理におけるDX人材のニーズも高まっていくはずだ、と。
そんなときリクルートで、新しい会計システムを導入するプロジェクトで人材を募集しているということを知りました。このシステムは一度導入すると、途中でプロセスを変えるのは難しい。そのため、このシステムを導入するタイミングに携われることは、経理領域でDXのスキルを身につけるうえでまたとないチャンスだと思いました。

また、リクルートは社員一人ひとりが自律している点も魅力でした。リクルートの社員は与えられた役割や仕事を漫然とこなすのではなく、自分が歩みたいキャリアをしっかり見据え、会社に依存しない働き方を実践しているという印象を持っていたんです。私も会社に依存せず「個」としての価値を高めていきたいと考えていたので、マッチしているのではないかな、と思いました。入社前の勝手なイメージでしたが、選考でお会いした社員の方々はもちろん、実際に入社してからもそのイメージ通りでしたね。

システムのリプレースを「絵に描いた餅」にしない。
リプレース後も見据え、企画から実行まで主体者として推進する。

仕事内容について教えてください。

新しい会計システムの導入にあたり、債権管理領域の業務プロセスを再構築する仕事を担当しています。リクルートにある全事業の債権管理方法を開いていき、新システムでできること、できないことを整理していっています。

リクルートは事業が多岐にわたり、顧客もさまざま。例えば『SUUMO』であればお取引先は不動産系の企業が大半なので、銀行振り込みでお支払いいただくことが一般的です。一方『ホットペッパーグルメ』や『ホットペッパービューティー』の場合は、飲食店や美容院など個人事業主のお客様が多くなるためクレジットカード払いに対応する必要がありますし、営業担当者が直接お伺いし、その場でお支払い頂くことも。
商品によって課金モデルや支払いの頻度が違うことも多く、使用しているシステムや入金が遅れた場合の対応なども違います。
このように、事業や商品、それに紐付く顧客にあわせて多種多様な債権管理の方法があるため、細部まで把握していく必要があるんです。とても複雑で難易度は高いですが、だからこそ整理のしがいがありますね。

推進するなかで特徴的なことは、企画から実行まで一貫して、リクルートの社員が主体者として推進していること。自分たちが持っていない知見や専門性を補うため外部パートナーに協力を仰ぐことも多々ありますが、決して丸投げすることはなく、要件定義やシステム設計の要求出しも自分たちで行っています。他社ではきっちりと役割分担をしていることも多いので、珍しいかもしれませんね。
なぜこのような体制で進めているかというと、リプレースしたあと実際に使用する自分たちが、一番詳細を知っているべきだと考えているからです。主体者としてしっかりと課題を理解して、自分たちの言葉で推進していかないと、絵に描いた餅になってしまう。リプレースして終わり、ではなくその後の運用も見据えて進めているのです。
そしてそのように社員一人ひとりが当事者意識を持てる理由は、リクルートの文化にあります。例えば「こういうこと考えているんです」と伝えると、決まって「なんで?」と聞かれる。そのように「WHY」を繰り返していると、自ずと課題を深掘りしていくことになります。そうすることで案件を自分事として捉えられるようになり、どんどん当事者意識が芽生えていくのだと思いますね。

入金消込率維持のため、システム・運用の両面から検討。
「何を・どうするか」から考える貴重な経験を積めている。

これまでの経験の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

債権管理のなかに、債権と入金額をマッチングし、債権回収額を確定させる「入金消込」という業務があります。まだ推進している最中なのですが、新しい会計システム導入においてどのようにして入金消込率を維持するのか、システム観点・運用観点の両面から検討したことが印象に残っています。

まずシステム観点では、債権と入金のマッチング精度を上げるための要件定義をおこなっています。これは入金があった際、事前にあがっている債権の情報と完全一致しないケースを予測して、事前にシステムに組み込んでおくことで、少しのズレであれば自動でマッチングできるようにするものです。例えば、社名で株式会社が抜けているとか、入金予定日と一日ズレている、などの事例です。出来るだけ多くの案件を自動マッチングで完了させ、経理の個別対応を減らす、ということが目標ですね。
事業ごとに複雑な事情やこれまでの経緯があるため、すべての事業の要件を一律にしてしまうと事業が立ち行かなくなってしまいます。とはいえ個別の要件が多すぎると標準化から離れていってしまい、事業の独自進化を助長してしまうので、それも避けたい。この双方のバランスを見ながら、要件定義を進めているんです。

次に、運用観点。ここでは自動でマッチングできなかった場合に、マッチング率が上がるよう事業側の運用を変えるのか、それとも事業側の運用は変えずに経理が手動でマッチングさせていくのか、などのルール作りをしています。
ここでもまた、事業運営と効率のバランスが非常に難しい。最適な落としどころを見つけていくのですが、その見つけ方として2つ気を付けていることがあります。
1つめは、本質的に「ありたい姿」だけをすり合わせ、やり方は双方の組織が考えること。お互い見えている物が違うので気付きにくいのですが、それぞれが本当に守りたいポイント以外は譲れる箇所も多い。そのため、そのように進めることで意外とすんなり落としどころが見つかることも多いです。
2つめは、どちらかを優先する場合は、もう片方におけるメリットも考えること。例えば、自動でマッチングできなかった案件に対して、経理から事業に「今後このようなやり方に変更するのはどうでしょう。そうすることで、事業の業務も効率化しますよ」という提案をするんです。どちらの観点で見てもメリットがあるということで、納得感を持って着地することが出来ますね。

このように、決めなければいけないことは多岐にわたり、困難を極めます。実際に着手するまでは見えていなかった壁も沢山ある。でもそれは、誰かが決めたことを推進しているだけでなく、自分で「何を・どうするか」から考えているからこそ知れる壁だと思います。そのような経験はなかなかできないので、貴重な時間を過ごせていると思いますね。
また、困難な状況でも私が前向きに取り組めている理由は、立場は違えど、会社を良くしたいと考えている気持ちは全員同じだから。本質的には全員が同じ方向を向いているのであれば、壁を乗り越えることでもっと会社がよくなるはずなので、どんどん前に進めたいと思えているんだと思います。

現在着手している企画フェーズが完了したら、その企画内容を具体的にどう実行していくのか検討していきます。そこでもたくさんの困難が待ち受けていると思いますが、周囲と協力しながら乗り越えていきたいと思います。

主体的に業務を動かし、周囲と意見を交わすなかで成長していく。
プロジェクト完遂後は新しい挑戦も視野に。

リクルートで働く魅力と、今後の目標について教えてください。

一番の魅力は、やはり主体者として仕事ができるところではないでしょうか。決められたことを実行する作業者ではなく、個人が裁量を持って、主体的にプロジェクトを動かせることがリクルートで働く醍醐味です。外部からのアドバイザリーでもないので、自分が推進したプロジェクトで会社や組織がどう変わるのか、長期的に観察できるところも魅力です。
また、周囲には専門性が高く、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間がいるため、色々な視点を学ぶことができて視野が広がりますね。自分だけでなく周囲も当事者意識を持って働いているので、日々闊達に意見交換がなされています。

今後の目標としては、まず現在担当しているプロジェクトを成功させること。会社や社会に対して大きな価値を創造することは簡単ではありませんが、会社の屋台骨である会計システムを起点に、事業を動かしている社員の活動を支えたいと考えています。

プロジェクト完遂後にどのような仕事をするのかは未定ですが、現時点では、今推進しているような国内の業務に限らずグローバルな業務も担当してみたいと考えています。リクルートには多種多様な仕事があるので、組織の状況と私の希望やスキルを元に多様な挑戦ができる環境です。経理の仕事を継続することも、全く違う仕事をすることも可能なので、上長とも会話を重ねながら、リクルートにあるさまざまな機会を堪能していきたいですね。

記載内容は取材当時のものです。

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