金融機関を経て大学院で労働経済学を学び、2005年株式会社リクルートエイブリック
(現リクルート)入社。
2010年 リクルーティングアドバイザー(法人営業)部門でマネジャーを務める。
2017年から事業企画にて部長を経験、IT活用による事業進化を推進。
2020年にリクルートキャリアのエージェント事業執行役員に就任。
2021年の会社統合をきっかけにSaaS事業の立ち上げに携わる。
2023年より現職。

顧客接点職の奥深い魅力の所以は、
リクルート流のアプローチにある。

―リクルートの顧客接点職について教えてください。

人材紹介事業の顧客接点職は、『リクルートエージェント』をはじめ、リクルートの幅広いプロダクトを駆使しながら、企業の「〇〇したい」という声に耳を傾け、その想いを実現する仕事です。「〇〇」には「事業を持続的に成長させたい」や「新規事業を立ち上げたい」など様々な言葉が入ります。顧客接点職は、採用のプロセスを請け負うだけではなく、企業の声に耳を傾けて潜在的な課題やニーズを明らかにしていきます。

そのために、まず必要なのはきめ細やかなヒアリングです。「何に困っているのか」、「数年後、数十年後にどのような組織にしたいのか」だけではなく、「なぜそうなのか?」など、その背景にある想いを深掘ります。重要なのは企業に対して興味関心を持つことです。なぜなら、好奇心を起点にヒアリングをすることで、違和感や引っ掛かりに気付けるからであり、それが顧客接点職における提供価値の起点になります。

膨大なデータを活かし、
リクルートならではの価値提供へ。

―顧客接点職の具体的な業務内容について教えてください。

人材紹介事業においては、大きく分けると「求人化」「採用充足」の仕事があります。
まず、求人化とは、企業の経営課題を採用で解決する際に、事例やデータをもとに具体的な求人に落とし込んでいくプロセスのことです。企業とのディスカッションやインタビューを通して、職種や具体的な業務、年収はいくらに設定するのかなど内容を詰めていきます。この過程におけるリクルートの強みは、保有している数多くの採用事例やデータを求人化に活用することです。例えば、職種の需給バランスと企業の採用競争力を掛け合わせ、相場観に合った年収水準を提案するなど、データとテクノロジーを掛け合わせながら、より最適な求人へ落とし込んでいきます。
次に、採用充足ですが、求人化の先にある採用の成功まで伴走するプロセスのことです。採用におけるフレームワーク「TMP(ターゲティング・メッセージング・プロセッシング)」を活用しながら、誰に何を伝えるのか、どのような選考フローで人材を見極めるのかなどを設計していきます。企業や仕事の魅力的なポイントを求職者に効果的に伝える方法、採用競争力を高めるために選考プロセスを組み立てる工程、採用成功まで伴走するプロセスの描き方などが、顧客接点職の腕の見せ所です。

領域を超えた提案で、
顧客の課題に幅広く寄り添う。

―顧客接点職として働く魅力について教えて下さい。

企業の本質的な課題に向き合える点だと思います。その為には、企業と対峙する際、ヒアリングの手前の段階で、企業のパーパスやステージ、事業を取り巻く環境変化などを事前にリサーチし、自分なりに仮説を立てることが重要です。ヒアリングに留まらず、そうした仮説を企業に投げかけながら、対話を重ねることが企業の本質的な課題解決のアプローチになります。
また、私がプレイヤーだった頃は、自分が担当する人材紹介サービスやプロダクトだけではなく、リクルートの他領域やプロダクトを横断して、企業の課題を解決に導く提案をすることに醍醐味を感じていました。退職や採用の裏には必ず何らかの課題があり、過去の事例やノウハウをもとに、時には自分が受け持つ領域を超えた提案も是とする。それこそが、リクルートの顧客接点職における魅力だと考えています。

未経験も捉え方次第で強みになる。
経歴だけではない、「個のエネルギー」を重視。

―どのような人材が活躍していますか?

この質問への回答は非常に難しいです。というのも、人材紹介事業の顧客接点職においては、多様な経歴や個性を持つ人材が活躍しているからです。ユニークな経歴としては、消防庁、プロスポーツ選手、音楽家などビジネス経験がないメンバーもいます。業界や職種が未経験であっても、自分自身の転職経験をもとに、クライアントに対して転職者のインサイトをリアリティもって伝えることができるので、一人ひとりの転職経験が強みになります。
キャリア入社者に多いのは、何かしらの課題を解決したいという想いを持って入社するケースです。例えば、「建設業界における人材課題の解決に貢献したい」「営業経験を活かして企業の重要課題を解決したい」「ワークライフバランスを世の中に浸透させたい」など、自分が社会や企業に対して抱いている違和感を、リクルートの人材紹介事業を通して解消したいと考えている人が多いです。
そのため、顧客接点職の経歴や個性は多様ですが、共通しているのは、「クライアントに対して今日よりも明日の方が良い提案ができるように自分自身を成長させることが好き」ということです。リクルートは、従業員一人ひとりに「自律(自己を律し、自身の責任で、自己選択すること)」、「チーム(個人の強みを集結し、個の限界をチームで超える)」、「進化(連続な変化に柔軟に対応し自己変容すること)」を求めています。このビジョンがマネジメント層を含めて現場に浸透しているため、自ずと成長への意欲が高いという共通項が醸成されるのだと考えています。

ナレッジの共有と型化を惜しまない風土。
仕事とプライベートを両立しやすい環境も魅力。

―リクルートという会社の特徴や風土について教えてください。

リクルートは「価値の源泉は人」として、創業当時より従業員一人ひとりの「個」を尊重しており、活躍している人のバラエティが多いことは魅力の一つです。誰にでもチャンスがあり、顧客への価値提供にこだわりを持って努力を継続できる人が多く、切磋琢磨できる環境があります。また、価値発揮の方法もバラエティ豊かです。決まったやり方で「こなす」のではなく、自らやり方を考案しています。挑戦の結果として失敗したとしても、失敗を学びに昇華させる風土があるので、挑戦と学びが生まれやすい環境です。
「個」の成長をとことん突き詰めている会社なので、マネジメントを含めて環境と制度を整えることに多大な熱量をかけています。マネジメントにあたっては、1on1などの場を通して個人の好奇心や違和感に着目し、それを汲み取るようにしています。誰しも何かしらに好奇心や違和感を持つことがあると思います。メンバーとの対話の中でそこを紐解き、目の前の仕事を自身の「ありたい姿」へ向かって成長するミッションに昇華させ、その上で「任せるから挑戦してみよう」と後押しすることを大切にしています。その他、新しい機会として社内の異なる領域に挑戦する社内公募制度(SCOOP)などもあり、社員の成長だけでなく、事業にもシナジーを生んでいます。
また、リクルートは「ナレッジ共有」に加え、「型化」をする文化があります。「型化」とはナレッジの周囲への装着、いわゆる新しい「型」を生み出すことです。個人だけではなくチームでも目標を追うことが多いので、価値のあるナレッジや新しい取り組みは個人で抱え込まずに、型にして共有することを称賛しており、共有は日々行われています。この「型化」は、未経験者が活躍できる大きな理由の一つにもなっています。
人事制度についても、個人の能力をいかんなく発揮してもらうために、多様な働き方を支援することを重視して設計しています。リモートワーク、フレックス、産休・育休、アニバーサリー休暇など制度が充実しており、制度だけではなく、それらを活用しやすい風土があるので、自分のペースで仕事とプライベートを両立しやすい環境です。

キャリア意識を変える挑戦へ。
転職検討層へのアプローチを強化する。

―今後の挑戦、実現したいことを教えて下さい。

HRエージェントDivisionは、今後生成AIが普及していくことが予想される中、求職者様に対する約束の指針を明確にするため、「一人ひとりの可能性に寄り添い、選択を支える」というミッションを策定しました。カスタマーファーストのサービスであることは、これまでもこれからも変わりませんが、我々のサービスに触れてくださる方々のキャリアの迷いや不安を少しでも減らし、一歩前に進みだせるようなサービスを目指していきます。
そのために必要なことの一つは、キャリアオーナーシップ(=個人が生涯のキャリアにおいて「どうありたいか」を意識し、その実現に向けて主体的に行動すること)の意識醸成です。日本の生産性を上げるには、一人ひとりの学習が不可欠です。転職は学習のきっかけや手段にもなり得ますが、転職の手前で諦めてしまう人も少なくありません。そうした人に向けてキャリアオーナーシップを意識してもらうための取り組みを推進していきます。例えば、求職者様へは転職事例を公開することで、「自分は無理」だと思っている人へ転職の後押しをする、クライアントへは社外だけではなく社内異動を含めた人材調達を提案することで社員への新しい機会を提供するなど、サービスバラエティを増やしながら、挑戦する人を1人でも増やせるよう、目指していきます。

記載内容は取材当時のものです。

社員インタビュー

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