生きる力を育む『花まる学習会』代表 高濱正伸さんのリクルート考

シリーズ

リクルート考

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普遍的な“哲学、知力”が高いレジリエンスに 魅力的な人を集める企業であり続けて欲しい

リクルートグループは社会からどう見えているのか。私たちへの期待や要望をありのままに語っていただきました。

リクルートグループ報『かもめ』2021年7月号からの転載記事です

エネルギーにあふれ魅力的 個性的な野武士集団

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学生時代に安比高原へアルバイトに行ったのがリクルートとの最初の出合いでした。そこには、いろいろな学生が集まっていて、刺激的でした。リクルートの従業員の方たちも、頭の回転が速くてユニーク。特に女性リーダーの方の元気で仕事もバリバリこなす姿が印象的でした。

起業してからは、リクルートの営業の方とのお付き合いが始まりました。担当が短期間に代わるのですが、皆エネルギッシュでいちいち魅力的でした。

その後、教育業界のつながりでリクルートOBの藤原和博さんと知り合い、リクルートという会社の話を伺うようになりました。藤原さん主催の勉強会では、事業ローンチしたばかりの『スタディサプリ』(当時は『受験サプリ』)について、山口文洋さんのプレゼンテーションを拝聴しました。

初めてお話を伺った時には、その課題意識のシャープさ、革新的なビジネスモデルに驚きました。長年、大手予備校が寡占してきた受験塾界を本当に変えられるかもしれないと思いました。

その後、継続的に勉強会で事業進捗を伺う機会がありましたが、周知のとおり、すごいスピードでそれが現実になっていきます。山口さんと同行してくる若手のメンバーたちも皆、個性的で野心的な発言をのびのびとしている姿を見て、一般的な大企業ではあまり見たことがない、高い主体性とチームワークを両立している、いわば「野武士集団」のようだと感じました。

普遍的な“哲学” “知力”がレジリエンスを育む

私が主催している『花まる学習会』は、小学校低学年のお子さまとその保護者を対象に教育サービスを提供しています。我々の目的は「自立・自活できる大人」を育てることです。

すごいスピードで社会や常識が変化していく時代を生き抜くということは、親世代が生きた時代の「良い学校」「良い仕事」などといった価値基準や常識を裏切っていく主体性と強さが必要になります。

自らの頭で考え、課題を見つけ、それを変えていく実力を備えていかなければならない。一人ひとりが自分の個性を理解して大切に伸ばし、普遍性の高い哲学を内面にしっかり持ち続けられるように導いていけたらと思っています。内面がしっかり育っているからこそ、どんな変化にも柔軟に対応できるのです。

このコロナ禍のような、変化を強いられる環境では、哲学のない人が壁に当たりやすいと感じています。自分をしっかりと持っている人は、変化や理不尽を他責にせず、そこまで蓄えてきた基礎学力ともいえる「知力」を発揮して面白がって乗り越えていきます。「レジリエンス」が備わっているからです。

スマホで何でも調べられるから勉強しなくていい…は誤りです。しっかりとした基礎知識のなかで仕組みを理解し、知識を知恵に換えた「知力」を備えているからこそ、知識をアップデートできるのです。

“魅力的な人”しか人を集められない時代に

「哲学、知力」に加えて、もうひとつ大切なのは、「人間的な魅力」です。

子どもたちや講師には「また会いたくなる人」になって欲しいと伝え続けています。それには「力のある言葉を伝えられる人になる」訓練が重要です。形式的な誰もが言える言葉ではなく、自らが人間として感じたことを伝えること。その「力のある言葉」こそが、人の心を動かすことができるのです。

変化スピードが上がるなかで、新たな価値を生み出し続けなければいけないこれからの時代では、企業にとって、さらに「魅力的な人」が最大の資産になっていくと考えています。

普遍的な企業理念、高い技術力やマーケティング力などの「知力」に加え、魅力的な人材を集めて活かしていけるリクルートだからこそ、古い固定観念にがんじがらめになっている業界を変革させ、新しい時代を切り拓いていけるのではないかと期待しています。

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

高濱正伸(たかはま・まさのぶ)
『花まるグループ』代表

1959年熊本県人吉市生まれ。90年東京大学大学院修士課程修了後、93年に「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した、小学校低学年向けの学習教室『花まる学習会』を設立。95年には、小学4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。算数オリンピック作問委員、日本棋院理事。障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も受けている専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」も運営。 2015年から、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営に関わり、現在では市内の公立小学校全11校に拡大。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社12年)ほか、『小3までに育てたい算数脳』(エッセンシャル出版社05年)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版10年)など、著書多数

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