キッザニア(KCJ GROUP)能勢幸次さんのリクルート考

キッザニア(KCJ GROUP)能勢幸次さんのリクルート考

次世代を担う子どもたちのために 生きる力“非認知能力”の開発で人から国をより良くする仕事を

リクルートグループは社会からどう見えているのか。私たちへの期待や要望をありのままに語っていただきました。

リクルートグループ報『かもめ』2022年1-2月号からの転載記事です

「働くということ」をともに考えてきた15年間

2021年10月、キッザニアは日本に上陸してちょうど15周年。私がKCJGROUPに移ったのが2009年ですが、リクルートは開業当初から子どもたちの仕事選びの支援をしたいと参画してくださったと伺っていました。

キッザニアでは、子どもを研究してきた我々と、本物の職業体験を移植する企業と、まさに共同作業でアクティビティを創っていきます。安易に子ども向けにとごまかしたりせず、リアルにこだわって何度も話し合いを重ねることもあります。

例えば、2021年は衆議院選挙がありましたが、期間中は各党から本物のポスター、選挙管理委員会から投票箱や台を取り寄せ、子どもたちに投票体験を提供しているのも一端かと思います。

常に「どうしたらできるか」を考える前向きな姿勢

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私自身がリクルートの方々と本格的にイベントやブースリニューアルに関わり始めたのは2016年、事業本部長になってからです。会長の住谷栄之資、私を含め、我々のメンバーと、当時のリクルートキャリアとリクルートジョブズを兼任されていた柳川昌紀さん配下のメンバーの方々とお会いする機会がありました。

皆さん、フランクでエネルギッシュ。そして、とにかくよく話される。その場で出産後の女性が復職機会を逃しているという話題から飛躍し、キッザニアに訪れる子どもたちの保護者を対象にしたイベントのアイデアが出ました。

その場の話で終わることもできたかもしれませんが、「働くということ」に対して、弊社もリクルートも熱い思いを持っていたことからか、気付けば毎日のようにイベントの相談メールが飛び交い、1ヶ月後には、「キッザニア女性向け就業支援カウンセリング」というイベントを実現。その後も何回か行われました。

2019年のパビリオンリニューアルでは、子どもたちに使いやすく統計に裏打ちされた適職診断のデジタル化を実現。そのほか中学生向けのキャリアアドバイザー面談をオンラインイベントとして企画する際も、常にリクルートの皆さんはスピードと馬力があり、「どうしたらできるか」と前向きな姿勢。やはり「仕事」や「働くこと」がテーマになると、我々も熱くなり、ディスカッションには熱が入りました。リクルートの皆さんにはいつも、元気をいただいてきました。

次世代を担う子どもの“非認知能力”を育てる

私たちは今、キッザニアのような場が、子どもたちの“非認知能力”、いわゆる“生きる力”をどう育てるのかを定量化し、評価することに取り組み始めています。今後SDGs達成へ向けた世界において、多様な人たちとの協働が必須です。一人ひとりの子どもたちの特質が日常生活はもちろん、将来の社会貢献へ活かされるメカニズムを探り始めました。

我々の調査では、「職業体験」を通じて獲得する、チャレンジ精神、行動力、コミュニケーション力、協調性などが自立心を生み、日常生活にも影響を及ぼしていくことが分かってきました。職業体験、つまり「働く」ということは、それだけパワーがあるということです。

グローバルに通用する子どもの育成が急務

メキシコが発祥のキッザニアは、現在21ヶ国で展開。他国の運営企業とも交流する機会がありますが、そこでも実感するのは、多国籍化が進んでいる各国のメンバーはとにかく、行動力やコミュニケーション力が高く、タフ。日本の子どもたちがこういう環境に放り込まれたら、日本人同士で固まるのではないかと心配します。アメリカでの生活が長かった私ですら、しんどいですから(笑)。

世界を見渡せば、日本はスタートアップの数、デジタル化でも後れを取り、有能な先端技術者や科学者も海外で活躍するために日本から出ていってしまう傾向も見られ始めています。「世界で通用する人材を育成する」という観点で考えると、弊社が果たせることにはどうしても限界がある。次世代の日本を考える多くの企業と連携してこそ実現できることだと考えています。

働くこと、仕事の分野でリードしてきたリクルートだからこそ、長期的な視野に立ち、「人から国をより良くする仕事」をしていって欲しいと期待しています。特に、次世代の日本を担う子どもたちの“非認知能力”育成という領域は、事業としては未来への投資となる領域かもしれません。だからこそ、今始めなければ未来は変わらないのではないかと思うのです。

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

能勢幸次(のせ・こうじ)
KCJ GROUP株式会社 専務執行役員 事業開発本部 本部長

1980年慶應義塾大学法学部卒業と同時に株式会社三越に入社。フランス三越、米国三越を経て、2002年米国三越株式会社代表取締役社長兼ニューヨーク三越ゼネラルマネジャーに就任。2004年に帰国し、株式会社三越 経営企画部開発担当プロジェクトマネジャーに。2009年株式会社キッズシティージャパン(現:KCJ GROUP 株式会社)に入社。キッザニア東京事業部 事業部長補佐、翌年キッザニア東京事業部長を経て、2016年専務執行役員 事業本部長、2021年4月より現職。「キッザニア福岡」の開業統括も担当

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