育児が私に教えてくれた仕事の醍醐味。一人ひとりに寄り添いたい

育児が私に教えてくれた仕事の醍醐味。一人ひとりに寄り添いたい

リクルートの人材紹介領域で、求職者の方々の転職活動を支援するキャリアアドバイザー・内藤彩乃。育休中悩んだ経験が、仕事のやりがいを見つけ出すきっかけになったそうです。当時育児で悩んでいたことや転機となった出来事について聞きました。

大学時代から交際を続けていた夫にプロポーズをして結婚

愛知県で生まれ、学生時代はずっと地元で過ごしました。大学では理系の学部を専攻。そこで出会い、交際をスタートした夫とは、同じ研究室で苦楽をともにした仲間でもあります。
就職後も運良くお互いの配属先が首都圏になり、上京してからしばらく経った後、私からプロポーズして、結婚しました。

リクルート入社後にキャリアアドバイザーに

前職は、電子機器メーカーの法人営業でしたが、営業としてもっとスキルアップしたいという思いが強くなり、その思いを受け止めてくれたリクルートに転職。営業に配属されると思っていましたが、配属されたのは、求職者の方の転職をサポートするキャリアアドバイザーでした。この配属は自分の想定とは異なりましたが、自分なりに新しい仕事に前向きに、誠実に仕事に取り組もうとしました。

前向きな気持ちがあっても、それまで営業として数字を追いかけてきた私にとっては、キャリアアドバイザーとしてどのように仕事に向き合ったらよいか分からず、手探りで仕事をしていました。

コロナ禍で、孤独な育児に思い悩む日々

そんななか、子どもを授かり、出産のため産休・育休を取得しました。コロナ禍だったこともあり、里帰りせずに子どもを育てることに。産後すぐは夫が3週間の育休を取得したのでふたりで育児を乗り切れたものの、その後の平日は仕事で夫の帰宅が遅かったり、出張も度々あり、ほぼワンオペ育児状態に。

遠方に住む両親からサポートをしてもらうことも難しく、当時は周囲に子育てをしている友達もいなかったので、身近に頼れる人がいない状況での育児は、想像以上に苦しかったです。

リクルート従業員・内藤彩乃
保育園のイベントに参加した際の家族写真。現在は子どもがもりもりご飯を食べる様子を見る時間が幸せなひと時

日々起こる出来事が全てが緊急事態のように思えて、片時も気が休まりませんでした。いろいろな段取りを考えると出かける準備をするのも億劫になり、子どもとふたりきりで過ごす日々は社会から隔離されているようで、孤独感に押し潰されそうでした。

ただただ話を聞いてもらえたことで、肩の力が抜けた

少しずつ育児にも慣れてきた頃、意を決し散歩に出かけると、近所の方々が子連れの私に声をかけてくれました。「赤ちゃんかわいいわね」「お母さん頑張っているね」「子育ては大変だよね」。何か具体的なアドバイスをしてくれたわけでも、手を貸してくれたわけでもありません。ただ話しかけてくれたことがとても心に染みました。

そして今度は思いきって自治体の子育て広場に足を運んでみることにしました。「ゆっくりしていってくださいね」と職員さんに温かく受け入れてもらえたことで、どんなに安心したか。そして、私と同じように子育て広場に来ていた方々に、自分が今いる状況を話すだけで、不思議と心が軽くなっていきました。

リクルート従業員・内藤彩乃
リクルート従業員・内藤彩乃

「同じ地域に住む、同年代の子どもがいる人」と、子どもとの向き合い方や子育てのモチベーションについていろんな意見を聞いていくうちに「もっと肩の力を抜いてもいいのかもしれない」と、子育てについての不安が減っていきました。子どものいる生活を、心配事だけではなく楽しめるようになれたのは、この時の経験のおかげです。

育児での経験が仕事に活きた。キャリアアドバイザーとしてやりたいこと

子育てという正解のない経験を通して、相手に受け止めてもらえるだけでこんなにも嬉しいのだということを知り、これはキャリアアドバイザーの仕事でも同じことが言えると気づきました。

求職者の方はキャリアアドバイザーに話をするだけで、心が軽くなったり、勇気づけられることもあるのかもしれない。むしろ、とてもつらい状況に陥っている方をむやみに鼓舞しても、余計に追い詰めてしまいかねない。今までは具体的な転職支援やアドバイスを中心に会話をすることが多かったのですが、ただただ話を聞いて受け止めることが必要な時もあるのだということが身に染みて分かりました。
地域の皆さんが私にしてくれたことは、先輩キャリアアドバイザーが実践している「一人ひとりに寄り添う」ということなんだと、その必要性に心から共感したんです。

今、私は復職し、キャリアアドバイザーの仕事のなかで少しずつ挑戦していることがあります。それは、時短勤務で働く方、障がいを持つ方など、就業に制約がある方に対しての就職支援のスキームを組織全体に広げていくことです。初回の面談をさせていただく時に制約を詳しくお伺いするよう心掛け、企業とマッチングする際に双方の不安を解消するようにフォローする。何より、自分の経験も活かしながら求職者の方の不安や悩みを受け止め、味方となって寄り添うことを心掛けています。

今は自分の所属組織でのワークショップや、ミニセミナーの開催を通して、こうした心がけをナレッジとして周囲に広めているところです。だんだん「自分の部署でも話をして欲しい」と社内で要望をもらうことも増えました。協働の輪を拡げながら、少しでも多くの方の就業を支えられたら。一人ひとりの可能性に寄り添うことこそ、育児経験が私に教えてくれた、仕事の醍醐味だと思うのです。

リクルート従業員・内藤彩乃

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

内藤彩乃(ないとう・あやの)
株式会社リクルート HRエージェントDivision カスタマーサービス統括部 首都圏カスタマーサービス部 1グループ

電子機器メーカーの法人営業を経て、2020年にリクルートキャリア(現リクルート)に中途入社し、キャリアアドバイザーに。現在は、販売職の転職支援を行っている

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