『スタディサプリENGLISH for KIDS』開発秘話。英語が苦手な私が作った子ども向け英語学習アプリ

『スタディサプリENGLISH for KIDS』開発秘話。英語が苦手な私が作った子ども向け英語学習アプリ

2023年7月にリリースされた『スタディサプリENGLISH for KIDS』は、スキマ時間で英語学習ができるアプリ『スタディサプリENGLISH』シリーズがおくる、3~8歳向けの英語学習アプリ。ゲームを通して楽しく英語を学べるように工夫されているという『スタディサプリENGLISH for KIDS』がどのようなものなのか、プロジェクト担当のひとりであるリクルート従業員の武井奏絵が開発秘話とともに語ります。

『スタディサプリENGLISH for KIDS』とは

―まず、この度リリースされた『スタディサプリENGLISH for KIDS』はどういうサービスなのでしょうか?

武井:『スタディサプリENGLISH for KIDS』は、3歳から8歳までを主な対象とした英語学習アプリです。これまで『スタディサプリENGLISH』シリーズでは、大人や学校向けに英語学習を支援するアプリを展開してきましたが、今回は初めて幼児~小学校低学年を対象に開発しました。

『スタディサプリ ENGLISH for KIDS』

―3~8歳向けということですが、どんな内容のアプリなのでしょう?

武井:大人に比べて子どもは耳が良く、日本語のフィルターもさほどかかっていないので、聞いた英語をそのまま反復・定着させるのが上手。しかし、面白くなければ集中が続きません。そこで、子どもたちに興味を持ち続けてもらえるよう、「動物のいる世界で100人の友達を作る旅に出かける」をコンセプトに、RPG形式で楽しめる英語学習アプリにしています。800以上のゲーム形式の学習コンテンツやレッスン動画を備え、1レッスン約10分。学習を継続することで物語が進み友達が増えていき、子どもたちが集中して飽きずに楽しみながら学習できる設計にしました。

『スタディサプリ ENGLISH for KIDS』には100体以上のキャラクターが登場
全部で100体以上のキャラクターが登場。動物など親しみやすいモチーフでカラフルなキャラクターがゲームを彩る

―体験版を視聴しましたが、教材というより、英語アニメを見ているような感覚で楽しめました。アニメーションの後に、講師による英語レッスンやゲームがあるんですね。

武井:幼児の英語学習専門家監修の下、内容も吟味し、アニメーションとレッスン動画を見てインプット、ゲームで演習、最後に発話(=アウトプット)で1サイクルとしています。インプットとアウトプットを繰り返すサイクル学習は、大人向けの『スタディサプリENGLISH』でも大事にしている、学習定着を促す手法です。また、レッスン動画の講師は皆、英語ネイティブ。リアルな発音を学んでいただけるようにしました。

アプリならではの良さと価格は?

―学習の進捗状況が確認できるのもアプリならではの良さですよね。

武井:学習時間や学習目標に対する進捗などがアプリで可視化されるので、保護者の方もお子さんの状況を把握していただきやすいと思います。また、最後に発話練習があるのですが、この発話音声の録音を聞いていただくことで、お子さんの成長を実際に確認していただくこともできます。

『スタディサプリ ENGLISH for KIDS』の学習管理画面
『スタディサプリENGLISH for KIDS』の学習管理画面

―それは嬉しいシステム。価格も比較的抑えめですよね。

武井:開発前に市場調査を実施し、アンケートやヒアリングを通じて生の声を集めたのですが、その際に保護者から多く上がったのが、「子どもが夢中になれて継続しやすいアプリ」「価格が安い」「学習成果が出る」などの声。これら全てを叶えられるサービスを作ろうと開発してきました。そのため、価格も12ヶ月パックでひと月あたり1580円(税込/2023年7月時点)を実現しました。パック価格でない場合も1980円と、比較的継続いただきやすい価格になるよう努めています。

開発背景にあるのは小学3年生からの英語教育必修化

―幼児~小学校低学年を対象とした教育分野は、リクルートにとっても初の挑戦だったと思います。今回なぜこのアプリを作ることになったのでしょうか?

武井:やはり、新学習指導要領による小学校での英語教育必修化(2020年度~)を受け、低年齢からの英語学習ニーズが高まっていたことが大きいです。小学3年生から英語教育が始まるのですが、その前に英語に触れる習慣を身につけておくことで、抵抗感なく楽しく英語を学んでいただけるのではと、今回3歳~8歳を対象にした開発を行いました。また、従来の子ども向け英語教育は、教室など対面での学習が主だったと思うのですが、オンライン学習を取り入れることで、送迎など保護者のサポート負荷の軽減もできるのではないかと、アプリ形式での開発に着手しました。

―開発にあたってはかなりの数のヒアリングをされたのですよね?

武井:開発前の市場調査はもちろんですが、開発中も何度も保護者・お子さん両方の意見を伺ってきました。キャラクターもいろいろなモデルを作って、見ていただいたり、子どもたちにとって本当に使いやすいUI/UXなのか、実際に1ヶ月くらい触っていただいたりと数十回を超えるヒアリングの場を設けました。

『スタディサプリ ENGLISH for KIDS』プロジェクトリーダーの武井奏絵

ロジックが通用しない子どもたちのために

―とても丁寧に作っていったのですね。

武井:『スタディサプリ』としても初めての幼児~小学校低学年向けアプリということで時間をかけて向き合いました。開発期間は3年を要したのですが、正解が見えないのが一番大変でしたね。対象年齢となる3歳~8歳の子どもたちは、なかなか自分自身のことを言葉で表現してくれないので、何が受け入れられているのかが見えにくい。一度“嫌”だと判断されてしまうと、見向きもされなくなってしまうんです。これまで私たちが向き合ってきたのは、主に大人向けのプロダクト。大人は理性的に判断をするので、ある程度ロジックを立てて設計することもできるのですが、子どもにはロジックが通用しない。想像以上に大変でした…。

―これまでの常識が通用しない相手だったと。

武井:とにかく一つひとつの動作を見続けました。言葉には出さないけれど、表情や動きには表してくれるんです。また、保護者の方にもご協力いただき、ご自宅での学習の様子を教えていただいたりと、検証を重ねました。本当に使っていただけるものなのかを見るために、1ヶ月以上ご自宅に置いていただき、日常のなかでの使用感というものを確認していったんです。

利用者の声と開発担当者が込めた思い

―だから1ヶ月だったんですね。実際に完成版を利用された方からはどんなご意見が?

武井:今回、子ども向けデジタルコンテンツ開発の専門家にもお力をお借りして、とにかくキャラクターとストーリーに力を入れたので、「キャラクターに会いにいきたくて毎日やっている」とお子さまに言っていただけた時はとても嬉しかったですね。保護者の方からは「英語が好きになり、日常で触れた英単語などを自ら積極的に調べるようになった」など喜びの声をいただいています。英語学習の素地になるものを提供したいという思いで作っているプロダクトなので、それが伝わっていると思うと嬉しいです。

『スタディサプリ ENGLISH for KIDS』の開発秘話を語るリクルート従業員の武井奏絵

ーちなみに、武井さんは子どもの時から英語はお好きだったんですか?

武井:いえ…。私、小学校に入る前に近所の英会話教室に通っていたのですが、そこで挫折を経験しています…。先生が海外の方だったのですが、幼かった私にとってほぼ初めて接する海外の方。知らない国の言葉を話す大人に対してコミュニケーションを取ることに尻込みしてしまい、思わず距離を取ってしまったんです。英語=何だか怖いという認識を持ったまま中学生になり、その後も英語に苦手意識を持っていました。

だからこそ、学び初めは何よりも大事だという実感があるんです。英語は怖くない、楽しいものであるということを伝えられたら、学校の授業で学習するようになっても、主体的に学習に取り組んでいけると思うんです。私のようにはなって欲しくない。いかに抵抗感なく身近に感じてもらうかに心と手を尽くしました

―アプリを使っていただくことで、お子さんにとって前向きな英語との出会いを意図的に作れるというメリットもあるのかもしれませんね。リリース直後ではありますが、どう使っていって欲しいか、抱負も含めお聞かせいただけますか?

武井:私たちは、『スタディサプリ』を通じて「経済的、地理的な理由から発生する教育環境格差を解消し、すべての人たちに学ぶ機会と楽しさを提供したい」という思いを持ってプロダクトを作っています。今回は初めての幼児~小学校低学年向けのアプリでしたが、この思いは変わらず作り上げました。思いを込めた『スタディサプリENGLISH for KIDS』を皆様に受け入れていただけるよう、今後も改修を重ねながら全力で取り組んでいきたいと思っています。使っていただくことで、英語が怖いものではなく楽しいものだと感じ、どんどん自分の世界を広げていってくれたら、嬉しいことはないですね。

『スタディサプリ ENGLISH for KIDS』の開発に取り組んだリクルート従業員の武井奏絵

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

武井奏絵(たけい・かなえ)
株式会社リクルート 販促領域プロダクトマネジメント室(まなび) まなび社会人・語学プロダクトマネジメントユニット EnglishBtoCプロダクトマネジメントグループ

2021年にリクルートに入社。入社以降一貫して『スタディサプリ』のプロダクトに携わる。本サービスのプロジェクトに参画し、現在はプロジェクトリーダーを務める

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