『Airペイ QR』で、インバウンド消費の決済対応をもっと便利に

『Airペイ QR』で、インバウンド消費の決済対応をもっと便利に

2023年11月に訪日外国人客数は約244万人を超え、特に観光客を中心に日本国内で生み出されている消費・サービスへのインバウンド需要は、コロナ禍前の水準まで回復したと言われています*1。訪日外国人によるキャッシュレス決済の需要が高まるなか、観光業を中心とする国内事業者には、売上機会を損なわないためにもキャッシュレス決済への対応が急務になっています。

そのようななか、QR決済対応店舗向けサービス『Airペイ QR』は、世界のQR決済ブランド44種に対応し、事業者のキャッシュレス決済をサポート。訪日外国人の対応に迫られている事業者の方々の業務がどう変わるのか? 旅行客が急増する街にとって、どのような価値が生み出されるのか? プロダクトマネジメントを務めるグループマネジャー・園田博之、加盟店への推進を担当する和田崇郁に話を聞きました。

*1出典:日本政府観光局「訪日外客数(2023年11月推計値)」https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20231220_monthly.pdf

リリースから9年、国内外のQR決済44ブランドに対応した『Airペイ QR』

―訪日外国人による需要はもちろんのこと、国内で暮らす私たちもキャッシュレスやQR決済を利用する機会が増えました。今、日本国内ではどれぐらい普及しているのでしょうか?

園田:経済産業省の調査によると2022年の日本国内消費におけるキャッシュレス決済比率は36%、決済額は100兆円を超え、過去最高額を更新しました*2。なかでも、QR決済は、クレジットカードの次に使用される決済手段として、急速に普及しています。

*2出典:経済産業省「2022年のキャッシュレス決済比率」(2023年)https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230406002/20230406002.html

―そこまで使われているんですね。店舗でも『Airペイ QR』を見かけることが増えました。どんなサービスなのか、改めて教えてください。

園田:『Airペイ』は、iPadまたはiPhoneとカードリーダー1台でクレジットカードや電子マネーなどでの決済を可能にするサービスです。オプションとしてQR決済に対応するサービス『Airペイ QR』を追加することで、QR決済にも対応できます。

―『Airペイ QR』はいつから提供しているのでしょうか?

園田:実は、2015年に日本でいち早く、訪日外国人向けに『Alipay』のQR決済に対応できるプロダクトとしてリリースしているんです。以後、国内QR決済サービスの誕生・普及に合わせて取扱いブランドを増やしてきました。『PayPay』『d払い』『楽天ペイ』など全44種のQR決済(2023年11月末時点)に対応しています。

―44種類も!? そんなにQR決済ブランドってありましたっけ…?

園田:国内や中国、韓国のQR決済のみならず、例えばイタリアは「Tinaba」、モンゴルは「Hipay」など海外のQR決済に対応しています。

―QR決済ブランドって、そんなに各国に存在するんですね!

店舗で『Airペイ QR』を利用して決済する様子
店舗で『Airペイ QR』を利用して決済する様子

『Airペイ QR』で、訪日外国人のスムーズな決済体験・混雑緩和を実現

―『Airペイ QR』が国内事業者のインバウンド対策になるとのことですが、どういうことでしょうか?

和田:特に中華圏からの訪日外国人は、決済時に必ずと言っていいほど、中国国内で利用率の高いQR決済サービス『WeChat Pay』*3か 『Alipay』*4を利用します。そのため、こうしたQR決済が利用可能かどうかが、店舗の売上に直結するんです。

*3『WeChat Pay』:中国国内で利用率No.1のメッセンジャーアプリのQR決済サービス
*4『Alipay』:中国国内で利用率が高い屈指のQR決済及び商品購入から、飲食、交通等の生活シーンで使えるプラットフォーム

実際の例をご紹介しましょう。2022年6月から『Airペイ』『Airペイ QR』を導入された、箱根観光船株式会社様。箱根・芦ノ湖にて遊覧船の運航をはじめ、ホテル施設や物販、飲食事業などの観光業を展開していらっしゃるのですが、運営のレストランでは利用客の約4割が海外からの旅行者。導入前は「中国の方が持っているQR決済やクレジットカードのタッチ決済に対応できない」「決済対応に時間を要して混雑する」という課題があったそうです。

そこに『Airペイ QR』を導入し、多岐にわたるQR決済への対応が可能になり、支払いにかかる時間の短縮につながったと伺います。

また、『Airペイ』『Airペイ QR』では、決済だけでなく売上集計業務もタブレット端末で行うことができ、手作業での集計業務を効率化することができます。実際に「繁忙期に膨れ上がる作業工数を平準化し、業務効率化につながった」「ヒューマンエラーや不正リスクを防止できる」といった声をいただきました。

2022年6月から『Airペイ』『Airペイ QR』を導入した箱根観光船株式会社様。箱根・芦ノ湖にて遊覧船の運航をはじめ、ホテル施設や物販、飲食事業などの観光業を展開する
2022年6月から『Airペイ』『Airペイ QR』を導入した箱根観光船株式会社様。箱根・芦ノ湖にて遊覧船の運航をはじめ、ホテル施設や物販、飲食事業などの観光業を展開する

―加盟店のメリットは大きいようですが、カスタマーにとってはどうでしょうか?

和田:カスタマーの方も積極的にキャッシュレス決済を選択されています。箱根観光船株式会社様の店舗では、キャッシュレス決済の比率が3割だったところ、『Airペイ QR』を導入後に4割強にまで増加したとのことです。

―カスタマー自身もキャッシュレス決済を選んでいるのですね。

和田:コロナ禍では衛生面でキャッシュレス決済を利用する方が増えました。なかでもQR決済は還元ポイントがついたり、簡単に個人間送金ができたりと、加盟店だけでなくカスタマーにとっても大きなメリットがあります。

『Airペイ QR』のプロダクト改善について語る和田崇郁
『Airペイ QR』のプロダクト改善について語る和田崇郁

QR決済を「社会的なインフラ」に

―『Airペイ QR』の今後の展開について聞かせてください。

園田:おかげさまで『Airペイ』の加盟店(『Airペイ QR』をオプションとして導入する店舗を含む)は、直近2年間で24万店舗から43万店舗(23年9月末時点)まで増加しました。私自身、2013年から『リクルートカード』や『Airペイ』といったリクルートの決済事業に携わってきましたが、ここまで急速に需要が高まり続ける産業は、キャッシュレス決済の他になかなかないのではないでしょうか。需要の高まりを受け、事業者・カスタマーのニーズも多様化していることを実感しますから、その声に応え続けていきたいです。

和田:そのためには、事業者・カスタマー一人ひとりにとっての利便性を追求し続けることが大事だと思っています。『Airペイ』『Airペイ QR』は、企業規模の大小を問わず、すべての小売・サービス事業者の方に使っていただけます。さらにその先にカスタマーがいらっしゃいますから、キャッシュレス決済に対する期待値や利用目的は、本当にそれぞれです。

―どうやってリアルなニーズを拾っているのでしょうか?

和田:『Airペイ QR』の加盟店に課題感や要望を直接伺い、プロダクトの改善に活かしています。

これまでも、先ほどのような決済ブランドの対応に加え、プロダクトの使いやすさについて地道に改善を重ねてきました。

例えば「決済時にQRコードをiPadのカメラでの読み取る手間を減らせないか」という声に対して、卓上QRコードリーダー機器に対応するなど、実用性にはこだわっています。

園田:また、カスタマーに対しても、各決済ブランドの体験を預かっている『Airペイ QR』だからこそ提供できる価値があると思っています。例えば決済ブランドの追加やキャンペーンなど、今後も各決済事業者のみなさまと連携しながら、取り組んでいきたいですね。

『Airペイ QR』の今後の展望について語る園田博之
『Airペイ QR』の今後の展望について語る園田博之

―『Airペイ QR』が普及することで、世の中にどんな価値が生まれることを期待しますか?

園田:事業者・カスタマーの方々の決済に関する煩わしさを軽減することで、本来やりたいことにぜひ専念していただける環境をつくりたいですね。たとえば、観光業でしたら、事業者の方には接客・サービス提供などのコアな業務に、訪日外国人の方にはせっかくの観光体験に時間を使ってもらえたら、と思っています。実際に、街で『AirペイQR』を使ってスムーズな決済やサービス体験につながっている様子を見ると、本当に嬉しくなります。

和田:先ほどの箱根観光船株式会社にも「訪日外国人の決済対応が楽になって、本当に助かっている」「他店舗でも取り入れたい」といったお声をいただけて、この仕事の醍醐味を実感しました。

一方で、国内ではまだキャッシュレス決済の導入に踏み切りづらいお客様がいらっしゃることも事実です。私たちが『Airペイ QR』の利便性を高めたり、導入のハードルを下げることで、少しでもキャッシュレス決済を当たり前に、いつか「社会的なインフラ」と言っていただける存在になっていけたら、と思います。

『Airペイ QR』のプロダクトマネジメントを担当するグループマネジャー・園田博之(左)と推進担当・和田崇郁(右)
『Airペイ QR』のプロダクトマネジメントを担当するグループマネジャー・園田博之(左)と推進担当・和田崇郁(右)

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

園田博之(そのだ・ひろゆき)
株式会社リクルート プロダクト統括本部 プロダクトマネジメント統括室 SaaS 領域プロダクトマネジメント室 決済プロダクトマネジメントユニット 決済プロダクトマネジメント部 決済プロダクトマネジメント2グループ グループマネジャー

インターネット・Web関連の事業企業でサービス企画・開発を経験後、2012年リクルートに中途入社。2013年の『リクルートカード』立ち上げ時から、マーケティングや事業企画に携わり、サービス責任者として従事。2017年には『Airペイ』のプロダクトマネジメントを兼務で担当するなど、7年にわたって決済関連のプロダクトを担当。2019年に退職後、スタートアップ企業での勤務を経て、2021年にリクルートに再入社し、現職に至る

和田崇郁(わだ・たかふみ)
株式会社リクルート プロダクト統括本部 プロダクトマネジメント統括室 SaaS領域プロダクトマネジメント室 決済プロダクトマネジメントユニット 決済プロダクトマネジメント部 決済プロダクトマネジメント2グループ

大学院を卒業後、外資系コンサルティング企業で大手製造業企業のIT戦略策定・業務改革に従事。2021年より製造業DXを手掛けるスタートアップ企業にて事業開発を経験後、全社ビジネスプロセス・リエンジニアリングをリード。2023年7月にリクルートに転職し、『Airペイ QR』のサービス担当者・プロダクトマネージャーに

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