Case03

対話型チャットボットで実現する

旅行代理店のような検索体験

機械学習エンジニア×じゃらん

Case03

対話型チャットボットで実現する

旅行代理店のような検索体験

機械学習エンジニア×じゃらん

本件は、カスタマーテストなどを通して有効性の検証を目的としたプロジェクトの内容となっており、実際に提供しているサービスではございません。
01Outline
事例のアウトライン
国内宿泊予約における旅行代理店窓口の利用は、非ネット予約シェア全体の17%にものぼることから、Webサービスでも窓口同様の接客サービスを創出できないかと考えました。
そこで、旅行代理店に課題を感じている層に着目し、アプローチするためのプロダクト「チャットボット」を開発。機械学習・自然言語処理を用いて窓口利用と同じような接客を行うボットを目指しました。
その結果、プロダクト利用者の57%が「旅行代理店のような接客力を感じられた」と回答し、チャット接客の有用性を見出すことができました。
02Issue
直面していた課題
宿泊予約を検討する際に、旅行代理店の高い接客力を理由に窓口を利用するカスタマーが存在しています。そういったカスタマーの約31.6%が、「検索して予約する手間負担を軽減したい」「自身では得られない気づき、情報をくれる」といった旅行代理店の対応力の高さを理由に窓口を利用しています。しかし、「わざわざ行くのが面倒」「待たされる」「営業時間に行けない」「窓口が遠い」といった不があることも分かってきました。そこで、窓口利用のような接客をチャット接客を通じて24時間365日オンラインで提供することで、不を解決できるのではないかと考えました。 この課題解決へのチャレンジが、本プロジェクトのテーマです。
03Solution
実現した解決策
旅行の宿泊予約検討において、窓口利用のような接客を実現するには多岐にわたる機能が必要です。その中でも特に、①検索条件の代替提案、②宿のおすすめポイントアピール、③宿に対する質疑応答、という3つの機能がポイントとなりました。
※①は指定した条件で宿が1つも見つからなかった場合、なるべくカスタマーの希望に沿うように自動で条件を変更・削除し、宿を再提案できるようにしました。
※②は宿を提示するタイミングでクチコミから検索条件に該当する高評価ポイントを提示することで、予約時の納得感につなげることを目指しました。
※③は宿を予約する際に、宿に直接問い合わせて確認したい設備情報などについて、同じチャットインターフェース上で一問一答形式で質疑応答を行えるようにしています。
ソリューション 図ソリューション 図
04Technical Background
技術的な背景
①検索条件の代替提案
カスタマーの要望に沿った提案をする際、すべての要望に合致する宿が見つからない場合もあり、窓口の接客ならば一部の検索条件を変更して探し直すなどの対応が想定されます。そこで、本チャット機能でも同様の対応を目指し、旅行領域に特化したデータで学習したBERT、tf-idf、条件の登場順などから得られる特徴量を利用し、各条件の重要度を予測するモデルを構築しました。日程やエリアなどの旅行における必須要件は変更対象外にするなど、カスタマーの要望から大きく乖離しないような代替提案をすることで、信頼性を担保することを意識しました。
技術的背景 図技術的背景 図
②宿のおすすめポイントアピール
宿を提案するタイミングで、宿のおすすめポイントを提示することで、予約意向の向上につながることを目指しました。その実現に向けて、クチコミから検索条件に該当し、高評価なポイントを抽出して提示する機能を開発しました。しかし、クチコミの書き方は人により異なり、文節が句点とは限らないことや1つの文中に複数該当箇所が存在するようなケースが存在します。そこで、クチコミの文章を単語単位に分けたうえで、各単語が検索条件に該当するか&高評価であるかの二値分類を実施し、その出力を連ねることでアピール文を抽出しました。本機能でも独自ドメイン特化の学習済みBERTをファインチューニングすることでモデル学習を実施、継続的に増え続けるクチコミに対しても追加のアノテーションなしでアピール文を生成することが可能となっています。
※接客に関する高評価箇所はどこか?というquestionに対し、該当箇所かつ高評価であるかの二値分類を行って適切なansersを導き出せていることを示した図
技術的背景 図技術的背景 図
③宿に対する質疑応答
宿泊を検討している宿について「送迎はあるか」「アメニティは何があるか」など、宿に直接問い合わせて確認したい質問を想定し、宿に対する質疑応答を行う機能も開発しました。質問受付にあたっては、どんな質問かを判別するためのテキスト分類モデルを学習済みBERTをファインチューニングすることで構築。また、入力されたテキストがそもそも質問かどうかを判別できるような設計もしました。回答にあたっては、データベースを参照して回答を自動で生成することで、様々な宿泊施設に共通して寄せられる質疑応答に対応できるようにしました。一方、「子供連れでも大丈夫か」など、宿の雰囲気を尋ねるような質問については各施設のクチコミを解析。入力文について言及している類似センテンスの抽出を行い、事実性判定を行うことで回答を用意できるようにしました。
05Outcome
得られた成果
チャット上で旅行の希望を伝えると、宿の提案だけでなく、希望に該当しない場合の代替案も提示できるようにしました。さらに、宿のアピールポイントを抽出し、質疑応答までの対応を実現し、まるで窓口利用のような接客の実現が見込まれます。また、本プロダクトを試験的に利用したカスタマーにアンケートを実施したところ、多くのカスタマーにとって価値があることも証明でき、顧客体験が向上するような新たなUI/UXの創造の一翼を担うことを見出しました。
技術的背景 図技術的背景 図技術的背景 図
技術的背景 図
技術的背景 図

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