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チャイルド・ファミリーコンサルタント 兼 And's運営者 山本直美さんのリクルート考

Recruit , 働き方 , 多様性 , 子育て , 教育

リクルートグループは社会からどう見えているのか。
私たちへの期待や要望をありのままに語っていただきました。

リクルートグループ報『かもめ』2017年11月号からの転載記事です

仕事は合理的に。でも子どもとは共に育ち合って。子どもたちが憧れる、開かれた企業でいて欲しい

リクルートさんとは不思議なご縁があります。最初に「リクルート」の名前を聞いたのは、まだ私が幼かった時。新橋の森ビルに社屋があった頃、私の身近な人がアルバイトとして働いていて、よくリクルートの話を聞いていました。新橋のビルへ遊びに行ったこともあります。また、20代後半に私が幼稚園の教諭を辞めた直後には、友人がリクルートに勤務していたこともあって、ほんの短期間ですがアルバイトをした経験も(笑)。

 そこからしばらく経って、当時『赤すぐ』の事業部長だった得丸あしたさん(現OG)からシンポジウムでの講演依頼をいただいたことをきっかけに、ビジネスの接点を持つようになりました。2007年当時、リクルートはダイバーシティ施策を進めていて、事業所内保育園を作ろうとNew RING(リクルートグループで開催されている新規事業提案制度)へ提案するチームにアドバイザーとして入っていました。その案は1次審査のみの通過でしたが、その後グラントウキョウサウスタワーへのオフィス移転をきっかけに事業所内保育園『And's』が設立され、現在は運営を任せてもらっています。また、私は幼児教育と「ファミリー・ビルディング」の専門家として子育て相談を受けることが多いのですが、リクルートの人たちからも相談をいただいていて、これまでに200件ぐらいにはなると思います。今でこそ制度も整っているけれど、変化の過渡期にあった当時のワーキングマザーは皆悩んで、苦労しながら子育てしているんだと相談を受けながら実感しましたね。

ビジネスパートナーとして、またプライベートでもリクルートの人たちと交流を続けるなかでいつも感じるのは、どの人も積極性が高くて、人が好きだということ。私も人が好きなので、そこは共通しているなと。そして"自家発電装置"でも身に付けているのかと思うぐらい、能動的に動ける人が多いですよね。人を育てることに携わっている身としては、そこにとても興味を持ちます。ベースとして自分に自信を持てている人たちが多いと思うのだけど、「あなたはどうしたいの」と問いかけるコミュニケーションスタイルが大きく影響しているのではないかと思っています。上司が部下にどうしたいかを問う文化は、きっとリクルートだけです。そうした文化が、自信を持てる環境を作り出しているのだと思います。

創業者の江副浩正さんの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉がありますけど、とても素敵な言葉ですよね。私はいくつになっても人は変われると信じているし、人の成長を期待して諦めないことを信条にしていますが、この言葉は自分の信条と近いと感じます。今リクルートで働いている人を見ても、この言葉を体現している人が多いなと思っていて。そういう意味でも、リクルートの人たちには共感する部分があるんです。

よく働きよく稼ぎ、よく遊ぶリクルートの人たちは好きですが、一方で、子育ては仕事と同じように合理的に考え過ぎないで欲しいと思います。子育てにおいても、ついつい一番効率のいい結果を出したいと思いがちなところはないでしょうか。経済とは対極にあるのが、「人の育ち」です。生きていることが楽しいとか、一緒にいてくれることが嬉しいという気持ちや情緒も大切にして欲しい。子育てをあんまり合理的に進めようとすると、子どもの気持ちが追い付いてこなくなります。

私が会長を務めるNPO法人 子育て学協会では「発達予防学」を提唱しています。簡単に言えば、幼児期に安定した情緒を育むことは、青年期の心理的、精神的な疾患の発生を防ぐという考え方です。子どもの安定した情緒を育むためには「待つ」、「寄り添う」ことがとても重要になってきます。子どものために時間を作って、待ってあげること。何か問題行動が起きた時に対処法を施すのではなく、地道にやるべきことを日々積み重ねた先に、どんな子でもその子らしい花を咲かせていくもの。何でも合理的に効率的に進め、最短で結果を出すことに慣れてきたリクルートの人たちは、「待つ」ことが比較的苦手かもしれませんね。ですが、自分自身が乗り越えるべき発達課題を教えてくれる側面もあるのが子育てですから、親と子どもが共に育ち合っていけばいいと思うのです。

ここ10年でリクルートは大きく変わりましたよね。先日もAnd's の保護者会にお父さんが参加されているのを見て、特に20代や30代は、共働きで子育てをすることが当たり前になってきたと感じます。子どもたちの成長を長年見続けてきましたが、親が勤めている企業のことを素敵、かっこいいと子どもが憧れるって本当に素晴らしいことだと思います。ぜひリクルートには、家族にもたくさんのファンを作っていくような、開かれた存在でいて欲しいですね。

プロフィール/敬称略

山本直美

株式会社アイ・エス・シー 代表
NPO 法人 子育て学協会 会長
日本女子大学大学院家政研究科修士課程修了。幼稚園教諭を経て、1995年株式会社アイ・エス・シーを設立、自らの教育理念実践の場として保護者と子どものための教室『リトルパルズ』を開設。以来、1歳から小学校低学年までの子どもたちを育て続けている。2004 年、キッザニアの立ち上げに際し、安全管理・プログラムの監修・助言を行う。08年、アイ・エス・シーで研究・実践してきた理論・プログラムのさらなる普及のため、NPO法人子育て学協会を設立。09年よりリクルートの事業所内保育園And'sの運営を担う。発達予防学による「幼児期からのアイデンティティ教育」の実践のため、各地で子育て学関連の講演を継続している他、保育者・親子向けにさまざまな講座・教室を実施し続けており、企業の従業員子育て支援講座も提供している。現在、独自の教育プログラム『WithBookプログラム』を導入した『ウィズブック保育園』を東京都内10園と名古屋5園運営。子育てや「ファミリー・ビルディング」に関するコラムを新聞や雑誌へ定期的に執筆している他、著書も多数執筆。

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