【だから、私はきょうも働く】~人間にしかできない、アイディアを生み出すための時間を増やしていきたい~

【だから、私はきょうも働く】~人間にしかできない、アイディアを生み出すための時間を増やしていきたい~

2018年、リクルートの経理部門は年間1万時間以上の工数削減に成功した。それを可能にしたのが、RPA(Robotic Process Automation)と呼ばれる、データの入力や消込作業、メール送信といった定型業務を自動化できる技術だ。どのような想いで導入に臨み、どんな苦労があったのか、プロジェクトリーダーを務めたリクルートテクノロジーズの赤塚諭に話を聞いた。

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売上2兆円規模の経理業務の負荷軽減のため、RPA導入の検討がスタート

「リクルートグループの連結売上高は2兆円規模。グループ企業は約40社を数え、毎月数十万件の振込があるなど、多くの企業や個人のパートナーと金銭のやり取りが生じています。月初や期末などは特に経理部門にかかる負担は大きく、≪なんとかして業務負荷を軽減できないか≫という要望は以前から上がっていました。

私の所属するリクルートテクノロジーズが掲げるミッションは、≪テクノロジーの力で多くのカスタマー・クライアント、我々リクルート自身を便利で豊かにしていく≫こと。ITやネットマーケティングテクノロジーにより、リクルートグループのビジネスを進化させる役割を担っています。RPAを使った業務負荷の軽減は、まさにこのミッションにマッチするもの。リクルートグループ社内の業務を便利にできることはもちろん、現場の社員の皆さんがカスタマーやクアライアントのことを考えられる時間を作り出せることに魅力を感じ、ぜひやってみたいと思いメンバー参加したいという意思を上長に伝えました」

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まるで透明人間が作業しているかのような光景に、驚きと感動の声。

「開発をスタートしてみると、定型業務とはいえ人による暗黙知が想像以上にたくさんあることが分かりました。RPAは、人が行っている業務を忠実に再現できることが特徴ですが、そのためには、ほとんど無意識にやっているようなちょっとしたデータの手直しなども漏らさずプログラムに組み込む必要があります。業務の様子を録画して暗黙知を洗い出したり、何度もユーザーテストを行ったり、経理部門の人たちとも協力しながら導入にこぎ着けました。

一番印象に残っているのは、やはり、初めて稼働したロボットの挙動を見た時の皆さんのリアクションです。スタートボタンを押すだけで、まるで透明人間が座っているかのように、目の前にあるいつもの作業画面で、いつもの消込作業が、自動で進んでいく。その様子を目にして、≪凄い!これで他にやりたかった業務に集中できる!≫と本当に嬉しそうに言ってくれたんです。実際、導入後は、グループ内で新しいビジネスが生まれた時に、適切な会計基準や経理プロセスを提案していくなど、本来やりたかったことに力を入れることができているそうです」

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新しい技術で、人が、人にしかできない業務に集中できる環境を実現したい

「現在、経理部門へのRPAの導入は一段落し、各グループ会社の他の部門への導入を進めています。受注に関するタスクを整理して、担当している複数のクライアントに定型のメールを送る業務で、複数のシステムを立ち上げてデータを抽出したり、コピー&ペーストしたり、単純ながら時間を取られる業務です。一部の機能をプレリリースしたところ、≪かなり時間を割かなければいけないと思っていたことが、もう終わった!≫と驚きと喜びの声をもらいました。

その他にも、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)とRPAを組み合わせて、紙で送られてくる請求書や申込書をデータ化し、支払いや受注登録の処理を自動化することもフィジビリ中です。人口減少が進む中、RPAやAIはますます不可欠な技術になっていくと思います。業務を効率化することによりリクルートグループで働いている方々のワークライフバランスを保てるようにすることはもちろん、もっと人が、人にしかできない業務に集中し、カスタマーやクライアントと向き合うための時間を増やせる環境づくりに貢献していきたいです」

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私のワークライフバランス

運動不足気味だったので、最近は週2~3回ジムに通ってランニングマシンなどで汗を流しています。新しい技術は本やネットで情報収集するほか、アンテナ感度の高い職場の仲間との何気ない会話の中で情報交換できるのが楽しいです。

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