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なぜリクルートはイノベーションを起こし続けることができるのか ~Vol.2 「圧倒的な当事者意識」が育んだシニア活躍促進サービス「からだ測定」

Recruit , イノベーション , 事業推進 , 働き方 , 新規事業 , 高齢化

次々にイノベーティブな新規事業を世に送り出すリクルート。実は、リクルートの新規事業の多くは、社員個人を起点として生み出されたものだ。なぜリクルートの社員はイノベーションの種を見出し、新規事業として育て、花開かせることができるのか。リクルート社内で要職に就きながら兼業体制で新規事業「からだ測定」を立ち上げ、シニアの就労・活躍促進に取り組む宇佐川邦子氏に聞いた。

※本記事は2019年3月20日にロイターサイトに掲載された記事広告からの転載です。

年齢では測れない「労働力」を指標化、高齢者の就労を促す

― 「からだ測定」はどのような問題意識から生まれたのですか?

宇佐川邦子氏(以下、宇佐川)  「新卒で入社して一斉に定年退職」という日本の伝統的な就労スタイルに、ずっと違和感をもっていました。同じ年齢だからといって、スキルや体力、働く意欲まで同じではないはず。例えば定年になって「働けない・働きたくない」という人もいれば、「まだまだ働ける・働きたい」という人もいます。なのに、定年になったとたん、十把一絡げに「現役引退」とみなしてしまうのは、もったいないですよね。潜在的な高齢者の労働力を借りれば、人手不足に悩む企業の課題解決にも繋がるはずです。しかし、日本では高齢者の就労は想像以上に進んでいません。背景にあるのは、企業側の高齢者への理解不足と、高齢者側の「年だから働けない」という思い込み。企業側は高齢者のポテンシャルがわからないから採用を躊躇し、高齢者も自分の可能性を客観的に把握できていないために就労を躊躇してしまうのです。「からだ測定」は、このジレンマを解消すべく開発したサービスで、高齢者の体力・処理力(記憶力や計算力)・個性を見える化したもの。高齢者の能力や特徴を客観的に示す指標を提供することを通じて、企業側の採用意識、高齢者側の就労意識を高めるのが狙いです。業務の内容は千差万別で、その内容に応じて必要な能力や特徴は異なりますよね。何にでも順応できる人、できそうな人を採用して、慣れてもらうという時代ではないと思います。企業は、高齢者の能力や特徴だけでなく、個々の業務の性質・適性を十分に理解し、説明する必要があるのではないでしょうか。
「からだ測定」の立ち上げにあたっては、リクルート社内の新規事業支援制度に応募しました。社員の企画に対して、会社がベンチャーキャピタルのように資金提供や助言などさまざまな支援をしてくれる制度です。

圧倒的な当事者意識で可能性を広げてくれる人のつながり

― 役職を兼任しつつ、新規事業を立ち上げることに躊躇はありませんでしたか?

宇佐川  なかったですね。新規事業立ち上げ=若手というイメージがあるかもしれませんが、リクルートでは私のような中堅社員が新規事業立ち上げに取り組むケースは珍しくありません。むしろ若い頃よりも今のほうが経験や人脈があるので、うまく事業を進められるメリットもあるんですよ。それに私一人で事業をやっているわけではなく、助けてくれる人がたくさんいます。リクルートの社員って、直接自分が担当していない仕事にも積極的にアドバイスをくれるんですよ。例えば「からだ測定」について、最初は「どうやってマネタイズするの?」って突っ込んできた先輩が、後日「知り合いを紹介するから話を聞いてみたら?」って連絡をくださったり、すでにリクルートを卒業して他の仕事をしているメンバーが助けてくれることもよくあります。こうした人のつながりこそ、リクルートの大きな財産であり、この会社から生まれるイノベーションの源の一つです。圧倒的な当事者意識を持つ人たちが周囲にいるからこそ、自分も当事者で有り続けられるのではないでしょうか。

宇佐川 邦子さん

働く時間の「楽しさ指数」を上げる

― 宇佐川さんは現在高齢者の方の働き方を支援していると思いますが、ご自身は今後どんな働き方をしていきたいですか?

宇佐川  イキイキと楽しく働いていきたいですね。最近話題の「働き方改革」も、個人的には労働時間や場所ばかりでなく、「ご機嫌に働けるようにする」という視点にもフォーカスしたらいいと思っています。必要なのは、働き方の選択肢を増やすこと。オフィスに1日中いなくても、時短で働いていても、私のように社内兼業をしてもいい。各自が自分の望むスタイルで働くことができれば、仕事はぐっと楽しくなります。楽しんで働ける人とは、物事を主体的に考え、行動できる人だと思います。だからこそ、そういった人たちは仕事の成果を出しやすいんですよね。リクルートはその重要性をわかってくれている会社なので、人事制度含め従業員のモチベーションを上げる仕組みが存在しますし、働くスタイルの選択肢も多様だと思います。だからこそ「からだ測定」を生み出すことができたと思っています。

冒頭の話に戻りますが、高齢者だって同じです。一口に高齢者と言っても、フルタイムで働きたい人・パートタイムで働きたい人、以前と同じ仕事がしたい人・新しい仕事に挑戦したい人など、いろいろな人がいます。「からだ測定」は、高齢者の皆さんが各自の適性や志向を正しく自己認識し、イキイキと働くための一助になりえるサービスです。当初は高齢者の就労支援を主眼に置いていましたが、最近は企業内のチームビルディングや人事にも役立つという声をいただくなど、新たなニーズも見えてきました。引き続き実証実験を重ねて機能をブラッシュアップし、皆さんのライフステージに合わせた働き方に寄り添うサービスとして事業を育て、何歳になっても自分の意思でチャレンジできる社会の実現に向けて取り組んでいきます。

なぜリクルートはイノベーションを起こし続けることができるのか ~Vol.1 「目の前の人を幸せに」柔軟な働き方が生んだシフト管理サービス「Airシフト」

  1. 第1回
  2. 第2回

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

宇佐川 邦子(うさがわ・くにこ)

株式会社リクルートR&D次世代事業開発室 兼 株式会社リクルートジョブズ ジョブズリサーチセンター長


1992年にリクルートグループ入社後、一貫して求人領域を担当。2014年4月よりリクルートジョブズの調査研究機関であるジョブズリサーチセンターにてセンター長を務める。求人・採用活動、人材育成・定着、従業員満足のメカニズム等、「雇用に関する課題とその解決に向けた新たな取り組み」をテーマに講演・提言を行う。2017年2月よりリクルート 次世代事業開発室にて「からだ測定」の開発も兼務。

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