新たな時代を見つめる表現者&ナビゲーター 別所哲也さんのリクルート考

新たな時代を見つめる表現者&ナビゲーター 別所哲也さんのリクルート考

働き方改革の先に生まれる新たな課題 さまざまな人たちに光を当てる存在であって欲しい

リクルートグループは社会からどう見えているのか。私たちへの期待や要望をありのままに語っていただきました。

リクルートグループ報『かもめ』2019年8月号からの転載記事です

働き方改革に自由な発想とさまざまな幸せのモノサシを提案

今年で担当して13年目になるラジオ番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』で、働き方改革をテーマにした『RECRUIT THE WORK SHIFT』というコーナーでご一緒しています。このコーナーも3年目に突入しました。

そのなかで発信している働き方改革の取り組みには、ITツールを駆使したものや大企業でしかできないものだけでなく、誰もが始められるアイデアが光る取り組みも多く、働き方の選択肢が増えてきたことを実感しています。

僕が20代でハリウッド映画の製作現場に俳優として入って以降、大きな影響を受けたのは、根底にある発想の自由さ。与えられた環境、時間、予算ありきで考えるのではなく、まずゴールを描き、どうすれば実現できるのかを自由に考え始めるというスタンス。

例えば、撮りたい絵のために必要なレンズがなければ創ればよい、というような"発想の跳躍力"は新しいことにチャレンジする時にはとても大切だと感じます。また、映画製作現場では、働き方も各国のスタッフとの協働で進める"究極のグローバルテレワーク"が進んでいます。日本の働き方もまだまだ変化していくでしょう。

昭和生まれの僕から言うと、良い時代になったなと思います。働くということが生業のために働くという以上に、自分らしく働く、無理しない働き方など選択肢がたくさんある状態。皆にとってハッピーな社会を目指す向きのなかで、幸せのモノサシに迷う人も増えるかもしれない。仕事や働くことを応援してきたリクルートが、「幸せのモノサシはひとつではなく、たくさんある」ということを伝えていくことで、ほっとする人がたくさんいるんじゃないかなと思います。

速さより、ともにより遠くへ 皆が幸せになれる選択肢を

僕も娘が生まれてから、働き方や時間の使い方も変化しました。家族と過ごし、子どもの成長に寄り添う時間はかけがえのない喜びです。子どもと過ごしながら、自分の子ども時代の感覚を追体験しています。

また同時に、自分の親世代の目線でも世界を捉えるようになりました。社会を創ってきた親世代の先陣たちが、幸せじゃない社会は嫌だなと。安心して暮らしていける社会であって欲しいと思う。

僕の好きな言葉で"If you go fast, goal one. If you go further, go together. 速く行きたい時はひとりで行け、遠くへ行きたい時は皆で行け"というアフリカの格言があります。より良い方向に、さらに遠くに進むためには、たとえ少し速度を落としたとしても、皆が幸せになる選択とは何かを考えていけたらと思うのです。

グローバル視点とエンゲージがますます大切に

一方で、皆が自己実現を目指すといった時に、社会全体のなかには、とても必要だけれどやりたい人が少ないことを誰がやるのか、どうなるのか、ということが気になっています。ロボットやAIで解決できるでしょうか。皆がお金で買う時代になるのかもしれないし、どうなっていくのか。

そして少子高齢化に伴い、外国人労働者の受け入れなどが開始。海外の先進国では日本より先に移民を受け入れてきた歴史のなかで社会が多層化し、さまざまな課題を抱えています。

日本でも今後、働き方や仕事に対する新たな課題に直面することになると思います。その時、さまざまな働く人を支援してきたリクルートがどう課題解決していくかを見てみたい。もちろん他人事ではなく一緒に考えてみたいと思っています。生きることや働くことは、必ずしもきれいなことだけではない。改革のポジティブな面を下支えしている仕事にも光を与え、またそういう仕事に憧れを抱けるようにしていけるのも、リクルートかもしれない。期待しています。

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

別所哲也(べっしょ・てつや)
俳優

1965年静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1990年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー後、映画・TV・舞台・ラジオ等で幅広く活躍中。近年では、「レ・ミゼラブル」「ナインTHE MUSICAL」「ミス・サイゴン」「ユーリンタウン」などの大作・話題作の舞台に多数主演。2010年、第1回岩谷時子賞奨励賞受賞。99年より、日本発の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル』を主宰。映画祭への取り組みから文化庁長官表彰を受賞。観光庁「VISIT JAPAN大使」、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員、カタールフレンド基金親善大使、横浜市専門委員に就任。渋谷区観光協会会長

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