学生の視点と知恵で地方企業の持ち味を発掘! 1週間の採用課題解決プロジェクトをオンラインで開催 ~前編~

現在、多くの学生たちは新型コロナウイルスの影響も受け、キャンパスライフや社会体験が少ないという状況を抱えています。本来はそこでの経験や出会いなどによって得られる「新しいテーマとの出会い」「自分・社会を知る機会」「リアルな課題に向き合う経験」がなかなかできず、「自分軸」で人生やキャリアを考えることが難しいという課題感があります。 一方で、地方企業においては、人手不足に加え、学生とのリアルでの接点がなかなか持てない、学生にアピールしたいものの何が自社の魅力でどう発信したらいいのかが分からない、といった課題を抱えています。 そうした2者をつなぎ、リクルートの知見を生かして双方の課題を解決すべく開催したのが、新たな公募型採用課題解決プログラム「【1week】地方企業の“持ち味”を発掘! 採用課題解決プロジェクト ~マチリク×HR AGENT COLLEGE×WOW! BASE~」です。

オンラインで行われたイベントの様子

オンラインで行われたイベントの様子

リクルートにとっても新しい取り組みとなったこのイベントは、2022年9月5日(月)から12日(月)にかけての1週間で、全国の学生と、採用に課題を抱える地方企業が参加しました。
参加した学生たちが地方企業の課題に初めて向き合い、どのように“持ち味”を発掘していったのか。最終的にはどんなアイデアが生まれたのか。1週間で大きく視野を広げて成長していった学生たちの様子や、参加企業と企画・運営に携わったリクルートメンバーの声など、前編・後編で詳しくお伝えします。

参加したのは、学生16名×地方企業3社×リクルート内の3組織

採用課題解決プロジェクト

今回のイベントの目的は、学生、地方企業、リクルートの3者によるリアルな課題解決です。これまでリクルートでは、さまざまな地方創生に関する取り組みを行っており、その代表的な活動の一つが、地方の自治体や複数企業と協力して採用から定着まで行う『マチリク』です。2018年の宮城県気仙沼市から始まり、今では全国の多くの地域に広がっています。今回は、こうした『マチリク』の活動を通して関係を築いてきた地方企業の中で、このイベントに興味を持っていただいた3社にご参加いただきました。

  • ① イヨスイ株式会社(愛媛県宇和島市): 魚介類~船舶~水産加工等、水産に関わるさまざまなことを行う企業
  • ② 株式会社気仙沼商会(宮城県気仙沼市): エネルギーおよびインフラの支援を行う企業
  • ③ 小豆島ヘルシーランド株式会社(香川県小豆島): オリーブ事業および地域活性化を行う企業
『マチリク』の活動

学生の募集は、さまざまな世の中の課題に対して、垣根なく人が集まり、学生と協働する場作りをしている『WOW! BASE』で行いました。今回参加したのは、全国の幅広い学部・学科の大学生から大学院生まで計16名です。(『WOW! BASE』とは?

リクルート側では、『マチリク』と『WOW! BASE』に加えて、もう一つコラボレーションしたのが『HR AGENT COLLEGE』です。これは2016年に始まった、事業内のリクルート従業員向けの選択型プログラムで、業務以外での体験から学びを得ることを目的に「キャリア教育」「地方創生」「DX」などさまざまなテーマのプロジェクトや講座が提供されています。この『HR AGENT COLLEGE』の募集に手を挙げた従業員が、学生たちのメンターを担いました。

学生と地方企業に新たな価値提供を目指す、プログラム開発におけるこだわり

今回のプログラムを開発する上でこだわったのは、主に以下の3つです。 1つ目は、机上の空論ではなく、リアルな地方企業の課題や関係者に触れる機会を学生が得られること。学生は2〜3名の少人数で1組のチームとなり、業種も課題もさまざまな3社のうち、いずれかの企業を担当します。チームでのリサーチやミーティングだけでなく、企業側の担当者にも参加いただくプログラムのため、直接ヒアリングや質問をぶつけながら企業理解を深めていくことが可能です。企業の「持ち味」や「魅力」を発掘して、当事者の目線で企画を立案し、最終的に企業へのプレゼンを行います。提案内容に関して、企業担当者やさまざまなステークホルダーから多角的なフィードバックを得られるだけでなく、実際に企業の採用コンテンツや採用手法として活用される可能性もあるため、自らのアイデアを形にできるチャンスもあります。

2つ目は、リクルートHR領域のプロフェッショナルのナレッジを学び、学生のキャリア選択の視野を広げられること。プログラムでは、企業理解の前にまず基礎知識として「企業を分析する視点」や「魅力を引き出すヒアリング方法」のレクチャーを行います。また各チームには、HR領域の現場社員がメンターとして伴走します。

3つ目は、地方の雇用課題解決に向けた新たな糸口を作ること。日本の地方には、たくさんの優良企業がありますが、その多くが「地方」のハンデを抱えて、人手不足に悩まされています。実際は地方ならではの魅力もありますが、地方企業がそれらを客観的に捉えることは難しく、自社の魅力をうまく表現できていないという状況もあります。そうした課題解決の糸口となるよう、学生の視点と知恵で地方企業の魅力を発掘し、発信していく方法までを考える今回のイベント。良いアイデアは実際に活用していただくことで、地方企業の採用課題解決に寄与していくことを目指しています。また、地方のために何かをしたいと考えている学生と地方企業をつなぐこの取り組みが成功すれば、今後はサステナブルな施策として確立させ、世の中に新たな価値を提供できると考えました。

チームで難易度の高い採用課題解決に挑む、8日間のプログラム

8日間のプログラム
  • 1日目 : チームビルディング・研修・インプット
  • 2〜3日目 : 業界理解・企業分析・ターゲット分析
  • 4日目 : 企業ヒアリング
  • 5〜7日目 : 発表準備
  • 8日目 : 最終発表・振り返り
8日間のプログラム

今回のプログラムは、8日間かけてオンラインで行うプロジェクトになっています。 初日は、学生とリクルートメンバーが参加し、地方企業の現状や課題の共有とともに、企業の課題解決に向けて必要となる基礎研修を行い、2〜3日目には各チームで企業ヒアリングに向けての準備を進めました。学生はチャットツールを活用してメンターにも自由に相談をすることができ、活発なやりとりが行われました。

4日目は各企業へのヒアリング。企業からは経営者や人事担当者、現場メンバーなど、さまざまな方が参加してくださり、企業の魅力や情報を多角的に捉えることができました。

そのヒアリングを元に、5日目からは最終発表のための資料作り。企業の現状・課題の分析から採用ターゲットの設定、魅力の言語化、採用コンセプト、具体的な打ち手まで、各チームともに悩みながらも、3日間かけてじっくり資料をまとめました。

そして8日目はいよいよ、各企業の方々を迎えての全チームの最終発表。丁寧なフィードバックが行われ、学生目線での企業の魅力の捉え方や情報発信の仕方には感嘆の声も上がり、各チームともに非常に高いレベルでの発表となりました。最後に学生とリクルートメンバーによってどんな学びや経験を得たのか棚卸しが行われ、その後も互いに感想や賞賛などのメッセージのやりとりが続き、余韻を残しつつ無事終了。参加学生は、テーマに共感した志を持つ多様なメンバーと共創する経験を通して、自分を知る・社会を知る機会を得ることができました。

後編の記事では、このイベントの様子を写真や資料なども交えて、より具体的にレポートしていきます。ぜひ成長していく学生の様子や、企業も驚いた学生のアイデアや提案内容などもご覧ください!

『WOW! BASE』とは?

世の中のリアルなテーマを題材に、学生・ご協力いただく皆さま・リクルート社員がチームとなり、課題解決に向けた提案をするプロジェクトを提供しています。現在は、1day・1weekの短期イベントから、2weeks・1monthの中長期実践型プログラムまで幅広く展開しています。

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