
「琉球ぼうず 青梅店」店長の笹田 幸正さん
人件費や原材料費の高騰が進む飲食業界では、これまでと同じクオリティーの料理や接客サービスを提供し続けることが難しくなっています。そんななか、今回ご紹介する飲食店「琉球ぼうず」では、「Air ビジネスツールズ 」を導入することで、業務負荷軽減や原価コントロールを実現すると同時に、フードロスの防止にもつなげています。さらに浮いた時間を活用して顧客満足度向上につながる施策も積極的に実施。理想に近い店舗経営を実現した事例をご紹介します。
「Air ビジネスツールズ」の開発背景と飲食業界の実態
「Air ビジネスツールズ」の歴史が始まったのは2013年。メディア事業を通じて多くの事業者と接点を持っているリクルートは、中小事業者が抱えている課題を把握していました。レジ締めや売上集計・分析、予約管理など、業務上不可欠だがアナログな作業に、手間・時間・コストの大きな負担がかかっていたのです。そうした負担をテクノロジーの力で少しでも軽くすることで、事業を営むみなさまが、本来やりたかったことや思い描いていたことを実現できる世界をつくりたい。そのような想いから「Air ビジネスツールズ」が誕生しました。
その後、飲食業界は新型コロナウイルスにより大きな打撃を受け、現在も人件費や原材料費、家賃、物流費の高騰に加えて、人手不足もあり、飲食店はさまざまな悩みを抱えています。そうした悩みに対して、リクルートの飲食領域では営業担当が経営者のパートナーとして寄り添い、それぞれが抱える課題解決の提案や経営支援を行っています。
今回ご紹介する「琉球ぼうず」は、沖縄料理を軸に居酒屋メニューも豊富で、家族連れや会社員の方々を中心に高い人気を得ているお店です。しかし、経営観点では人件費や原材料費の高騰にどう対応していくべきか悩んでおり、リクルート 『ホットペッパーグルメ 』の担当営業に相談がありました。
当事者視点と客観視点で課題を分析し、導入メリットを提案
人件費の高騰は「琉球ぼうず」にとっても大きな問題でした。東京都は最低時給が1,000円を超え(※)、以前であればベテランスタッフに支払っていた時給を新人スタッフにも支払う必要があります。高騰した時給の分、人材の質が高くなるかというと必ずしもそういうわけではありません。特にこのお店がずっと大事にしてきたのは、おすすめメニューの提案や記念日のサプライズ、季節ごとのイベントなど、スタッフによる“おもてなし”です。今までと同じ人数で運営するのが難しくなってきた状況で、いかに少数精鋭で従来と同じクオリティーのサービスを実現していくかが非常に重要でした。
(※)2024年6月28日時点
そこで相談を受けた担当営業が行ったのが、より詳細な実態把握です。現地訪問を重ね、集客データなどを駆使して多角的に状況を分析。人件費高騰という漠然とした捉え方ではなく、どの時間帯や曜日が高騰しているのか、例えば、平日夜の見込み集客がどれくらいあるのか分からないために人件費を多くかけてしまっているのではないか、など深くまで入り込んで会話をしました。そして、人件費に関わる状況や課題を分析することで、「Air ビジネスツールズ」の導入によって得られるメリットを明確化。飲食店向けオーダーシステム『Airレジ オーダー』の活用でスタッフの配置を減らせること、1日90分の時間が創出でき、その分、顧客接点回数を増やして顧客満足度向上や客単価アップにつながる接客の「質」を高められることなどを提案しました。
「店舗の課題を確認する際のコミュニケーションにおいて大切なことは、当事者である店舗側と同じ視点を持って寄り添うだけでなく、客観的な視点を持つこと。店舗が今置かれている状況を客観的に把握して言語化し、立てた仮説を基に顧客自身にも見えていない顕在的な課題を明らかにするのは、私たちリクルートの営業ならではの介在価値のひとつだと考えています。オペレーションが効率的になるだけでなく、どれだけお店の売り上げや利益に直結するのか、顧客満足度につながるのか、さまざまなメリットを生み出してこそ、導入する意義がある。表層的ではない、本質的な経営者側の意欲を醸成することも営業としての重要な役割です」と、担当営業の大西紘二朗は語っています。
担当営業からの提案を受けた後、「琉球ぼうず」では、POSレジアプリ『Airレジ』、『Airレジ オーダー』の導入を決定。「Air ビジネスツールズ」の使い勝手の良さを実感したこともあり、ツールを1社に統一することでさらに便利になると感じ、その後も、お店の経営アシスタント『Airメイト』、予約管理・台帳アプリ『レストランボード』を続けて導入しています。

具体的なサービスの活用方法と成果
実際に「Air ビジネスツールズ」の導入によってどのような成果が生まれたのでしょうか。
導入前、「琉球ぼうず」では手書きの伝票でオーダーを取っていましたが、お客様が席からいつでもスマホで注文できる「モバイルオーダー 店内版 」を活用したところ、スタッフの業務負荷が軽減し、シフト人数を適正化することができました。さらに、スタッフが本来の業務に集中できるようになり、料理やドリンクの提供スピードがアップ。お店のスタッフに声をかけて呼ばなくてもお客様のペースで注文できるため、結果としてオーダー数も増えました。また、「おすすめ表示」の機能により、忙しくて接客が十分にできない時間帯でも一定基準でおすすめを行ってくれるため、注文数のコントロールがしやすくなり、売り方にも工夫ができるようになっています。例えば、お店が特に提供したい料理を積極的に売れるようになったほか、在庫が余ってしまいそうな食材を使った料理を積極的におすすめすることでフードロスにもつながるというメリットも生まれています。
『Airメイト』は、『Airレジ』や『Airレジ オーダー』といった「Air ビジネスツールズ」の他のサービスと連携すると、データを自動で集計して分析まで行ってくれる経営サポートサービス。「琉球ぼうず」では、これまで紙伝票を使っていたために集計に時間と手間がかかり、その分析までにはなかなか手が回らず、何となくの肌感覚で課題を捉えていました。『Airメイト』導入後は、注文数構成比や売上構成比などが一目で分かるABC分析を活用することで、どの商品がお客様から支持されているのか、店舗ごとの傾向が分析できるようになったため、4店舗ある「琉球ぼうず」でメニュー構成を変えてサービスを提供しています。

売上やコストを自動集計。日報・月次レポート・分析も簡単にできる『Airメイト』
業務効率化で創出した時間で、顧客満足度向上につながる施策を実施
「琉球ぼうず」では、業務効率化・コストコントロールだけでなく、より顧客満足度の向上につながるサービスの提供に注力できるようになったといいます。例えば、ふたつのサイコロの目によってドリンクが1杯無料や同額で2倍の量になる「チンチロリンハイボール」のサービスを実施。スタッフがお客様のもとに行くことで関係性を深める仕掛けですが、これができるようになったのも、「モバイルオーダー 店内版」 で業務負担を軽減できたからこそ。
さらに『Airレジ オーダー』の機能を駆使して、店舗独自の使いやすさも追求しており、例えば提供準備ができた時に鳴る音をドリンクと料理とで変えることにより業務分担がスムーズになり、出し遅れや出し忘れがなくなったといった効果も生まれています。
そして、「琉球ぼうず」で今後さらに期待しているのが『Airレジ』と連携し、予約から会計までワンストップでできる「スマート支払い 」です。
「『スマート支払い』をご利用されたお客様は、場のいい雰囲気を保ったまま退店され、お店としてもいい印象を与えることができました。現在はまだ月に数件だけですが(※)、今後、さらに利用者が増えていくと、その分、会計時間がより削減され、お見送り時に新たな取り組みができるようになるので、ファンづくりの武器になると考えています。その意味で、これからも地域で長く愛されるお店をつくるため、『Air ビジネスツールズ』は必須のサービスです」と「琉球ぼうず 青梅店」店長の笹田 幸正さんは語っています。

人材不足や経費の高騰など、多くの飲食店が同じような悩みを抱えています。今回の「琉球ぼうず」の取り組みは、コミュニケーションを丁寧に行い、「Air ビジネスツールズ」の導入メリットを実感していただいた上で進めたことで、経営者側の意欲醸成や、飲食店の課題や悩みに直結した改善を実現できました。
今後もリクルートの飲食領域では、このような取り組みを広めながら、飲食業界の不の解消や利益創出、生産性向上の実現を目指していきます。そして、飲食店を営む皆さまが思い描く「事業運営や自分らしいお店づくり」を応援してまいります。
(※)2024年6月28日時点