『SUUMO』、『スタディサプリ』、『ホットペッパービューティー』のリアルな社会課題解決に学生が挑む!企画立案コンテストを開催 

学生と社会人が垣根を越えて、さまざまな課題に向き合う場づくりを提供するプロジェクトである「WOW! BASE」。「人生と、社会課題が、出会う場所。」というコンセプトで、学生がリアルな社会課題に向き合い、現場や生の声に触れながら解決に挑むことで、社会を知り、新たな出会いを得る体験を提供します。これにより、学生が自分自身の強みを発見し、キャリアに能動的に向き合う機会となることも狙いとしています。

今回は、『SUUMO』の住宅確保要配慮者への理解促進と不動産業界における取り組み活性化を目的とした『百人百通りの住まい探し 100mo!』プロジェクト(以下『SUUMO(100mo!)』)、高校生に進学情報を提供し自分に向いていることを発見できるようサポートする『スタディサプリ進路』、『ホットペッパービューティー』の美容に関する調査・研究機関である『ホットペッパービューティーアカデミー』において実際に向き合っている社会課題をテーマに、若者ならではの視点で課題解決策を提案する約3週間のプログラムを開催しましたので、その様子をご紹介します。

『SUUMO(100mo!)』、『スタディサプリ進路』、『ホットペッパービューティーアカデミー』の各事業が解決を目指す社会課題とは

「住まい探し<SUUMO(100mo!)>」「進路選択<スタディサプリ進路>」「美容に関する調査研究機関<ホットペッパービューティーアカデミー>」という3領域の社会課題に学生が本気で取り組む今回のプログラム。リクルート社員の伴走の下、企画・開発の考え方を学びながら、リアルな事業の現状・業界課題を共有し、実践さながらの企画フィードバックが行われることも特徴となっています。アイデア立案だけで終わらない学びや成長の機会を提供することも狙いとしているため、「課題解決・企画立案に興味がある」「何か新しいことにチャレンジしてみたい」そんな意欲を持つ約60名の学生が参加しました。

初日はチームビルディングを行った後、リクルートがこれまで取り組んできた機会格差解消や社会生産性向上、災害支援などの事例を紹介。価値創造プロセスにおいて、「何の課題をどう解決するのか」「それは誰にとってなぜ嬉しいのか」「その輪が広がると、社会がどのように変わるのか」の視点を伝えました。その後、『SUUMO(100mo!)』『スタディサプリ進路』『ホットペッパービューティーアカデミー』の各担当者より、事業の現状や現在進行形で向き合っている社会課題についてのインプットが行われました。

今回のイベントで学生が取り組んだ各事業領域の社会課題テーマは以下となります。

『SUUMO(100mo!)』

もし大きな地震災害が起きたら、『SUUMO』はどのような支援ができるのか?

『SUUMO』の賃貸領域では、住宅確保要配慮者の方々や、住まい探しに困難さを感じている方々にも豊かな住まいを見つけ出すことができるよう、われわれにできることを検討しています。今回は、地震大国である日本での自然災害発生後の住まいに対する社会課題がテーマ。住宅の全壊や半壊などの被害が発生したときの行政手続きを含め、どのような対応が求められるのか、そして仮住居を探す手続き方法はどうしたらいいのか、災害時における住まいの課題は非常に大きいものです。そこで、自然災害発生後に「『SUUMO』だからこそできる支援・取り組むべき支援」について考えます。

『スタディサプリ進路』

高校生が「本当に自分がワクワクすること」を理解した上で進路選択ができるために、『スタディサプリ進路』ができることとは?

「進路先の授業に興味があった」「将来就きたい仕事と関連していた」など、自分の内側からの動機を基に進路選択した高校生はその後の満足度が高いという調査データがあります。そこで、「本当に自分がワクワクすること」を発見した上で、未来に向けた卒業後の一歩を踏み出せるよう、高校生向けの「50分間の進路選択の授業」を考えます。

『ホットペッパービューティーアカデミー』

美容室における人材の定着や事業継続に関する課題に対して、『ホットペッパービューティーアカデミー』ができることは?

美容業界では、美容室数の飽和や人材不足が社会課題となっています。経営に関する学びの機会の少なさやキャリア支援の不足により、倒産や離職につながるケースも少なくありません。こうした背景の下、『ホットペッパービューティーアカデミー』ではこれまで経営者向けのノウハウや情報発信を強化してきた一方、若手経営者・若手美容師への支援拡充が課題となっています。そこで今回は、若手が魅力を感じる新しいコンテンツのアイデアや若手経営者向けのリーチ方法を考えていきます。

こうした各領域の社会課題テーマに対し、2日目以降は、ひとつの事業領域に4チームずつ、合計12チームに分かれ、約3週間かけてオンラインミーティングを行いながら、最終日のプレゼンテーションに向けてグループワークを進めていきました。合間にはリクルート社員によるメンターとの「壁打ち」ミーティングや中間発表も実施し、検討を進めている企画内容についてのフィードバックを受け、さらにブラッシュアップを重ねていきました。

プログラムスケジュール。DAY1は対面にて初日研修(チームビルティング、企画立案インプット、グループワーク)。DAY2~7はオンラインにてグループ。DAY8はオンラインにて中間発表。DAY9~18はオンラインにてグループワーク。DAY19は対面にて最終発表と振り返りをおこないました。

3週間かけてじっくり磨き上げた渾身の企画を発表。学生ならではの目線で考えた社会課題解決の糸口

最終日は、再びリクルートオフィスに全員が集まり、いよいよ最終発表です。ただのビジネスコンテストではなく、「社会課題の解決」​を軸に置き、​企画を実現した先にどんな人が笑顔になるのか、​どんな業界/世界の変化があるのかを、学生ならではの視点で考えられた各班の企画が発表されました。発表が終わった後は、個々の振り返りワークと審査員による講評が行われ、事業領域ごとのグランプリが選ばれました。ここでは、グランプリを受賞した企画を抜粋して紹介します。

『SUUMO(100mo!)』
SUUMO READY
災害を「損失」から「機会」へ変える、事前対策型インフラ構想

プレゼン時に投影された資料の一部

首都直下地震が起こると多数の災害弱者が発生すると推測されるなか、もしもの事態に今から備える必要性を伝え、事後対処から事前対策をコンセプトにした「SUUMO READY」という防災×不動産×キャリア支援の複合型サービスを提案。災害後の首都圏在留組と地方移住組を想定し、それぞれに合わせたサービスを提供します。平時から月額保険に加入することで、首都圏残留組には災害時の住居優先確保権を、地方移住組には移住支援を受ける権利やキャリア支援を提供し、不動産オーナーに対しては災害に備えた対策を行うことで、災害時でも事業継続を可能とする仕組みになっています。

『スタディサプリ進路』
プロジェクト「炎(ほむら)」〜火種を灯し、炎にする〜

プレゼン時に投影された資料の一部

夏休みに入る前の高校1年生を対象に、生徒自身も気づいていない潜在的な興味(火種)に気づかせ、主体的に行動(炎)に移させるプログラムを提案。まずは自分の興味に気づく「きっかけ」をつくる事前ワークを用意し、夏休み期間中に生徒と教員が共に実施します。夏休み明けの授業ではまず、身近な存在である教員の事前ワークで「先生は何にワクワクしているのか」「そのワクワクはどんな価値観や経験によるものか」など、客観的にワクワクの火種を探ります。そして、それをヒントに自分に置き換え、次は生徒自身が自分の火種を見つけていきます。その後も進路について考えるモチベーションが継続できるよう、『スタディサプリ進路』を活用しながら目標設定や保護者との対話を事後課題として実施します。これらの火種(興味)が実際に炎(行動)となった時、カスタマー・社会や業界・リクルートのそれぞれに与えるインパクトの設定も興味深い内容でした。

『ホットペッパービューティーアカデミー』
『ホットペッパービューティーアカデミー』を受動的な経営者に自然に届け、 行動につながる学びの場へ

プレゼン時に投影された資料の一部

若手経営者の多くは情報収集スタイルが受動的であり、気軽に相談できる相手がいないのでは?という仮説を基に、『ホットペッパービューティーアカデミー』を通じて若手経営者に必要情報を自然に届けて、行動につながる学びの場へと変えることを目指すプロジェクトを提案。具体的には、プロモーション施策として、信頼できる情報源としての機能やデザインを強化する「SNSの運用改善」、コンテンツ改善施策として、美容関連トータルサポートAI「BEAUTY AI」の開発、学ぶことで『ホットペッパービューティー』のポイントが貯まるシステム「ポイ活学習」の3つです。若手経営者にとっては、休憩などの隙間時間で気軽にアカデミーの動画が見られ、必死に探さなくても自分に合った情報が受動的に提供され、仕事の悩みを相談・解消できる場が得られます。

本質的な課題解決の思考プロセスを身につけられた!学生がプログラムで得た学びや気づき

発表前には緊張している様子も見られた学生たちも、3週間かけて考え抜いた企画をプレゼンテーションし、参加者からの質疑応答を受けて終了すると、そこにはやりきった満足感が表情に表れていました。参加した学生は具体的にどのような学びや気づきがあったのでしょうか。学生たちが記入したアンケートのなかからいくつかご紹介します。

  • 実際に社会課題解決を目指して取り組んでいるテーマに向き合ったので、単なるビジネスコンテストと違い、企画のその先にいる人をイメージしての提案経験ができました。
  • 根本課題を見極める重要性と、多角的な視点で問題を捉える大切さを実感できました。チームでの議論を通じて、表面的な解決策ではなく本質的な課題解決の思考プロセスを身につけることができ、今後の業務にも活かしたいと思います。
  • 事業創造の理想と現実の厳しさを、短期間で凝縮して体験できた。特に、社員の方々からの本質的で愛のあるフィードバックを通じて、自分の思考の癖や、チームで価値を生み出すことの難しさと面白さを痛感しました。最高の学びの機会でした。
  • レベルの高いメンバーと協力し、互いの強みを生かし合いながら質の高いワークを行うことができました。メンバーの能力の高さに刺激を受けるとともに、自身の足りない部分や強みを再認識することができる有意義な3週間でした。
  • 最高の仲間と出会えたこと。それぞれ違うバックグラウンドを持った仲間と、プログラム期間をかけ抜けたこと、熱中することができて、学生生活で心に残る思い出になりました。

アンケート結果でも、高い満足度を示した本プログラム。プレゼンテーションされた企画は、各事業領域で継続的に検討が行われ、業界の課題解決の一助となる可能性を含んでいます。

今後もリクルートでは、社内外の枠を越えたさまざまな課題に向き合う場づくりをしながら、社会課題の解決に取り組んでまいります。

参加者の集合写真

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