誰もが安心して過ごせるサロンであるために。障がいがある方の「サロンの壁」をなくすヒントを連載にて公開

リクルートの美容に関する調査研究機関『ホットペッパービューティーアカデミー』は、美容サロンのマネジメントやマーケティングを学ぶ「経営セミナー」、 美容センサスなどの消費者の美容サロン利用に関する「調査研究」、訪問美容や採用・定着支援などの業界課題や社会課題の解決に取り組む「サステナビリティ活動」を柱に、美容業界の成長に寄与する場の提供を目指しています。

その取り組みのひとつとして、2025年9月より「障がいがあるお客さまへの接客」の情報発信を開始。連載記事「美容サロンにおける障がいがあるお客さまとの向き合い方」を公開し、誰もが心地よく利用できるサロンづくりを目標に、障がいがある方の「サロンの壁」をなくすヒントを紹介しています。

障がいがある方が美容サロンで感じている「不便」や「不安」。大切なのは一人ひとりのお客さまとの対話

近年、障がいがある方の人口は増加傾向にあり、厚生労働省の調査では人口の約9.3%に相当する1164.6万人と発表されています。(令和4年/2022年度 厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」)一方、障がいがある方が美容サロンで「不便」や「不安」を感じているケースもあります。

2025年11月に発表した「ヘアサロン(美容室・理容室)における障がいがある方の利用実態調査」では、ヘアサロン利用時に困ったこととして、「長時間同じ姿勢でいるのがつらい」(28.7%)、「予約が取りづらい」(25.3%)、「コミュニケーションがうまく取れなかった」(24.0%)が上位に挙がりました。また、肢体不自由がある方のみ(n=108)を抽出すると、「バリアフリーでない」が35.2%と全体平均と比較して高い傾向が見られ、知的サポートが必要な方(n=27)では「価格やメニューが分かりにくい」の声も比較的高くなっています。

ヘアサロンを利用した際に困ったこと。長時間同じ姿勢でいるのがつらい(28.7%)、予約が取りづらい(25.3%)、コミュニケーションがうまく取れなかった(24.0%)、施術中にトイレへ行きづらく不安になる(17.2%)、バリアフリーでない(14.5%)、スタッフが配慮の仕方を理解していない(12.9%)、価格やメニューがわかりにくい(12.0%)、カウンセリングが一方的で、要望を伝えづらい(9.3%)、施術中に体温調整が難しく、寒さや暑さに困った(9.3%)、その他(21.7%)。n数442/複数回答

このように、障がいのある方が美容サロンで感じる障壁はさまざまで、一人ひとりに違いがあります。だからこそ目の前にいる一人ひとりのお客さまとの対話を通じてその障壁を取り除いていくことが求められています。

障がいは一人ひとりグラデーション。「何か特別な対応をしなければ」と構えず、目の前の一人ひとりのお客さまと向き合うこと

障がいがある方の「サロンの利用しづらさ」をなくし、「心から安心して過ごせるサロン」であるために、美容サロンでは何ができるでしょうか。『ホットペッパービューティーアカデミー』の「障がいがあるお客さまとの向き合い方」の連載では、株式会社ミライロの監修のもと、法律や障がいの基礎知識から、設備やコミュニケーションの工夫など、誰もが美容を楽しめるサロンづくりのヒントを紹介しています。

連載にあたり、『ホットペッパービューティーアカデミー』研究員の田中公子は、「『障がいがあるお客さま』と聞くと、美容サロン側はつい『何か特別な対応をしなければ』と構えてしまうかもしれません。でも大切なのは、目の前のお客さま一人ひとりと丁寧に向き合うことです」と語ります。「記事内で『障がいは一人ひとりグラデーション』という言葉があるのですが、この言葉に対して『本当にその通りだと思いました』というお声をたくさんいただきました。必要なサポートは、お客さま一人ひとりによって異なります。まずはご本人に希望を聞きながら、自分のお店で、負担が重すぎない範囲で、柔軟に考えてみること。その想いこそが、最高の『おもてなし』につながるはずです。」

鏡の前で携帯電話を見ながら話しをしているサロンのお客さまとサロンの従業員

今回の連載ではリクルートグループで働く障がいがあるスタッフからも、当事者の視点で多くの反響が寄せられましたので、その一部をご紹介します。

「記事の中の『高価な設備や特別なスキルは必要ありません。ちょっとした言葉や行動に、思いやりが宿っています。』という部分にとても共感しました。障がいを抱える私たちに必要な配慮は大がかりなことではないと思います。思いやりを感じる言動や具体的な数値を示してもらえることで、安心して美容室で過ごすことができると思いました。」


「障がい者である私自身も、ほかの障がい者への対応に自信があるわけでは決してありません。障がいのことがよく分かっていない、どんな配慮をすると相手が嬉しいのか分からない。分からない・知らないということが、何か失敗してしまうのではないかという想像につながっている。きっとサロンの方も同じ、いやそれ以上に不安なのではないかと思いました。 この連載では、『知っていること』よりも『知ろうとすること』が大切であることを伝えてくださっていて、そのことがきっとサロンの方の背中を押してくれると感じます。」

誰もが心地よいサロンを実現するためのヒントを11回の連載で公開中

最後に、『ホットペッパービューティーアカデミー』の「障がいがあるお客さまとの向き合い方」の11回の連載をご紹介します。

「美容サロンにおける障がいがあるお客さまとの向き合い方」の連載はナレッジ編~特別編が完結。今後は全国のサロンの知恵と工夫が詰まった事例編を掲載予定です。

『ホットペッパービューティーアカデミー』ではこれからも、美容業界のさらなる発展に向けたナレッジを発信してまいります。一つひとつの知見がサロンの力となり、業界全体のサービスレベルが向上することで、誰もが自分らしく美容を楽しめる社会へつなげていく。私たちはこの循環を通じて、美容に関わる全ての方々の豊かな生活に寄与できるよう努めてまいります。

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