学生のアイデアでニセコの人手不足を解決! 地域ブランディングプロジェクト~学生×地域自治体×リクルート~

リクルートが主催する 『WOW! BASE』は、学生と社会人が垣根を越えて出会うプロジェクト。若者と事業の「共創」をテーマに、通年で多様な社会課題と向き合う場作りを行っています。今回は、自治体や複数企業と協力して採用から定着まで行う 『マチリク』と『WOW! BASE』が連携し、北海道ニセコ町の人手不足の課題解決を目指して、学生のアイデアで地域ブランディング提案を行うプログラムを開催しました。

目次

全国各地の学生たちがリモートで参加! ニセコの人手不足解決に挑む8日間

世界最高レベルの雪質といわれ、人気のスキー場を有する観光地で知られる北海道ニセコ町。外国人観光客にも非常に人気の高いエリアですが、その一方で慢性的な人手不足が課題となっています。人口が限られている地域における採用活動は、各企業の努力に加えて、地域全体での課題設定と中長期を見据えることが重要になります。そこで今回は、ニセコ町の自治体や事業者にもご参加いただき、自治体を巻き込んだ地域ぐるみの提案が行われました。

参加したのは、全国各地の高校生から大学院生までの49名。「地方創生に興味があった」「移住・雇用課題に興味があった」と、地域課題へ高い意識を持って参加した学生が多く、また、「キャリアを考える上でそれにひもづきそうな経験ができそうだと感じた」「プログラムを通して、自分の強み・課題を模索したかった」など、自治体や社会人との共創を通じて新しい自分を発見したいという学生も多数しました。

学生4~7名が1組となった計9チームに、リクルートの「HR AGENT COLLEGE」(業務以外での体験から学びを得ることを目的としたリクルート従業員向けの選択型プログラム)から参加した有志メンバーがそれぞれメンターとして伴走。壁打ちやフィードバックを受けながら8日という期間の中で領域・課題解決に向けてじっくりと検討されました。

例を挙げると、メンターから「今回のテーマである『ニューノーマルな働き方』の定義はどう考える?」という問いかけを受け、課題を正しく捉えようと、学生たちから地域の方へ質問が殺到。現状理解が深まることで課題設定がより明確になったり、「結局誰が一番嬉しいの? 誰の価値作る? 都合の良いペルソナになってない?」という、メンターからの掘り下げられた指摘に対して議論を深めることにより、机上の空論ではなく学生たち自身が社会課題を解決しようとする気概が見られました。

また、実際に行われたリクルートと他の行政との取り組み例を共有しながら、行政が重視する視点や地域課題解決につながるプランになっているかなど、より実現性の高い企画内容へと落とし込めるようメンターがアドバイス。学生たちは、次第に外から課題解決する視点から地域の中に入って課題に挑戦する視点に変わっていきました。
プログラムの中盤には、メンター自身も学生へ的確なアシストができるよう、お互いの悩みやナレッジを共有する相談会を実施しました。

リクルートの「HR AGENT COLLEGE」

優秀起案賞の企画は2024年夏の実現に向けて協働スタート! 受賞した地域ブランディング提案の内容とは?

プログラム最終日には、各チームが練り上げたそれぞれの企画を発表。ニセコ町ならではの多様で柔軟な働き方について、多彩で魅力的なプレゼンが行われました。

<各グループの発表内容>

●挑戦の地ニセコでキャリア(未来)を描け 〜新たな働き方を実践しながらコンテンツ化せよ〜

●キャリアを考える実践型ニセコ体験プログラム「ニセプロ」~ホームステイでニセコ町の多業種を体験~

●農業スクール✖️7割稼働宿泊施設による人材流入&育成促進プロジェクト

●ニセコ・インセンティブ 〜起業家育成プログラム(成果報酬型)〜

● NISEKO EXCHANGE 文化と交換で、ニセコを救う。 田舎の国際都市を活かした新たな働き方、ホームステイ

● Niseko ёでニセコへこよう(来よう・雇用)

●ニセコネクト・イノベーションズ

●福祉と観光の町「ニセコ」 日本型北欧を作る!!

● 0円旅行!! 〜お金を気にせず楽しむ、セット旅行プラン〜

中でも今回、優秀起案賞を受賞したのは「ニセコネクト・イノベーションズ」。

ニセコを持続可能な町にするためには地域の事業主が快適に働けることが理想の状態とおき、ニセコの課題解決を本気で考えたい学生を集めて地元の企業で働いてもらうという企画です。参加者には、おためし移住プログラムとして住居も提供。夏休みや春休みを利用して3週間働きながら、ニセコ町に対する見聞を深め、自身の経験からヒントを得たリアルな課題解決策をみんなで考えます。

優秀起案賞を受賞したチームのプレゼンの様子

優秀起案賞を受賞したチームのプレゼンの様子

優秀起案賞の選出ポイントは、「ニセコ町の持続可能な町づくりをしていこうという点、“住民自治”という考え方、ルーツ・アイデンティティに一番深くアプローチしていただいたこと」(ニセコ町役場の方のコメントより)。今回の評価にあたっては実現性も重視しており、実際に優秀起案賞を受賞した企画を少しアレンジし、「地域おこし協力隊インターンシップ」という形で2024年8月ごろの実現を目指して動き出しています。最終プレゼンの中で受賞チームのメンバーが「初期プログラムのモニターとして、私たちが参加いたします!」と熱く語ってくれたため、早くも2024年3月には優秀起案賞受賞チームの有志がニセコ町を訪れ、役場内でプレゼンをし、企画検討を実施する計画です。

事例創出の兆しが見えた満足度の高いイベントに! 今後も学生・地域と連携し地方創生の新しいカタチで課題解決へ

今回のプログラムにはどのような学びや刺激があったのでしょうか。参加した学生の満足度は高く、以下のようなコメントが上がっています。

<学生の振り返りコメント>

・自分の中での強みや弱みを感じさせられる手応えある1週間だった

・メンターさんとの壁打ちでは、自分の感じていたことをどう言語化するか、実践的に学ぶことができた

・オンライン上でのやりとりの方法、SNSツール、など時代に即したコミュニケーションが学べるいい機会に

・地域関係者様のお話やグループメンバーとの何げない会話は、自分を見つめ直すとても良い機会になりました

・自分のやりたいことに向けて活動する時の「自分の活かし方」を考えられました

また、自治体からは「最終発表時に『プロモーションの製作、各大学での宣伝など何でもお手伝いします!』などという発言があり、学生の熱意が非常に高く、提案も具体的でレベルが高かった」、地域事業者からも「提案のレベルが高く、今回の経験を今後の地域課題解決のヒントに活かしていきたい」という満足度の高いコメントをいただきました。

今回生まれた若者視点での多彩で柔軟な働き方のアイデアを人手不足対策の一助とすべく、ニセコ町とリクルートで協力しながら連携プログラムを進めていきます。さらに今回のプログラムと並行しながら、ニセコ町のデジタル発信強化のひとつの取り組みとして、学生との協働で ニセコデジタルグルメマップの情報拡充によるニセコ町の魅力発信や、東京ニセコ会の特別会員としてマルシェなどの運営に携わる予定です。

今後もリクルートでは、学生×地域(企業・自治体ぐるみ)×『マチリク』とのタッグで地方創生の取り組みを積極的に行い、日本全国で展開できる、新しい地方創生のカタチでの課題解決を目指してまいります。

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