飲食・ビューティー領域開発ディレクション部 部長
飲食・ビューティー領域開発ディレクション部 部長
データエンジニアリングユニット
データプラットフォーム部
データエンジニアリングユニット
データプラットフォーム部
リクルートは「ビジネスと技術のバランスが絶妙」だと田中は感じてきた。ビジネスサイドが技術を理解しようと歩み寄り、エンジニアもまたビジネス課題を理解するために、積極的にコミュニケーションを取り、学んでいく。田中自身、日常的な会話の中で、技術の観点から発想した課題解決のアイディアを提案し、そこから実際にサービスを生み出す経験をしてきた。リクルートの特色である、ビジネスとエンジニアの距離の近さから生まれるものとは?
リクルートで働く面白さを教えてください。
リクルートのサービスには、それぞれプロデューサーと呼ばれるサービスの責任者がいます。業界課題の解決や、ユーザー体験をよりよくするために何ができるかをいつも考えている存在です。プロデューサーとエンジニアはネットビジネス統括室という同じ組織に所属しており、組織構成としてもビジネスとエンジニアが分かれないようになっています。そして、お互いが日常的に課題を話し合う環境があることが、エンジニアがビジネス価値を発揮しやすい状況を生み出しています。
たとえば不動産サービスのSUUMOではこんなことがありました。賃貸物件の情報ページに騒音や湿気の情報がなく、住んでから残念な思いをしているユーザーがいると。その課題に、技術からの発想で「IoTセンサーを設置することで昼と夜の騒音差や、日当たりによる湿度変化を測定できるのでは」と提案を行いました。するとプロデューサーは、実験に協力してくれるお客様を探し出し、すぐに動き出してくれる。そこから技術検証が始まりました。
現在実際のサービスとして提供されている「SUUMOオーナーレポート」も、プロデューサーとの何気ない会話から生まれたサービスです。賃貸物件のオーナーは、賃料の設定で悩みを抱えていることが多い。不動産業界は未だに紙の情報が多いこともあり、周辺相場や設備状況を比較して適切な賃料を設定することが難しいからです。ですが、エンジニア目線からすれば、データを収集し、分析するプログラムを作れば解決できる課題です。どんな情報があれば有効に活用していただけるか、という検討がはじまり、営業部ではレポート活用セミナーの企画が動き始めたり、エンジニアチームからセミナーにコンテンツを提供したりと、ビジネスとエンジニアが一体となってサービスをつくっていきました。
このようにビジネス視点だけでは解決できない課題であっても、エンジニア視点が入ることで解決の糸口が見つかる場合があるという考え方は、リクルート全体に浸透しています。違う専門性を持った職種が集まって、日常的に「どうやったら解決できるだろう」を考え、共創することで、社会の“不”を解消するいいサービス・プロダクトを生み出せる。そこがリクルートの面白さです。
リクルートのエンジニアに必要とされることはなんですか?
事業としての視点を持ち「三方よし」であることを意識しながら、世の中の役に立つプロダクトをつくること。SUUMOで言えば、広告を掲載する不動産会社、住まいを探すユーザー、プラットフォームを提供するリクルート、三者それぞれにとってメリットのあるものにする。たとえば最先端の技術を使って、サイトのリコメンデーション技術をどこまでも追求していくことはできます。でもサービス全体を考えたときに、果たして何が最善なのかを、ビジネス観点で考えることも必要です。
技術を強みとして持ちながら、ビジネスを一緒に創る立場に立って、究極の「三方よし」を探していく。その結果、サービスを利用する方に、もっといい体験を提供していくことができる。事業の成長に貢献できる。それがリクルートでエンジニアとして働くやりがいです。
ビジネスを理解しようと努力する、そこからの成長もあります。事業の背景を理解するために業界研究本を読んだり、経営や法律に関する勉強をしたり。そうした知識を持ったうえでプロデューサーと話をすると、本では得られない深い知識を教えてもらえるようになります。その学びのステップを繰り返し実行することで、確実に自らの血肉となっていく。ビジネススキルが積み上がっていく。事業と距離が近く、日常的に顔を合わせているからコミュニケーションコストもかからない。技術に期待してくれている環境がそこにある。だから、エンジニアからの提案が事業に活かされていくのです。
どのようにエンジニアをアサインしていますか?
リクルートには多様な事業があります。20年以上続いているサービスもあれば、新しく生まれてくる事業もある。近年はSaaS領域にも足を踏み入れています。エンジニアにとっていいことは1つの事業に縛りつけられないこと。多様な事業領域とステータスがあることで、個々人を今一番成長できる場所に配属できることがリクルートの良さです。
データ推進室は人材、旅行、住宅、結婚などといったリクルートが提供しているサービス全体のデータ戦略を統括して、そこで取り組んでいる技術課題が何かを把握しています。マーケットのニーズがあるところに、やりたいと手を挙げたテック人材を配置する。機会と技術をマッチングさせて、エンジニアのポテンシャルを最大限に活かすということが、基本的な考え方になっています。
たとえば最近だと、BigQueryを活用した社内データ分析用プロダクトの推進責任者を若手のエンジニアに任せています。なぜ任せるかといえば、誰よりも熱い想いを持って取り組んでいるから。もちろん経験が少ないので、大きな交渉事などは上役を巻き込むように決めておくなど、事業としてリスクヘッジはしています。そのように、難しく責任のある仕事であっても、やりたいと手を挙げた人には思い切って任せる。なぜなら、強い想いを持って行動する人が、新しい価値を生み出してきた。それがリクルートだからです。
未来に向けてどのような価値を発揮していきたいですか?
自社でサービスを提供しているリクルートだから、作ってそれで終わりではなく、長く維持していくことがエンジニアとしての重要な責務になります。情報システムは自分のこどものようなものとよく言われます。勝手に育つものではなく、変わりゆくビジネスや進化する技術に合わせて、ずっと手をかけて育てていかなければいけない。世の中をよくするための大事なシステムの面倒を見て、ずっと価値を出し続けられるようにしていくことは、常に新しい課題に対応しなければならないから非常に難しい。でも、だからこそ成長できるし、面白い。そこにエンジニアとしての仕事の価値があると理解しています。
同時に、データサイエンスやデータマネジメントを体系的に学び続けることも軸として持っていきたい。そして、高度な技術や知識をビジネスに結びつけていきたい。これは自分が一貫して追求しているテーマです。
リクルートに来ていただきたいのは、世の中をもっとよくしたいという「想い」を持った人。個人の強い「想い」が、一番大きなパワーになるからです。新しい課題を解決することに面白さを感じてほしいし、国内、ひいては海外でもまだ誰もやっていないような挑戦をして、リクルートのテック組織を成長させていくような人材に来てほしい。多種多様な課題、やりたいことに全力で挑戦できる機会、驚くようなスピードで成長できる環境、そのすべてがリクルートにはあります。
※記載内容は取材当時のものです。
田中 孝昌
Takamasa Tanaka
データエンジニアリングユニット
データプラットフォーム部
データエンジニアリングユニット
データプラットフォーム部
慶應義塾大学卒業後、2008年、大手SIerに入社。Webシステム構築に携わり、ネットワーク、データベース等の基盤技術の基礎を身につける。その後、当時、先端技術であったHadoopを活用したデータ解析環境を日本国内に広げる活動に参画。2015年、筑波大学大学院に進学。データサイエンス領域の学問を産業に活かす研究に取り組み始める。最先端の技術を学びながら、ビジネスに直接貢献できる仕事環境があると感じ、2017年、リクルートに入社。