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若者の就職応援プログラム「ホンキの就職」が第13回フィランソロピー大賞受賞

‘16.03.04 Fri

2016年2月16日、公益社団法人・日本フィランソロピー協会の主催する「第13回企業フィランソロピー大賞」の贈呈式が東京都千代田区の日本プレスセンタービルにて執り行われました。同賞は、自社の社会資源を活用し、社会課題の解決のために貢献した企業を顕彰し、21世紀の企業行動モデルを広く世に示すものとして、2003年に創設されたものです。今回、栄誉ある大賞にリクルートホールディングスの「ホンキの就職」プロジェクトが選ばれました。

自社の経営資源を有効活用した独自性の高い取り組みと評価

企業フィランソロピー大賞を受賞した「ホンキの就職」とは、新卒未内定者、ニート、フリーターなどの「若年未就職者」に対して、リクルートホールディングスが独自に開発した「若者向け就職応援プログラム」です。2011年4月のスタートから4年半で、約1万7000人が参加。受講者の約60%以上が3カ月以内に内定を得ており、そのうち約80%が1年後も継続して就労しています。

選考ポイントは次の5つです。
1)社会性-企業行動の中で、営利目的ではなく社会貢献を優先したか
2)先駆性-固定観念・既成観念にとらわれず、新たな挑戦をしたか
3)波及性-新たなビジネスモデルとして普遍性、拡散力があるか
4)経営との関連-経営理念とのつながり、経営陣の関与があるか
5)従業員の関与度-社員のかかわり、内部への依存があるか

今回、『ホンキの就職』が大賞に選ばれた理由は、就職のスタートラインに立つのも難しい若者の可能性を信じ、自己尊重感を育て伴走するという取り組みの独自性や、その根底にある人間信頼の思いにあるという評価をいただきました。

ニートやフリーターが就職に苦戦する理由を分析

当日は、受賞団体のプレゼンテーションが行われ、ソーシャルエンタープライズ推進室CSR推進部グループマネジャーの須賀智秋が登壇しました。

1962年の創業以来、本業として力を入れてきた就職支援の分野で、何か社会の役に立つことをしたいという思いがこの取り組みの発端にありました。そこで注目したのは「働きたいけれど、なかなか一歩を踏み出せずに苦戦するニートやフリーターと呼ばれる人たちへの支援」でした。本プロジェクトでは、就職活動に苦戦する若者が陥りがちな特徴を3つに分類しました。

1)行動量が少ない-応募が1年に1~2回と極端に少ないケースも存在
2)応募先への固執が強い-たとえば特別な資格がないことを理由に「事務職」を志望するなど。しかし事務職の求人倍率は極端に低く、採用されることは難しいのが実情。
3)面接への苦手意識が強すぎる-自分自信の強みを認識し、表現することが苦手。

こうした特徴の根底にあるのは、自信のなさ、自己効力感の低さです。「ホンキの就職」では、上記の課題を解決することを目標として掲げました。すなわち「定期的に応募活動ができるようになる」「得意なことをベースに幅広い職種から選ぶことができるようになる」「面接で自信を持って話すことができるようになる」の3つです。

仲間同士で励まし合うことが行動につながる

目標を実現するために、2つのプログラムを開発しました。1つは少人数のグループで、お互いに協力しながら就職活動に取り組むことで、結果として、参加者それぞれの自信が回復し、応募が習慣化される「4Daysグループワーク」。もう1つは面接のロールプレイを中心に行う「1Dayセミナー」です。

プロジェクトを進める上で、大事にしていることは3つあります。

1つめは「受講生の可能性を信じること」。「4Daysグループワーク」は受講生同士の議論を中心に進行します。応募活動などの取組結果は全員で共有し、悩みや不安があれば受講生同士で話し合います。実は最初はこうした形ではなく、社員が講師になり就職活動を成功させるためのアドバイスをしていました。ところがこれではまったく受講生は動きませんでした。違う立場の人間のアドバイスよりも、同じ目線の仲間同士で話し合うほうが確実に行動に結びつきます。相手の立場に立つことができる受講生同士が、励まし合う中で、その人が本来持つ強さが引き出されるのだということに、気づきました。

2つめは、「プロセスと結果を可視化すること」。CSRは、ともするとやること自体が目的になってしまいます。「ホンキの就職」では、プログラムを提供するだけではなく、「受講者が就職することができたのか」にこだわっています。過去4年の実施データから、それぞれの対象カテゴリごとに、受講者が仕事を見つけるためのKPIを設定。例えば、長期にわたって離職している方に関しては、プログラム期間中(10日間)に1件応募すると内定獲得率が20%アップすることがわかっているので、参加者の8割がプログラム期間中(10日間)に1件でも求人に応募することが今の目標です。今まで全国72のNPO団体・65の大学と連携し、のべ1万7000人以上が受講しましたが、そのうちおよそ60%が3カ月以内に内定を獲得し、さらにその80%が1年後も継続して就労していることがわかっています。現在も全国で、毎月、20~30のプログラムが実施されています。月1回の会議でその内容と結果について吟味し、よい取り組みを共有するなど、進化させていく努力を続けています。

3つめは「ファシリテーターの質にこだわること」。協働しているNPOの方から、「プログラムの内容はいいと思うけれど、自分たちでの実施が難しい」という声がよくあがります。そこでファシリテーションスキルを3分類、全20項目に分解し、3段階にレベル分けして可視化。一人ひとりのレベルアップに役立ててもらっています。「初対面の方々に対し、短期間で相互の自己開示を促す」という難しい役どころなので、ファシリテーターの質はとても重要です。

今の日本においては、働いていない期間が長いほど、再就職が難しいケースが多いのが現実です。リクルートホールディングスは、「ホンキの就職」を通じて、若者の就職を応援してまいりました。今後も、全ての若者がイキイキと働く社会の実現にむけて、積極的に活動を展開していきたいと考えています。

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