多様な働き方

日本の働き方、3つの進化(2)非正規雇用者の無期転換は進んだのか? 孫亜文

2021年12月23日 転載元:リクルート ワークス研究所

日本の働き方、3つの進化(2)非正規雇用者の無期転換は進んだのか? 孫亜文

前回のコラムでは、2017年に発表された「働き方改革実行計画」で挙げられた課題の一つ「長時間労働」を取り上げ、長時間労働は是正されたのかについてみてきた。
今回のコラムでは、「働き方改革実行計画」に挙げられた別の課題である「正規、非正規の不合理な処遇の差」を取り上げたい。

非正規の処遇改善にかかわる取り組みが進む

「働き方改革実行計画」の「正規、非正規の不合理な処遇の差」の改善に対する取り組みとして、同一企業内における正規雇用者と非正規雇用者の間の不合理な待遇差を禁止する「同一労働同一賃金の原則」の適用を記した「パートタイム・有期雇用労働法」が2020年4月に大企業を対象に施行された(中小企業は2021年4月に施行)。

非正規の処遇改善は、「働き方改革実行計画」が発表される以前から進められてきた。 2013年4月、有期労働契約が通算5年を超えた場合に無期労働契約に転換できるルールなどを示した改正労働契約法が施行された。この改正法の施行によって、非正規であっても無期労働契約に転換することが可能となり、契約期間の定めがない(無期である)ことで、就業の安定性は向上すると考えられた。

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