
食材価格の高騰が続くなか、飲食店では売上を確保しながら利益を維持するための経営判断が、これまで以上に難しさを増しています。2025年12月の消費者物価指数(総務省)は2020年比で13.0%上昇し、仕入れ価格の上昇は多くの店舗経営に影響を及ぼしています。メニュー価格の見直し、原価率の低い食材への切り替え、サービスの省力化・省人化などが必要になる一方で、値上げやサービスの変化による利用者離れへの懸念もあり、慎重な経営判断が求められます。顧客満足度を維持・向上させながら収益を確保するためには、売上や原価などの経営データを正確につかむことが欠かせません。
今回は、お店の状況がひとめでわかる経営サポートサービス『Airメイト』を活用し、データに基づいた原価管理と迅速な意思決定を進めている、大阪府で飲食店を展開する株式会社NFIの取り組みをご紹介します。
「食材価格高騰のなか、新業態で求められた「より細かな原価管理」
大阪府で9つの飲食店を運営する株式会社NFIでは、2020年に『ニューツルマツ』をスタートしました。「“ハレの日を日常に”という当社のビジョンに基づいて、ハレの日の食事である寿司と天ぷらのハイブリッド居酒屋というコンセプトで新たに立ち上げました」と、同社代表の中谷俊文さん。
『ニューツルマツ』では、旬の魚を盛り合わせた看板メニュー「目利きの魚屋箱盛」など、味も見た目も価格以上の満足を提供することを特徴としています。そのため、「お客様に楽しんでいただくために、食材費と人件費にはしっかりと投資してきた」といいます。
一方で、この業態はそれまで運営していた別ブランドとは収益構造が大きく異なっていました。以前の業態では食べ飲み放題形式だったため、売上と実際のオーダーは連動せず、原価についても発注ベースで月間の金額を大まかに把握していれば十分でした。しかし『ニューツルマツ』では、お客様が何をどれくらいオーダーするかが売上や利益に直結。食材にコストをかけている分、利益を確保するには品目単位で緻密な原価管理が不可欠となりました。
また、従来は各店舗で数字を集計して日報を作成し、本部でまとめて分析レポートを作る運用を行っていましたが、この方法では日々の細かな変化を把握しづらく、日次・週次でタイムリーに原価率を確認することが困難で、品目別、時間帯別、店舗別の比較にも手間がかかり、検討から打ち手の実行までに時間を要していました。
売上や原価を可視化し、変化を素早く捉える
こうした課題に対応するため、同社では『Airメイト』を導入しました。既にPOSレジアプリ『Airレジ』、オーダーシステム『Airレジ オーダー』、決済サービス『Airペイ』を導入していたことから、既存システムとの情報連携がしやすかったことも導入の決め手に。
導入後は、売上やコストなどの経営情報が一カ所に集約され、中谷さんをはじめ経営陣やマネージャーが全店舗の状況をいつでも確認できるようになりました。「以前は店舗から届く日報をひとつずつ確認し、自分が知りたい観点があれば手作業で数字を集計していました。今は『Airメイト』に情報が集約されているので、朝起きたらすぐに前日の実績を詳細に確認できます」と、中谷さんは管理・分析のスピードと精度の向上を実感しています。

株式会社NFI 代表 中谷 俊文さん
とくに原価管理では、商品1点ごとの理論原価と実際の発注原価を細かく確認できるようになりました。その結果、特定メニューでの原価率上昇など細かな変化にも気付きやすくなり、データを基に店舗と対話しながら原因を確認し、改善策を実行できるようになったといいます。
また、『Airメイト』に蓄積されるデータは全スタッフが閲覧でき、店舗間で売上比較や商品別の売れ行きがリアルタイムで共有されています。中谷さんは、「『○○店には負けたくない』と店長同士で切磋琢磨する発言も増えました」と話しており、スタッフ一人ひとりがリアルタイムの売上ランキングなどを参考にしながら接客に活かす場面も増えているそうです。
数字の確認に費やしていた時間を、次の打ち手を考える議論に
『Airメイト』によって情報共有が進んだことで、経営会議にも変化が生まれました。従来は会議前に本社スタッフが集計・分析に時間をかけていましたが、現在はその作業が効率化され、より踏み込んだ内容の資料を準備できるようになりました。会議中も数字確認に割く時間が短くなり、その分、戦略推進や課題への対応策を議論する時間に充てられています。
例えば、ある新店舗では他店舗より飲酒率が低いことが蓄積されたデータから判明。現場に立つスタッフの感覚と照らし合わせると、ランチ利用や家族連れのお客様が多いことが要因と考えられ、売上データを参考にしながらお客様のニーズに合わせたメニュー構成へ変更しています。こうした変更も、データを根拠にしながら素早く実行できるようになりました。

現在の物価高騰は経営にとっては深刻な問題です。特に『ニューツルマツ』はコストをかけて品質にこだわってきたからこそ、仕入れ価格が上昇を続けるなかで販売価格とコストをよりシビアに検討していかねばならないといいます。「値上げも致し方ない状況だが、仕入れ価格が上がったからといって、なんとなく販売価格に反映させるようなやり方はしたくない。お店にとってもお客様にとっても納得感のある値上げや値付けをするためのサポートとして『Airメイト』が役立っています」と中谷さんは語ります。
株式会社NFIでは今後、他地域に進出する拡大戦略を掲げており、福岡への出店が確定し、東京への進出も計画中とのこと。大阪で培ったノウハウを各地域に展開しながら、地域ごとの特徴を素早く把握して戦略を磨いていく上でも『Airメイト』に蓄積されるデータやデジタルの力に大きな期待を寄せています。
リクルートでは今後も『Airメイト』をはじめとするサービスを通じて、事業者の業務負担軽減と持続的な経営を支援してまいります。

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