多様な働き方

すべてのパート・アルバイトが、自分らしく働ける職場環境が定着につながる Vol.2 物語コーポレーション後編(パートナー編)

企業事例

2024年04月02日 転載元:リクルート ワークス研究所

すべてのパート・アルバイトが、自分らしく働ける職場環境が定着につながる Vol.2 物語コーポレーション後編(パートナー編)

チェーン展開を加速する外食企業にとって、アルバイト・パート労働者の充足、定着はきわめて重要な課題である。少子化による労働力不足が懸念されるなか、主婦・学生層だけでなくインターナショナル(外国籍)やシニア層の採用にも力を入れる物語コーポレーションは、この課題にどう取り組んでいるのか。パートナー採用・定着強化グループのグループ長を務める川添良介氏に聞いた。

ターゲットの属性を踏まえた採用活動を展開。主婦層は40代後半以降を焦点に

物語コーポレーションの直営店舗数は2023年9月現在415店舗で、そこで働くパートナー(同社のパート・アルバイトの呼び名)は23年6月末で2万6,217人。単純計算で1店舗あたり60名ほどに上るが、その採用戦略はきわめて綿密に組み立てられている。「採用において重要なのは、時給と媒体選択、媒体に掲載する原稿内容、の3要素です。パートナーの採用を行うエリアマネジャーには、新任の時点でこの3要素について時間をかけて講習しています」と川添氏は語る。

時給に関しては、できれば月に一度、最長でも3か月に一度は、業種を問わず店舗周辺の平均時給を調査するようにしている。川添氏は毎月、応募数や採用数、離職数といったデータを個店ごとに仕分けて担当地区のエリアマネジャーに共有しており、「例えば応募数が減っていたら、まず疑うべきは時給です。周囲の平均時給が上がっている可能性が大きい」(川添氏)と調査を指示。平均を下回っていれば、エリアマネジャーの決断のもと時給改定の稟議を上げ、改定する理由をデータと照らし合わせて検討したうえで社内承認が下りる、というフローである。「平均して年に2回は見直しと改定を行っています。他社さんと比べてかなり頻度は多いと思います」と川添氏。「最低賃金で募集をかけるとまず応募が来ない地域が多いので、参照するのはあくまで平均時給。おおむね最低賃金より100円ほど高く、同水準になるよう意識しています」(川添氏)

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