愛知医科大学病院の麻酔科部長を務める野手 英明教授
2024年4月より改正法が施行され、医師の残業時間に上限が設けられました。医師の働き方改革は待ったなしの状態にあるものの、勤務体系が複雑で突発的な業務が発生しやすいため、改革を進める上で懸念の声も上がっており、「医療の2024年問題」とも言われています。
そんな中、愛知医科大学病院の麻酔科ではリクルートの業務・経営支援サービス「Air ビジネスツールズ」のシフト管理サービス『Airシフト』を活用することで、医師の勤務体制の適正化を実現しています。今回は、その事例をご紹介します。
医師の仕事は、救急対応や手術時間の延長などにより、時間外労働がどうしても発生しやすい側面があります。日勤や夜勤、宿直など勤務パターンも複雑で、緊急対応の発生も日常茶飯事。少子高齢化による人手不足も深刻で、適切な勤務間インターバルも取れず、休みなく長時間働き続けなければならないケースも少なくありませんでした。
そこで、愛知医科大学病院の麻酔科部長を務める野手 英明教授は、コロナ禍の医師の過重労働などを受け、「医療従事者がこのままの働き方を続けていては、日本の医療に明るい未来はない」と働き方改革への本格着手を決意。中でも課題感を持っていたシフト作成・管理業務を効率化するため、麻酔科スタッフ約30名のシフト作成・管理に『Airシフト』を導入しました。
クラウドサービスである『Airシフト』は、最新のシフト表をいつでもどこでも誰でも確認することができます。『Airシフト』を新たに活用することで、シフトの調整が柔軟かつタイムリーにできるようになったほか、現場の状況にあわせたスタッフの最適配置を行うことで、時間外労働も抑制できるようになりました。
また、『Airシフト』と連携するアプリ『シフトボード』を活用することで、手元のスマートフォン上で希望シフトや変更依頼、休暇申請が出せるように。これにより、過度な配慮や忖度なく希望を伝えられ、また、管理者だけでなく医師一人ひとりが周囲の勤務状況を理解できるため、シフトの変更が必要なときも、納得感の高い調整がしやすくなりました。実際に、多くの医師があきらめていた子どもの学校行事への参加や、長期休暇の取得を実現しています。
さらに、これまで毎月合計5時間ほどかかっていたシフト作成業務が約1/5に短縮できたことで、野手教授自身の業務効率化も実現。野手教授は「管理業務が効率化できた分、若手医師の指導により多くの時間を割けるようになった」と語っています。
リクルートの業務・経営支援サービス「Air ビジネスツールズ」はこれからも、「商うを、自由に。」というビジョンのもと、『Airシフト』をはじめとするさまざまなツールの活用により、時間、手間、コストの負担など事業者をとり巻く煩わしさを減らし、思い描いた事業運営ができる世界を目指し、取り組んでまいります。