両立支援 夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ

『夫へのイライラ』は爆発寸前!3名のワーママが関係改善に挑む!|Season1 妻編01

『夫へのイライラ』は爆発寸前!3名のワーママが関係改善に挑む!|Season1 妻編01

「お互い働いているのに、私ばっかり家事してない?(泣)」「オレだって、よかれと思って家事してるのに、いちいち文句言わないで!」好きで一緒になったはずのパートナーなのに、イライラは募るばかり。そんなストレスを抱える働くパパとママのための新企画がスタート。匿名座談会で夫婦間のモヤモヤとイライラを包み隠さず吐き出しながら、夫婦間コミュニケーションのプロのアドバイスをもとに、ごきげんな関係へと改善を試みていく30日間のようすをレポートします。

Season1では「夫へのイライラを何とかしたい!」妻側の本音に迫ります。アドバイザーは、NPO法人子育て学協会会長の山本直美先生。幼児教育を通して6000人以上の子どもと向き合いながら、その保護者に対して「ファミリー・ビルディング」の視点からアドバイスをされてきました。

山本先生のアドバイスを受けながら、「こんなはずじゃなかった」とストレスを溜め込んでいる爆発寸前のワーママ3人が、夫婦関係改善のための30日ワークアウトに挑みます。レッツ・ブートキャンプ!

座談会参加者紹介

<座談会参加者紹介>

Aさん(左)
サービス業正社員の企画職。1人目を出産後、10時〜18時の時短勤務と一部リモートワークに。2人目を出産して育休中。夫は昨年退職、今年に入って起業。家事分担比率は妻85%、夫15%。保育園に通う女の子と、0歳の男の子がいる。

Bさん(中央)
小売業正社員で海外事業部バイヤー職。9時45分〜16時35分の時短勤務と一部リモートワーク。夫は正社員で土日休みのフレックス勤務。家事分担比率は妻70%、夫30%。1歳の女の子がいる。

Cさん(右)
ベンチャー企業正社員。9時30分〜16時30分の時短勤務。夫は最近起業。家事分担比率は妻57%、夫22%、状況に応じてが21%。1歳の女の子がいる。

夫婦関係がガラッと変わる秘訣とは?

山本先生

山本先生: みなさん、こんにちは。
私は幼稚園の先生からキャリアをスタートしまして、その後、会社を立ち上げて25年。複数の保育園経営をしていますが、今でも子どもたちをみる現場が大好きです。教え子たちが社会人になって、小さい頃の両親の関係性が、子どもの成長に影響を与えることが結果として見えてきました。そんな中、子育ては両親から知識として伝承されるものではなく、親が育てながら学んでいくものなんだよと、子育て学協会を通してお伝えしています。

子どもに対して大きな影響を与えるのは、何だと思いますか?それは、夫婦間のストレスです。

私も面談と称して、目の前で繰り広げられるご夫婦の喧嘩や修羅場に何度も立ち会ってきました(笑)。
実は子どもと同様に夫婦にとっても「発達課題」があって、そのことを理解できると夫婦関係がガラッと変わります。

Aさん: 夫婦にも発達課題があるのですか!

山本先生: そうです。皆さんのように就学前のお子さんがいるご夫婦の発達課題は「生活形態の見直し」なのですね。

Cさん: なるほど、そこにちゃんと向き合う時期だってことですね。

山本先生: はい。皆さんに今気づいてほしいことは、パパとママは育った環境が違うから、価値観も違う。なのに、家事育児となると、パパもママも自分の生活の中で見てきた価値観だけで物事を進めてしまうから、衝突してしまい、今までにないほど仲のわるさが表面化してしまいがちだということです。

出産後の私、性格がわるくなった気がしてつらい!

山本先生

山本先生: 「私の性格って、こんなにわるかったんだ、意地悪だったんだ」って、ママたちはよく言います。

相手にぶつけた怒りの言葉や行動で、自分も落ち込んでしまうのですね。
でも、今が一番仲のわるくなりやすい時期。この後、年々仲がわるくなっていくか、子育てが終わってもある程度仲よくいられるか、そのどちらかに大きく分かれる大事な分岐点でもあります。一生の中でいちばん、心にイライラ爆弾を抱えている時期だとも言えますね。

だから、今がちょうどいいタイミング。ちょっとしたコツがわかると、この先、不満を抱えたままやり過ごしてしまう夫婦にならずに済む能性が高いんですよ。

みなさんは、イライラ爆弾を抱えたままずっと過ごすなんて、嫌ですよね?思わず爆発させてしまって、将来冷えた夫婦関係になるなんて、もっと嫌ですよね?

この「夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ」では、私から「これをこうしてください」とお伝えすることはしません。

ご自身で「これをやってみよう!」と選択して、なりたい自分やご夫婦の姿をつかみ取ってもらいますよ! さあ、30日間のチャレンジを始めましょう!

ワーママ3人の自己紹介からスタート

座談会

一番奥:Aさん、真ん中:Bさん、手前:Cさん

山本先生: まず最初に、皆さんの自己紹介を簡単にお願いできますか。

Aさん: はい、私は正社員で企画職をやっていまして、今年2人目を出産して、現在は育休中です。 2人目が生まれるまでも夫婦間の葛藤があったので、今日は振り返りながら参加させていただければと思います。

Bさん: 私は百貨店の海外バイヤー職を主に担当しています。 子どもが今年4月から保育園に入って、5月に復職したのですが、仕事と育児の両立で悩みも多くて、仕事を辞めたいと思うことが日々ありながら、なんとかやりくりしている状態です。 いろいろ溜まっていることがあるので、皆さんのお話も聞きながら、アドバイスいただければと思っています。

Cさん: 私も今年5月に復職したのですが、会社の環境が変わっていたことに驚いてしまいました。 若い社員が多くて移り変わりが早いベンチャー企業なので、上司も私への対応に困っているらしく、私みたいな産休後の立場からの職場環境に対する意見を、どうやって上に挙げていけば図々しくなく伝わるのか、その気遣いにちょっと疲れています。

山本先生: そういうことありますよね。職場で前例がないとね。 では、今日は「旦那さまへのイライラ」をテーマにしたいのですが、皆さんが「旦那さまに一番イライラしたこと」を具体的に教えていただけますか。

家事の放置を注意したら「置いとけばやるよ」って、そういうことじゃない!

Aさん: 私は今、2人目の育休中ですけど、1人目のとき、分担を決めていたのに対処してくれなくて、結局私がやったとき、イライラしました。

ひとつは、夫に頼んでいた保育園の送迎。「忙しすぎて行けない」とか言い出して、結局私が早めに出勤・退勤していたんですよ!毎日毎日時間に追われて計画どおり仕事が片付かなくて、ほんと困りました!

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ」Aさん

もうひとつは、今まさに課題の家事分担です。「ここお願いね」「ここは、せめてやるよ」みたいに決めていた担当領域が、皿洗いとゴミ出し。
私としては、家事の中のほんの少しだけ切り出せたと思ってるのに、それすらやってくれない!

皿洗いを放置しておくと、2〜3日経ってもそのまんまなので、耐えきれずに私がやると、「後でやるから置いとけばいいのに」って言うので、またイライラしちゃって。

当事者意識がなくて、家事育児はできるだけ遠ざけたいの!?って、感じちゃいます。

山本先生: 頼んだ家事がそのままって、皆さんもありますか?

Bさん: あります!今やってほしいことって、誰がやるかじゃなくて、どう進めて早く終わらせるかをこっちは大事にしているのに、「置いとけばやるよ」って、そういうことじゃないんだよって思っちゃいますよね。

Aさん: そうそう!そういうことじゃない。

Cさん: もどかしくて「だったら私やります」ってなりますよね。それをプリプリしながらやると「そんなに怒りながらやるんなら、置いとけばいい」って。全然かみ合わない。

Aさん: ありますよね。その「汚い」の価値観が合わない。

かわいかった妻がイライラ女に豹変!?した理由

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ」

山本先生: ひとつ、世の中にもパパたちにも、ちゃんと知ってもらいたいことなのですが、出産後はホルモンの関係で、女性のイライラが激しくなってしまうんですね。

一度イライラを覚えると習慣づいてしまう傾向も見受けられます。パパに「うちの妻、あんなにかわいかったのに、イライラした女性になった」と思われちゃうので、ホルモンの関係でイライラしがちな時期だということはパパにしっかり伝えてくださいね。

Aさん: 女性はみんなイライラが激しくなるんですね。私、かなり自分は怒りっぽいんだなって思ってました。朝起きてイライラしている、みたいなときもあるんですよね。

Cさん: 私も産後すぐの頃はイライラがすごくて。「ホルモンのせいだから」って夫に言ってました。

山本先生: 皆さん自覚されているように、女性のからだは本当に変わっていくので、出産後然り、私ぐらいの年齢になると更年期もありますから、仕事を続けながらからだを管理するのが本当に大変なんですね。

「つらいの?どこが痛いの?どこかわるいの?」と訊かれても、そうではなく「調子がわるい」というのは、女性にしかわからない。そのことを知ってもらう機会を持つといいと思いますね。

さて、「一番イライラしたこと」の続きはいかがでしょう。

隠れてお風呂で一人泣きした、夫の何気ないこの一言

Bさん: 私は復職してすぐの頃、朝、起きがけに夫が「ああ、つら〜、俺も時短勤務にしよっかな」ってポロっと言ったんです!!!

その一言にすごく苛立っちゃいました。
時短勤務にする大変さを想像したことあるの?って。生活リズムも職場の人間関係も変わって慣れない中、育児も家事もこっちばかり。私は1日の流れを全部考えて、自分のフリータイムもなくて、こっちのほうがつらいんだよ!って気持ちが90%、 時短勤務にできるのなら、とっとと行動に移して家のことやってよ!って気持ちが10%。

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ」Bさん

山本先生: そのときの解消の仕方は、どうしたんですか?

Bさん: お風呂で一人で泣きましたよー!その後は何日か話もしたくなくて。もうそのことに触れなかったです。口で言っても多分伝わらないだろうなって、諦めたというか、逃げちゃいました。

山本先生: なるほど。そういう心無い言葉で傷つくことって、ありますか?

Aさん: うーん、ありすぎで(笑)。私が家事のことをいろいろ言ってたら、「そうやって、家事ばっかりきちんとやってれば!」みたいなことを言われて、もうドーンと落ち込んだり。

山本先生: 旦那さんは、なぜそういうことを言っちゃうのかな?

Aさん: 育休前だったので、お互いイライラしていて、私が「ここも、あそこも汚い」って言って掃除しながら「もう時間だから、仕事行かなきゃ」となって。
そうすると「つらいならほかの人にやってもらえばいいじゃん。なんでそれ自分でやるの?」ってなるんですよ。「タイムイズマネー」みたいな考え方なんです。

Cさん: ある!「なんでそれ自分でやるの?その目的は?」みたいに言われる。

Aさん: 言い方がイラっときますよね。あなた当事者じゃないの?って。 要はアウトソーシングを使ったらってことなんですけど、働きながら家事も子育てもしてきた母親を見てきたし、できることなら自分たちでやりたい気持ちもあって。でも私も一人で抱えちゃってたなという反省もあるので、二人目が産まれて、もう少し手を抜いて、今後は使ってもいいのかなとも考えています。

山本先生: なるほど。Cさんが「一番イライラしたこと」は?

好きで時短勤務にして家事やっているわけじゃない!

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ」Cさん

Cさん: 私は家事スキルについて、よく注意するんですが、直らない。
つまり聞いていないので、そのことを指摘すると「少しくらい汚いことは自分にとって重要じゃないから、文句あるなら自分でやって」と言われました。
分担するにあたって家事を全部書き出して、それにかかる時間も出して計算したんですよ。そうしたら私が57%、旦那が22%、状況に応じてが21%、って結果が出て。

Bさん: 計算して57%まで細かく出すって、すごい!

Cさん: 数字を見て、旦那が言ったのは「まあ、想定範囲内だね、時短勤務なんだから」って。これでいいっていう意味なのか、でも6:2って結構な差ですよね!

こっちだって好きで時短勤務にして家事やってるんじゃないし、働きたい気持ちもあるのに。友達に話したら「それはひどいよ」って言われて、「旦那をATMと思えば?」という意見もありましたけど。 旦那に言われたことは一生覚えておこうと思いました(笑)。

妻たちのイライラオーラ、夫は全く気づいていない?

山本先生: ここまで伺っただけでも、一つとして同じことはないですよね。
環境も価値観も。それぞれのイライラをどうしたらいいか悩まれていると思うんですが、私がパパたちの話を聞いていると「妻がどうして急に怒り出すのか、わからない」って言うんですね。

女性としては、急に怒っているんじゃなくて、「わかってほしい」ってサインを何度も何度も出しているんですよね。だけど、そもそも、その時点でズレているんです。
でもね、そのズレ、解決できますよ!

プロフィール

山本直美氏

山本直美氏

特定非営利活動法人子育て学協会会長。(株)アイ・エス・シー代表取締役。幼稚園教諭を経て、大手託児施設の立ち上げに参画。95年より自らの教育理念実践の場として、保護者と子どものための教室「リトルパルズ」を運営。キッザニア日本進出時の安全管理監修、リクルート事業所内保育室やウィズブック保育園、リトルパルズ・アカデミーなどを運営。独自の教育プログラムや保護者向けの講座を提供。著書に、『できるパパは子どもを伸ばす』(東京書籍)、『子どものココロとアタマを育む 毎日7分、絵本レッスン』(日東書院)など。
(株)アイ・エス・シー
特定非営利活動法人子育て学協会

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