両立支援

夫が協力的だと、再就職後はどう変わるのか

共働き

2020年03月09日 転載元:リクルートワークス研究所

夫が協力的だと、再就職後はどう変わるのか

前回は、結婚・出産等で離職した女性が再就職するとき、仕事と家庭の両立負担が重いと、女性が再び離職する確率が高まることをみた。しかし、人は周囲の人とのつながりから、精神的なサポートや物理的な支援を受けている。周囲の支援によって、仕事と家庭の両立負担の重さも変わってくるだろう。たとえば、家庭運営のパートナーである夫の協力は、再就職した女性の働き続けやすさを、どう変えるのだろうか。

再就職の時、夫が協力的だったと明言した女性は3割

仕事を再開した女性は、再就職した時の夫の家事・育児への協力をどのように評価しているのだろうか。その回答別の割合をみると、「協力的であった」が28%、「どちらかと言うと協力的であった」が36%、「どちらかと言うと協力的でなかった」が19%、「協力的でなかった」が16%であった。この回答からは、家事・育児の客観的な量は把握できないものの、夫が家事・育児にはっきりと「協力的だった」と回答できた人は3割にとどまる。多くの女性は「家事・育児を主に担う」という役割は変えないまま、再就職に臨んでいる。

夫が協力的かどうかで、離職の確率が高まる就業時間が異なる

次に、夫が「協力的だった」と回答した人とそれ以外の人に分け、統計的な手法を用いて、再就職後の離職にどのような要因が関わっているのかを分析した。分析の枠組みは、連載第2回、第3回とおおむね同じである。ただし、夫が協力的だった女性とそれ以外の女性にグループを分けて分析することで、夫の協力によって、女性の再就職後の離職に関わる要因がどのように違うのかを比べている。

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