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2000年生まれの化学者 村木風海が、10年間否定されても二酸化炭素研究を続けた理由

キャリア

2020年09月28日 転載元:Meet Recruit

2000年生まれの化学者 村木風海が、10年間否定されても二酸化炭素研究を続けた理由

デジタルネイティブ。モノよりコト。社会問題への関心が高い。起業家精神が旺盛...。激変する社会のなかで育ったZ世代の生き方から、現代のビジネスパーソンに求められるスタンスを学ぶ

1990年中盤以降生まれの「Z世代」が、いよいよ社会で活躍をはじめている。彼らは、「スマートフォンが当たり前」「大災害による社会の混乱」「SNSで世界中と交流できる」など、まったく新しい環境で育っており、「社会課題への意識が高い」「学校・会社以外のコミュニティを持つ」「慣習に縛られず一直線に目的を目指す」といった傾向が強いそうだ。

村木風海(むらき・かずみ)さんもそんなZ世代の一人。幼少期から独自に続けてきた二酸化炭素研究が、総務省主催のイノベーター育成プログラムに採択されたことをはじめ、地球温暖化を解決する技術として注目されている。しかしそれ以前の長い間、村木さんの活動は全く認められず否定され続けていたそう。それでも信じた道を突き進めたのはなぜなのか。Y世代インタビュアーの視点でZ世代の価値観を探った。

Z世代にとっての22世紀は、遠い未来の話じゃない

――村木さんが二酸化炭素の研究をはじめようと思ったのはなぜですか。

原点は小学4年生のときに祖父からもらった本です。物理学者のスティーヴン・ホーキング博士が執筆した『宇宙への秘密の鍵』という冒険小説シリーズで、当時の僕と同じ年くらいの子どもが宇宙旅行をするというストーリー。小説の世界にのめり込むうち、人類が移住する可能性が最も高いと紹介されていた火星に、いつか僕も行こうと決意しました。

そんなとき、僕が通っていた小学校で、生徒それぞれが一年をかけて好きなテーマを研究する学習がはじまり、これも後押しになりました。僕が選んだ研究テーマはもちろん火星です。調べるうちに火星の大気の95%は二酸化炭素だと分かり、二酸化炭素を酸素に変える技術を発展させれば住めるんじゃないかと思ったんですよね。

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