多様な働き方

オンボーディングには個人の頑張りと職場の働きかけの両方が大切だ

2021年10月28日 転載元:リクルートマネジメントソリューションズ

オンボーディングには個人の頑張りと職場の働きかけの両方が大切だ

中原淳氏は、1万2000人の大規模調査を経て2021年に出版した『転職学』 の冒頭で、、自分自身がオンボーディングに苦労した体験談を綴っている。『転職学』で転職を科学した中原氏は、新人・若手のオンボーディングについてどう考えているのだろうか。

転職時には学び直しの期間、オンボーディング期間が必要

2018年、43歳の私は東京大学を辞し、9人の助教・研究員・事務スタッフたちと共に、研究室ごと立教大学へと移籍しました。

立教大学は、すばらしい研究環境・教育環境を私たちに提供してくれました。ところが数カ月後、学生の前で板書をする私の右手は震えるようになってしまったのです。原因は、立教大学にはありません。そうではなく、私は、かつての大学では、大学院での指導がメインで、主に大学院生、社会人を教えてきたのです。しかし、立教大学では、20代の学部生に教えるようになった。移籍当初、私は、学部生への教え方や、関わり方を習熟できていなかったのです。恐らく、ここから精神的なプレッシャーを感じていたのでしょう。右手が震えて、それを隠しながら授業をしていました。これが私のオンボーディングの苦い経験です。

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