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Next Issues of HR With コロナの共創の場づくり第3回 “変わり身の速さ”が意味するもの

2021年11月04日 転載元:リクルート ワークス研究所

Next Issues of HR With コロナの共創の場づくり第3回 “変わり身の速さ”が意味するもの

前回、オランダ人の“変わり身の速さ”について触れました。今回はその意味するところを掘り下げます。

一例を挙げましょう。2012年、当時18歳のオランダ人、ボイヤン・スラットがオーシャン・クリーンアップという会社を創業しました。事業内容は、社名の通り海のゴミを一掃すること。潮流に乗せて海上に設置したフェンスにゴミを集め、それを船で回収します。TEDで構想をプレゼンテーションして必要な資金を集め、実証実験に至りました。ところが、その段階で事業は頓挫。ゴミを集めるフェンスが真っ二つに割れてしまったのです。実は、スタート前から専門家が「フェンスが壊れて失敗する」と指摘していました。

(多くの)慎重な日本のビジネスパーソンであれば、専門家の言葉に耳を傾け、失敗する前に計画をストップするという判断をするでしょう。でも、オランダ人(の多く)は“やってしまう”。それには、失敗というものを恐れさせないオランダの教育が寄与していると私は見ています。彼らにとって、失敗は試行錯誤の一プロセスでしかありません。「失敗したらどうするのか」と問われれば、彼らは「やり直せばいいし、結果的に成功すればそれは失敗じゃない」と切り返してきます。変わり身の速さとは、言い換えればやり直しを躊躇しないことともいえます。

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