増加を続ける在宅医療のニーズ。『Airリザーブ』を活用した診療予約業務の最適化で訪問診療と外来診療を無理なく両立 

高齢化率が世界最高の水準である日本では、在宅医療(訪問医療・訪問診療)のニーズが年々高まっています。限られた医療リソースの中で、より多くの患者に適切な医療を届けるにはどうすればよいのでしょうか。

今回は、毎日の業務がカンタンになる予約システム『Airリザーブ』を活用して外来診療の予約業務をオンライン化。訪問診療と外来診療を無理なく両立できる体制づくりに取り組んでいる千葉県我孫子市のジェイ内科・脳神経内科クリニックの事例をご紹介します。

超高齢社会を背景に増加する在宅医療。限られた医療リソースをどう活用するか

2024年時点での日本の総人口に占める65歳以上の割合は29.3%と、高齢化率が世界最高水準にあります(内閣府「令和7年版高齢社会白書」より)。高齢や難病、寝たきりなどの理由で通院が難しい在宅患者数は、2023年時点で100万人を超えたと推計されています(※1)。診療統計を見ても、入院外診療全体では減少傾向が見られる一方で、在宅医療は増加(※2)。今後、高齢者人口は2040年頃まで増加すると予測されており、それに伴って在宅医療の需要もさらに高まると考えられています。

しかし、在宅医療の拡充に当たっては医療を提供する側の体制整備が大きな課題となっています。中長期的には在宅医療に対応できる医療機関や医療従事者の強化などの抜本的な対策が求められますが、限られた人員や時間の中でより多くの患者へ医療を届けるためには、医療現場での運営体制の見直しや業務効率化への取り組みが急務となっています。

「診療行為別に見た入院外の1件当たり点数・1日当たり点数」の表。総数では、1件当たり点数が2023年6月審査分1,480.9点から2024年8月審査分1,478.5点へ2.4点減少(0.2%減)、1日当たり点数が1,007.1点から996.6点へ10.5点減少(1.0%減)。在宅医療では、1件当たり点数が121.3点から123.5点へ2.2点増加(1.9%増)、1日当たり点数が82.5点から83.2点へ0.8点増加(1.0%増)。出所:厚生労働省「令和6年社会医療診療行為別統計の概況」。

※1 永井学「データを読む」、日経メディカル(2024年7月22日)。厚生労働省「令和6年社会医療診療行為別統計」を基に作成された推計値 ※2 厚生労働省「令和6年社会医療診療行為別統計の概況」より

「脳神経内科医による訪問診療を広げたい」――現場で見えてきた運営上の壁

千葉県我孫子市にあるジェイ内科・脳神経内科クリニックは、訪問診療を中心に診療を行うクリニックです。2023年の開院以来、院長の髙橋潤一郎先生は、自身の専門領域である脳神経内科の知見を持つ医師こそ、積極的に携わるべきだと訪問診療に力を入れています。

その背景には、病気や高齢により通院が難しい患者の、歩けない・動けない理由は脳や神経の領域が原因であることが多いという現実があります。パーキンソン病やALSをはじめ、国の指定難病には神経系の疾患によって日常生活が大きく制限される患者も少なくありません。

髙橋先生は、「こうした患者さんを支えるために、脳神経内科医こそ訪問診療を担うべきではないか」という想いから、脳神経内科医による訪問診療の成功モデルをつくり、社会に広げていきたいと考えています。

また、訪問診療には患者の生活環境を直接確認できるという特徴があります。実際の暮らしぶりを見ながら診療を行うことで、より適切なアドバイスにつながるケースもあります。患者によっては、自宅という慣れた環境だからこそ、症状や不安について率直に話しやすいこともあると言います。

しかし、訪問診療の現場では乗り越えるべき課題もありました。それは、外来の診療に比べて負担が大きいことです。患者の自宅や介護施設を訪問するためには移動時間が必要です。ジェイ内科・脳神経内科クリニックでも、勤務時間の約3分の1を移動に費やしています。さらに、訪問診療と並行して外来診療も行っているため、診療スケジュールの調整は決して容易ではありません。

「できるだけ多くの患者さんに医療を提供するには、診療以外の手間になっている業務をできるだけ効率的かつ計画的に進めたい」と髙橋先生は考えていました。限られた時間の中で、より多くの患者へ医療を届ける。そのためには、診療そのものだけでなく、周辺業務を含めた運営体制の見直しが必要だったのです。

ジェイ内科・脳神経内科クリニック 院長 髙橋 潤一郎先生

ジェイ内科・脳神経内科クリニック 院長 髙橋 潤一郎先生

『Airリザーブ』で外来予約をDX(※3)。予約業務の効率化が診療体制を変えた

業務効率化を進める上で、髙橋先生が着目したのが外来診療の予約受付と予約管理でした。

訪問診療については事前に確認すべき事項が多く、丁寧なヒアリングが欠かせません。そのため、訪問診療の予約については電話対応を継続することを選択しました。その一方で、外来診療は来院可能な患者やその家族が予約を行うケースが多く、ネット予約との親和性が高いと考えたと言います。

そこで導入したのが、予約システムの『Airリザーブ』です。決め手となったのは、無料体験で実感した初めてでも迷わず扱いやすい操作性です。クリニックのホームページへの組み込みや予約枠の設定などもスムーズに行うことができ、初期設定のしやすさもポイントとなりました。

また、髙橋先生は患者にとっての利便性も重視しました。ネット予約であれば、診療時間外であっても予約が可能です。早朝や夜間、休日など、患者自身の都合に合わせて予約できることは大きなメリットと言えます。

「予約システムが使いづらくて来院をあきらめたり先延ばしにしたりすることもあると思うんですよね。患者さんには適切なタイミングで医療にアクセスしてほしいですし、クリニックとしても機会損失は避けたいと考えていました」

『Airリザーブ』導入後、外来予約の8割はネット予約に変化。これにより、電話予約対応にかかっていたスタッフの負担は大きく軽減されました。さらに髙橋先生自身が最も実感しているのは、訪問先への移動中や外出先からスマートフォンで予約状況を確認できるようになったことだと言います。事前に外来患者数や予約状況を把握できるため、診察時間の見通しが立てやすくなり、1日のスケジュール管理もスムーズになりました。また、予約枠の調整も外出先から行えることも大きなメリットに。「『この日は訪問診療が多いから外来の予約枠を少し絞ろう』『この日は外来後の外出はしないので外来予約枠を増やそう』と柔軟に対応できるのもありがたいです」

※3 DX=デジタルトランスフォーメーション

髙橋 潤一郎先生がパソコンで『Airリザーブ』を操作している画像

1日15件以上の訪問診療を実現。患者一人ひとりとしっかり向き合う時間も

一般的に、訪問診療の件数は1日当たり10件程度と言われています。一方、ジェイ内科・脳神経内科クリニックでは、現在1日15件以上の訪問診療を行っています。介護施設を訪問した際には、一度の訪問で60人もの患者を診察した日もあると言います。こうした体制を実現できたのは、髙橋先生がDXの活用に継続して取り組んできた背景があり、『Airリザーブ』も診察数の増加に一役買っていると言います。

「以前は外来診療が時間内に終わらないかもしれないからと、その後に訪問診療を入れづらかったのですが、今は外来をコントロールしやすくなったので、安心して訪問の予定を入れられます」と髙橋先生。

業務の効率化は、診療できる患者の数を増やすだけでなく、一人ひとりの患者にしっかりと向き合う時間を確保する意味でも重要です。限られた医療リソースの中で、より多くの患者へ医療を届けながら、診療の質も維持する。そのために髙橋先生は現状の運営体制に満足せず、常に進化を続けるクリニックでありたいと言います。また、予約業務に限らず医療に付帯するさまざまな業務の効率化や自動化を進めていき、若手の脳神経内科医が訪問診療に挑戦しやすい環境をつくりたいという想いも語っています。

「脳神経内科医は大学病院や研究機関に集中していて、地域に根差した脳神経内科クリニックの数はまだ十分とは言えません。だからこそ私は、若い世代の医師にチャレンジしてみたいと思える姿を見せたい。脳神経内科医の専門性を必要とする地域の患者さんにしっかり向き合えている状態を実現したいです」

ジェイ内科・脳神経内科クリニックの取り組みは、業務効率化によって診療体制を最適化し、訪問診療の拡充につなげた好事例です。外来予約のオンライン化というひとつの改善が、患者への医療提供機会の拡大や、医療従事者が本来注力すべき診療業務への集中を支えています。

予約・受付・会計などの周辺業務は、どの業界でも現場の大きな負担になりやすい領域です。リクルートが提供する『Airリザーブ』をはじめとする「Air ビジネスツールズ」は、こうした日々の業務をデジタルで支えることで、事業者が本来向き合うべき顧客や利用者様との時間を生み出すことを目指し、現場の業務負担と持続的な経営を支援してまいります。

左から、診療道具、訪問先へ向かう様子、ジェイ内科・脳神経内科クリニックの受付前

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