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両立支援夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ

「妻に本音を上手く話せない」夫が行き着いた夫婦円満の秘訣|Season2 夫編05

共働き育児

2020年03月31日

「妻に本音を上手く話せない」夫が行き着いた夫婦円満の秘訣|Season2 夫編05

夫婦間のモヤモヤとイライラを抱える働くパパとママのための匿名座談会、妻編に続き夫編が始動!コミュニケーションのプロのアドバイスをもとに、ごきげんな関係へと改善を試みていく30日間のようすをレポートします。

共働き家庭と専業主婦家庭、それぞれのパパが取り組んできたこのチャレンジもいよいよ最終回。「言いたいことを我慢するのが習慣になっている」など、夫編ならではの悩みもありましたが、このチャレンジを通して2家族はどう変化したのでしょうか。

⇒ 夫編01 パパによる夫婦の関係改善チャレンジがスタート。普段、妻に言わない本音をぶっちゃけトーク!
⇒ 夫編02『些細なことで怒りだす妻にうんざり!』男性はなにかと我慢しがち!?
⇒ 夫編03 お互いに感謝し合えるごきげん夫婦になるために!定例ミーティングの機会をつくろう!
⇒ 夫編04 妻と面と向かって話せない!?家族のチーム化にパパ達苦戦中

座談会参加者紹介

<座談会参加者紹介>

Aさん(右)
人材業界の代理店営業職。平日は22時~23時頃に帰宅する生活。妻が現在子育てに専念しているため、家事分担比率は妻95%、夫5%。1歳9カ月の娘が1人。

Bさん(左)
食品メーカーの研究開発職で、仕事柄時間のコントロールはしやすい環境。妻が今年起業したばかりで土日も仕事をしていることも。2歳の双子の娘たちがいる。

妻からホンネをぶつけられ、はじめて気づいた自分のクセ

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ 山本先生

山本先生: 30日間のブートキャンプも今日が最後になりました。まずは前回のセッション後の変化を聞いてみましょうか。前回、LINEで「ちゃんと話す時間をとろう」と、奥様に連絡をしてくださったAさんはいかがでしたか。

Aさん: はい。ようやく妻と話す時間が持てました!うちの場合は、はじめから僕の気持ちを伝えても妻が話さないと思って、「僕に直してほしいところがあれば教えて」から始め ましたね。

山本先生: 素晴らしいです。それで、奥様は何が気になっていらっしゃったんですか。

Aさん: 妻の話では、僕のできていないところを指摘すると「でも、ここまではやってるじゃん」とか「でも、世の中のほとんどの父親はできないよ」と反論するのが嫌なんだそうです。言われてはじめて、無意識にやっていることに気づきました。

山本先生: 自分では意外と気づけない癖、ありますよね。それを前向きに指摘しあえたのは、一歩前進ですよ!

妻も夫も歩み寄って、いきなり100点ではなく、夫婦で合格点を決めよう!

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ Aさん

山本先生: ところでこのAさんの癖には、夫婦関係のヒントが隠されていそうです。もしこれが仕事上の出来事だったら、そんな反論はしないと思うのですが、なぜ奥様にはそんな言い方になってしまうのか考えてみませんか。

Aさん: うーん、なんでだろう。たぶん、妻の要求水準が僕にはものすごく高く感じるんですよ。二人で話をしたときも妻は「夫婦で家事育児をちゃんとやろうと決めてお互いがんばっているのに、7~8割しかできていない気がする」と不満そうでした。 でも、僕は「半分以上やれたなら今のところは合格点じゃない?」という気持ちなんですよね。

0からいきなり100を目指せと言われているような感覚。これが仕事だったら、目標に到達するための中間指標を設定して一歩ずつ前進していきますよね。急に100点を目指すなんて無茶ですよ。

山本先生: まさにそうですよね。これはご夫婦どちらにも歩み寄ってほしいことなんです。奥様たちがイメージしている「夫は家事育児ができる」は100点の状態。でも、あまり経験してこなかったご主人がいきなり100点にはなれません。少しずつできるようにがんばっているのに、100点じゃないと怒られたらやる気をなくしますよね。

このことを奥様たちにも気づいてほしいですし、ご主人も「まずはここまでならできる」と見通しを立てて夫婦で合格点のすり合わせをしておくと、お互いにがっかりしないで済むのではないかと思います。ぜひ夫婦2人で話してみてくださいね。

家族の未来の話を始めたら、あっという間の2時間だった

夫婦ストレス解消★30日間ブートキャンプ Bさん

山本先生: 続いてBさん、前回からの2週間はいかがでしたか。

Bさん: 引き続きミーティングをやっていて、先週の土曜は2時間話し込みましたね。

山本先生: それはすごいですね。最初のセッションでBさんは「1時間は長いかな」なんておっしゃっていたのに。2時間も何をお話されたのですか。

Bさん: 最初は妻の仕事の話から始まって、段々と「今は仕事と育児の両方が大変な時期だけど、落ち着いたらこんな生活がしたい」「もっと広い家に住みたい」「だったら田舎に移住するのもいいよね」と未来の話になって盛り上がりました。

やっぱり、妻の仕事の話題だと具体的なアドバイスができないから僕は聞き役になっちゃうんですけど、自分たちの未来ならお互いに話したいことがあったんですよね。

山本先生: 以前もお伝えしていますが、未来の話を沢山しているかどうかは、夫婦仲に影響します。それはBさんがおっしゃるように夫婦どちらかに偏ることなく、お互いが自分の意見を自由に語れる話題だからかもしれませんね。

「完璧にやろうとしない」「意気込みすぎない」も夫婦円満の秘訣

山本先生: あと前回は「家族みんなで過ごす楽しい時間をつくろう」とお話しましたが、これはどうでしょう。

Bさん: 先週末のことですが、「休日の朝くらいは朝食づくりをお休みしていいよね」と、家族で散歩してから近所のお店で朝食を食べたんです。これが思った以上に楽しくて、習慣にしていきたいなと思いました。

山本先生: 「たまには外食する」のはとてもよいですね。実は朝昼晩の三食をしっかり作るのは日本独特の食文化です。海外では日常的に外食をする国もありますしね。日本の食文化を否定するわけではありませんが、毎日三食を全部自炊するのがMUSTなのかと考えてみましょう。自炊にこだわり過ぎて家族がギスギスするくらいなら、私は「たまにはモーニングを食べる」でもよいと思いますよ。素敵な習慣になるとよいですね。

Aさん: うちは、これといって新しく何かを始めたのではないんですけど、ちょうど今週は有給休暇をとって、家族で公園に行ったり、友達家族の家に遊びに行ったりして過ごしていました。こういうことでもいいんですか。

山本先生: 今まで何気なくやっていたことだとしても、「これって、もしかして家族の楽しい時間かも?」と意識して過ごせば、違った景色が見えるかもしれませんよね。何か特別なことをやろうと意気込みすぎなくてもよいので、まずは普段の生活の中で意識してみることからスタートするのはよいと思いますよ。

リアクションしないのは、話を聞いていても無視しているのと同じ

山本先生: どちらのご家族も、それぞれのやり方でトライできているようすが確認できたところで、ここからはブートキャンプの総仕上げをやっていきましょう。

前回は、父親であるAさんBさん自身が子どもの規範として自分を律しているかとお話しましたが、今日確認したいのは、家族全体の自律。チェック表を用意したので、ご自分の家族ができているか、確認してみましょう。

家族の自律ルールチェック表

Bさん: うちはおおむねできているとは思います。でも、「よいことも悪いこともオープンに話しているか」と言えば、あんまりできているとは言えないかなあ。あとは、「お互いを思いやる言葉」。一緒にいることが普通になりすぎて、気持ちをこめてありがとうと言っているか自信がないですね。そう考えると、相手の言葉に思いやりがなくてイラっとする瞬間はお互いにあるかもしれません。

山本先生: いるのが当たり前だから、無意識に相づちや返事をするようなリアクションが減っていっちゃうんですよね。私たちがお預かりしている子どもたちにもよく話すことですが、「無視をしない」はコミュニケーションの基本。

自分は聞いているつもりでも、リアクションしなければ相手には無視をしているように映ります。ちなみに、最近ご家庭の中で「これはお互いを思いやった言葉だな」と思い浮かぶものはありますか。

Aさん: うちの場合は、娘が「イヤイヤ期」の真っ最中なので、駄々をこねているときに「ご飯をちゃんと食べないとお父さんが悲しむよ」とか「これやらないとお母さんとお風呂に入れないよ」とかよく言っています。 夫婦で直接声をかけることはあまりしないけれど、子どもを介して、間接的にお互いへの思いやりを伝えている形が多いですね。

山本先生: 「気にかけている」と伝わることが、夫婦の関係にも子どもにも大事なんですよ。仲が良ければ以心伝心かといえば、そうではないのが人間関係。これは家族同士でも同じで、ちゃんと見ている、気にしていることが伝わると、相手は安心できるものです。

認識のずれはあって当然。ずれないことより擦り合わせることを意識しよう

山本先生: 続いて家族の中での役割ですが、お二人はどう意識されていますか。

Aさん: うちはいま妻が働いていないこともあって、役割は割とはっきりしていますね。家族を組織と捉えるなら僕は収入を得る役割であると同時に、組織のリーダーとして意思決定をするための判断と責任を持って家族を引っ張っていくのが一番の役割かな。

Bさん: 僕はどちらかというと引っ張るより受け止める役まわりですね。自分自身の意見で動くというよりは、妻や子どもたちがあれやりたいこれやりたいと言うのを一旦聞いて、そこから最善の案をみつけるようなイメージです。

山本先生: ぜひ、夫婦でそれぞれの役割をどう思っているか話してみてください。自分らしい役割は心地よい居場所でもあるので、家族みんながそれぞれの役割を意識するのはごきげんに暮らすためにもよいことです。

また、この家族の自律ルールのチェックを、ママにもやってもらうことをおすすめします。これまで多くのご夫婦にチェックしてもらった経験から言えば、ご夫婦でチェック結果にかなりのギャップが生じますよ。パパはやっているつもりでもママは思っていないとか。

「同世代夫婦との共感」と同じように、「先輩夫婦からの助言」もあれば安心

山本先生: さて、お次は家族を取り巻く人間関係について。以前もお話したように子どもの成長には家族以外のさまざまな人たちとの関わりが大きく影響します。その意味でお二人が気になることはありますか。

Bさん: うちの場合は子どもを0歳から保育園に預けていることもあって、同じ園のパパ友ママ友のつながりが深いです。それ以外にも僕や妻の友人と家族ぐるみの付き合いもあるし、人間関係が狭いという感覚はあまりないですね。

Aさん: うちは、子どもがまだ幼稚園に通っていないので、現時点で娘が家族以外のコミュニティに属していないのは少し気になります。でも幼稚園に入園すればいずれ解消されますし、家族ぐるみでお互いの家を行き来する友人ファミリーもいれば、親戚づきあいも一般的な家庭より多い方なので、横のつながりは多いですね。一方で、このブートキャンプのように客観的なアドバイスや助言をもらう機会はなかったなと思いました。

山本先生: いい気づきだと思います。実は、昔の日本社会では「仲人さん」がその役割を果たしていました。結婚の立会人のようなイメージが強い仲人さんですが、実はもともとの役割は、結婚生活の指南役。夫婦の先輩である仲人さんに、家族を築いていくうえでのさまざまな悩みや困りごとを聞いていたんです。

ただ、今は仲人さんを立てることがほとんどなくなり、同世代の夫婦同士で共感する機会はあっても、アドバイスを聞く機会が少なくなりました。家庭の問題は個別の問題だと思いがちですが、どのご家庭でも、実は同じようなことで悩んでいることが多いので、仲人さんのような立ち位置で話を聞いてもらえるような、結婚生活が長く上手く続いている先輩家族との交流を意識してみるのも一つの方法ですよ。

妻や子どもは、自分の知らない新しい世界にいざなってくれる存在

山本先生: 家族の外との関わり方において、もう一つのポイントは、「家族単位(家族ぐるみ)」でのお付き合いです。例えば、奥様のお友達が遊びに来るからと毎回ご主人が外出するのではなく、たまにはパパも一緒におもてなしに参加してつながりをつくるのも大切ですね。

Aさん: 妻の仲が良い友達は僕も知り合いなので、顔を出しています。

Bさん: 僕も、友人の家に子どもを連れて遊びに行くときは夫婦揃ってお邪魔することがほとんどですね。それに、結婚したときからお互いの友人に関わることを意識していました。

山本先生: それはどうしてですか。

Bさん: 僕は研究職だから、学生時代も理系で友人関係が固まっていたし、仕事も似たようなタイプの人が集まっているんですよ。それは妻も逆の立場で同じだったようで、妻の友達から「理系の人とはじめて話した」なんて言われたくらい。お互いに自分と全く違う人の話を聞くのが面白かったんですよね。

山本先生: そのスタンスでコミュニティを広げられるとよいですよね。パパからすれば、ママや子どもを介して自分の知らない世界とつながるよい機会でもありますからね。

これから家族で大切にしたいことを宣言しよう

山本先生: さあ、それではここまでの話も踏まえながら、家族のなかで大切にしたいことを宣言してみましょうか。3つ、キーワードをあげてみてください。

Bさん: 一つは「オープンマインド」。家族に何でも話せなければ、外でも上手く自分の気持ちを伝えられないと思うので、これは大切にしたいです。

二つめは、「自律」。30日のセッションで僕がハッとさせられたのは、大人になって何でもできている気になっていたけれど、意外とできていなかったこと。親の自分ももっと成長したいと思えたし、それが子どもの成長にも繋がるなら、尚更だと思いました。

最後は、「未来を考える」。将来のことを考えること、話すことってこんなに楽しいんだと実感できたので、これからも家族で話す機会を維持できたらいいなと。余裕がないと目の前のことだけになっちゃうので、余裕を持ちたいですね。それに、うちの双子は名前の漢字で「未来」を一字ずつ分け合っているんですよ。忙しい毎日でいつの間にか忘れちゃっていたなと思い出しました。

山本先生: どれもすばらしいテーマですね。ちなみに今お子さんの名前が出ましたが、Aさんの娘さんは?

Aさん: 果物の名前がモチーフになっています。爽やかさがあって、病気に強い木でもあるので、健康を願って。

山本先生: どちらも素敵なお名前の由来ですね。
お名前と言えば、子どもを叱るときに一つ注意してほしいことがあるんです。無意識に名前だけ叫んで叱っちゃう人が意外と多いんですよ。それは子どもからすれば自分を否定されたように聞こえます。せっかくパパやママが想いを込めてつけたお名前ですから、大事にしてほしいですね。さて、お次はAさんのキーワードも教えてください。

Aさん: 一つめは「家族や周囲の人からの愛情を上手に受け取れる人になる」。これって慣れないとできないことなので、まずは自分が体現して、妻や娘に働きかけたいです。二つめは、「娘が両親に愛されて育ったと自信を持てるようにする」。これも自分だけじゃなく奥さんと約束していきたいですね。

山本先生: 素敵なキーワードです。自分が愛情をもらってはじめて人を愛せますからね。

Aさん: 三つめは、「子どもの成長ブログ」。娘が生まれたときから僕が毎週書いているんですけど、もうすぐ二人目も生まれますし、家族が増え子どもの年齢が上がっていくにつれ、妻や子どもたちもみんなで書けるものにしたらいいなと思いました。

Aさんブログ

山本先生: (ブログを見せてもらいながら)毎週書くのはすごいですね!これは家族をつなぐハブにもなりますし、それだけ継続しているのは、Aさんにとっての快動(心が動く楽しい時間)になっている証拠です。

Bさん: うちもInstagramで子どもの成長記録をつけていますね。これがそのアカウントなんですけど、双子の親同士でつながるきっかけにもなっています。

Bさんブログ

山本先生: これはまたかわいいですね。最後に見せてもらえてよかったです。この子達は大丈夫。どちらも愛情をいっぱい受けて過ごしているようすが伝わってきました!

違いを楽しんで、自分たちオリジナルの家族のかたちをつくろう!

山本先生: 30日間いかがでしたか。ブートキャンプの妻編も実施した私からすると、パパ達とママ達では、セッションの進め方も違えば、同じアドバイスをしたときの感じ方がこうも違うのかと改めて気づかせてくれました。だからこそ夫婦は違って当然だと思うのですが、お二人はどうですか。

Aさん: たしかに僕と妻では、同じ話題でも捉え方が違う。でも家族それぞれが役割を持つべきなのだとすれば、必要な違いだとも思えるようになりました。

Bさん: 僕たち夫婦は、もともと何もかも違うんですよ。「違いがあって楽しいね」で結婚したくらいですから。でも、違うもの同士が集まったからこそ、一定のルールは必要で「向き」を揃えていくべきなんだろうなと感じました。

山本先生: そうですね。違いを認めて楽しめると、思い通りにならなくてもイライラしなくなります。ましてやこれからは多様性の時代。いろんな家族の形があって当然で、ほかの家族と比較する必要なんてありません。ときには悩んだり怒ったりするのも人としての当然の感情として受け止めながら、そのなかでいかに笑っていられるかを意識してみてください。ぜひお二人家族と何年後かに再会してみたいです。これからも自分たちらしい家族づくりをがんばってくださいね。

Aさん、Bさん: ありがとうございました!

プロフィール

山本直美氏

山本直美氏

特定非営利活動法人子育て学協会会長。(株)アイ・エス・シー代表取締役。幼稚園教諭を経て、大手託児施設の立ち上げに参画。95年より自らの教育理念実践の場として、保護者と子どものための教室「リトルパルズ」を運営。キッザニア日本進出時の安全管理監修、リクルート事業所内保育室やウィズブック保育園、リトルパルズ・アカデミーなどを運営。独自の教育プログラムや保護者向けの講座を提供。著書に、『できるパパは子どもを伸ばす』(東京書籍)、『子どものココロとアタマを育む 毎日7分、絵本レッスン』(日東書院)など。
(株)アイ・エス・シー
特定非営利活動法人子育て学協会

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