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ミキハウスのケース - 店舗スタッフの子育て経験者は4割。 「ママでもできる仕事」から「ママだからこそできる仕事」への価値転換

2016.05.16

今では当たり前となっている4年制大卒女性の販売職採用や、主婦層の接客アルバイト採用など、株式会社ミキハウスでは20年以上前から、 経営に連動した採用戦略を推進しており、リクルートジョブズはその採用のサポートを行っています。 ミキハウスでは全国約200店舗、従業員約1200名のうち、女性比率は9割を超え、店舗スタッフにおける子育て経験者は4割を超えています。 そして、ママスタッフが自身の能力を活かせる制度を整備することで、新たな顧客接点を獲得・強化し、売上拡大を実現しています。

今回は、ミキハウス独自の「子育てキャリアアドバイザー制度(以下KCA)」の取り組みと効果にフォーカスし、 実際に出産を機に前職を退職後、ミキハウスの店舗にて再びキャリアをスタートさせたスタッフの事例を通して、 「無理なく始められる仕事」が「働きがいのある仕事」へと進化していくケースを紹介します。

経営戦略に直結した子育て経験者の積極採用

株式会社ミキハウス人事部 部長 藤原 裕史さん。「人がきっかけをつかんで成長するのを応援したい」 という藤原さんの想いが人事施策の根底に根付いている

子供服およびファミリー関連の事業を扱うミキハウスにとって、とりまく経営環境は常に変化しています。 「なかでも、2009年のリーマンショックは、経営にとっても大きな出来事でした。 その時着目したのが、当時80%がギフト目的で購入されていたベビーブランドのさらなる強化。 LTV(LifeTimeValue)観点でも推進していくべきという戦略に基づいて、以前より主婦層の採用は行っていましたが、 積極採用を推進しました」と話すのは、ミキハウス人事部長の藤原さん。

そして、採用戦略と並行して独自に開発したのが、KCA制度です。 KCAとは、ミキハウスの1年間の研修プログラムに参加し、マタニティ&ベビーの接客スペシャリストに認定された 「子育てキャリアアドバイザー」のこと。研修での座学に加えて、 勤務店をケーススタディにした提案→実施→振返りまでのレポーティングという、実務に直結した実践的課題が特徴です。 「2009年にKCA制度がスタートし、今では全国で活躍するKCAは200人以上です。 この取組みにより、出産準備中のプレママとの接点が強化され、ギフト目的以外での来店やリピート率が向上しました」。

経営戦略に直結した採用と制度の相乗効果で、売上推移もリーマンショック翌年の2010年より昨年比アップを維持しています。

「KCAの8割は、子育て経験のあるアルバイトスタッフです。マニュアル通りにいかないご自身の育児体験にKCAの専門知識が肉付けされ、 唯一無二の接客スキルへと進化。結果、顧客満足度に大きく寄与しています」。 また、「年間最優秀KCA賞」等、スタッフの活躍は表彰や社内報などで周知し、 「その人がいてくれて助かっている」という風土醸成のサイクルが作られているのもポイントです。

自分の母親としての経験がお客様の役にたっていることが嬉しい

都内の百貨店ショップに勤務する長谷川さんは、入社3年目で一児の母。出産を機に販売の前職を退職後、 お子さんが2歳の時、自宅近くのミキハウスの求人を知り、再び働き始めます。 「出産前は仕事中心の生活でしたが、出産を経て、生活の中における仕事のポジションが変化していることに気づきました。 とはいえ、もともと働くことは大好きな性分。そんな中、自宅と子どもの保育園から近く、 気になっていたシフト体制においても子育てをしながら無理なく働けるイメージがつき、ミキハウスへの応募を決意しました」。

ミキハウス桜ヶ丘京王店 長谷川奈津美さん。「子どもと離れて過ごす時間は、お互いに成長する時間」と捉えている。仕事を通してスキルアップすることで、元気と自信がついていく

入社後2年目で長谷川さんはKCAを取得します。 「KCAの研修では、専門知識を深めることができたのはもちろん、研修で出会ったメンバーがみなさんパワフル! 元気をもらえたし、勤務店舗外に横の繋がりができたこともありがたかったです」。

KCAとして行う業務の一つが、勤務店舗やコミュニティスペースを使って行う「プレママセミナー」。 出産を控えているパパ&ママを対象に「沐浴の仕方」や「肌着の着せ方」などをレクチャーします。 「自分自身の子育て経験を通して、育児に決まった正解はないということは身を持って理解しています。 例えば、哺乳瓶一つとっても、母乳メインなのか、ミルクを取り入れるご予定なのか。 お母様のお考えや体調、生活スタイル等をお伺いしながら、その方にとっての必要なアイテム、 揃える時期などをアドバイスさせていただいています」。

そんな長谷川さんにとっての喜びの一つが、出産前に接客をしたマタニティのお客様が、 出産後にお子様を連れて再び来店してくれること。 「お腹の中にいた赤ちゃんに会えた感動はもちろん、出産後もお客様との関係が繋がっていることが実感できて、 とても嬉しいです」。

自身の今後のキャリアについて、長谷川さんはこう話します。 「今は、限られた時間でしか働けないけれど、時機を見ていずれは制限なくもっと働きたいと思っています。 そうすれば、より多くのお客様との接点ができ、深い繋がりができるようになるからです。まずは、近々やってくる"小1の壁"をうまく乗り越えたいですね」。 長谷川さんの言葉からは、「ママだからこそできる」今の仕事に対する喜びと誇りが溢れていました。


■参考情報

ミキハウス

まましごと応援団 お仕事体験プログラムレポート_株式会社ミキハウス


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